米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2015年9月28日月曜日

GBSでのチームビルディングについて


 初めまして。Class of 2017Kです。
 私も受験中、エッセイのネタ探しに本ブログをよく訪れていましたが、かなりリアルで生々しい情報が投稿されているかと思います。受験生の皆さんにとって少しでも学校選びの参考になれば幸いです。

 現在はコアプログラムBlock2の中盤に差し掛かったところですが、今回はこれまでのチーム活動にフォーカスして感じたことを書き記したいと思います。

 私が留学先を検討する上で重視した項目に、チームプロジェクト、ハンズオンの機会が多いことがあります。留学前の職場ではプロジェクトベースで主に数名のコアメンバーと一緒に業務を進めることが多かったのですが、留学後は多国籍チームを率いるプロジェクトに参画したいと考えていたため、自分自身のスキルアップと経験を得るのに最適であると考えたからです。

 GBSではFall Semesterのコア科目期間中、56名のチームを組み、Semesterを通して一緒に各授業のチーム課題に取り組んだり、課外活動を一緒に行ったります。特に忙しいコア科目の授業は毎日のようにチームおよび個人の課題が出され、連日遅くまでチームメンバーと議論、課題の提出に追われる日々を過ごすことになります。必然的に議論を交わすことになり、リーダーシップを取る機会にも恵まれるため、非常に良い訓練になります。

 GBSはアメリカのビジネススクールの中でもインターナショナル学生の比率が高く、(Class of 201643%、Class of 201735%)Diversity に富んだチーム編成となっていることが一つの特徴です。実際に私のチームはアメリカ人2名、ドミニカ人1名、インド人1名、日本人1名の計5名で、インターナショナル比率は60%となっています。受験中から希望していた国籍、バックグラウンド、得意分野の異なるチームメンバーと毎日議論できる環境は、毎回新たな発見、学びがあり、とても充実しています。

〇チームメンバーバックグラウンド
K.E 国籍:アメリカ 前職:教育関係 ⇒ 卒業後:ゼネラルマネジメントポジション希望
L.G 国籍:ドミニカ共和国 前職:金融関係 ⇒ 卒業後:金融関係希望
P.K 国籍:インド 前職:起業 ⇒ 卒業後:コンサル希望
S.L 国籍:アメリカ 前職:マスコミ関係 ⇒ 卒業後:マーケティングポジション希望

 チームの活動について面白かった取り組みの一つに、チーム編成時にStudent Team Charterを作成して、誓約するというワークがあります。各チームメンバーのバックグラウンド、強み、弱み、MBAで強化したい部分、ゴール等を表にまとめ、メンバーで共有します。各メンバーの強みや強化したい部分を各メンバーが把握しているので、チーム課題をやる時もやり取りがスムーズになります。例えば、S.Lはニュースレポーターの経験があることから文章作成能力は非常に高いですが(GMAT Verbal 満点!)、数字やエクセル操作に弱く、次のキャリア目標のマーケティング分野でのスキルアップのため、この部分の強化を図りたいと思っています。つい先日、Data & Decision Analytics という授業の中でエクセルを使って回帰分析のモデルを作成し、考察をまとめるというチーム課題が出されました。エクセルのまとめる役割を進んで担当したS.Lを、エクセルや数値分析に強いL.Gや他のメンバーがサポートしてチーム課題をまとめるという場面がありました。授業科目で様々な知識、スキルを必要とする課題が出されるため、チームで取り組む内に、自ずとスキルアップできる環境があります。私自身はコア科目にあまり馴染みのないバックグラウンドでなおかつ英語でのコミューニケーションについても劣っているので、非常に苦労しています。よく日本人は数字、エクセルに強く、その部分ではリーダーシップを取れると言われますが、私のチームにはL.GP.Kと非常に数字、エクセルに強い人材が揃っています。それでも事前に課題のフレーム、一部の数値分析で貢献はできたと思います。優秀な他の国の学生も事前の準備、時間厳守といった部分では日本人の勤勉さに及ばないのも事実なので、この強みを生かしつつBlock 2, 3では英語でのディスカッション等、他の部分でもより貢献できるよう取り組みたいと思っています。

 チーム編成時には、併せてチーム内のルールも厳しく取り決めて、しっかりと活動できるよう工夫がされています。項目は、1. Meeting Norms, 2. Communication Norms, 3. Leadership Norms, 4. Consideration Norms, 5. Accountabilityに分かれています。チームで週に何回集まるか、1回のミーティングは何時間以内に終わらせるか、メンバーとの連絡方法、情報共有はどのようにするかといったルールから、リーダーシップ役割の決め方、フィードバックをプロジェクト毎に各メンバーから出すこと、意見が出ないメンバーにはコールドコールをすること、ルールを守れなかった場合、チームメンバーをディナーに誘ってビールを飲みながら償いをする等、チーム独自の取り決めをして、しっかり運営できるようにしています。さらに、各チームにはリーダーシップコーチ(メンター、2年生が担当)が付き、定期的にチーム運営の状況確認、アドバイスをしたり、個人面談をして苦労している部分や改善したい部分のフォローアップをしたりしてくれます。

 このようにGBSにはチームビルディングに関するしっかりとしたシステム、サポートがあり、多国籍メンバーでのチーム活動を行うのに最適な環境があると言えます。また、先輩方が過去のブログに書いているようにコア科目以外にも、GMSCといったプロジェクトやElectiveの授業でチームでの活動機会はたくさんあります。チームベースの活動、collaborativeな環境、多くのハンズオン機会といったキーワードで学校を探している受験生の方は、ぜひGBSも選択肢の一つに加えていただけると幸いです。GBSは日本人コミュニティも充実していますので、気軽に質問等、ご連絡ください!
※先日チームメイトを誘って日本料理店に行きました。日本料理はアトランタでも人気が高く、初めて日本食を食べたというインド出身P.Kやドミニカ出身 L.Gも満足していたようです。(今回はルールを守れなかったための企画ではありません。。念のため。)

K



2015年9月21日月曜日

Block1を終えて。。

初めまして。Class of 2017のSuchです。
このたびは、Goizueta Business School(以下GBS)日本人ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。

コアプログラムのBlock1が終了し、授業やそれに伴うチームワークを通して感じたことなどを記したいと思います。

過去のブログに重ねての説明となってしまうかもしれませんが、GBSのコアプログラムは、1年生のFall Semester(8月~12月)の間、学年が3クラス(1クラス50人強)に分かれて必修科目を履修するものです。さらにクラスのなかで1チーム当たり5~6人のチームを作り、各授業のチーム課題にはこのチームで取組むこととなります。

このコアプログラムでは、EconomicsやMarketing、Finance等の基礎科目を学んでいくのですが、各授業をバラバラに学んでいくというよりも、各授業がお互いにリンクして進んでいるのを実感しました。例えば、ある週にEconomicsで学んだ概念と似たものが、その次の週のMarketingやFinanceで登場するといったような具合です。当然、授業では「先週Economicsの授業ではこう言われたけど~」というような発言が出て、より議論が活発になり学習が深くなるのを感じました。

また、Block1~3を通して履修するManagement Practiceでは、ケースやフレームワークの学習、及びチームによるプレゼン課題への取組みを通して問題解決力やTeam Developmentを習得していくのですが、この科目についても他授業で学んだことが色濃く反映されてきました。例えば、チームで課題のケースについてディスカッションをしていると、Marketingで学んだTargetingやPositioningをどうするのかというような意見が出てくるようになり、初日のチームワークに比べ、より深く広く問題の洗い出しをできるようになってきました。

MBAに来る前は正直、コアプログラムで学ぶEconomicsやFinanceではあまり新しいことは学べないかなとタカをくくっていたところがあったのですが(筆者は経済学部卒、金融出身)、全ての授業が実社会と結び付けて説明がされるのと、チーム課題を通してより実践的にアウトプットを図る機会を得ることで、多くのことを学んでいるの実感しています。

このようにGBSのコアプログラムはかなり綿密に構成されているのですが、もうひとつ重要な要素として、チームについて紹介できればと思います。

私のチームは、アメリカ人4人(エンジニア2人、コピーライター1人、軍人1人)、日本人1人(金融)の計5人のチームです。International比率が高いGBSでは留学生が1人のチームはあまり多くないのですが、チームメイトの職種や出身が多岐に富んでおりアメリカ人のなかにもDiversityの高さを感じます。各チームメイトの考え方がなかなか揃わず意見をまとめるのに苦労しますが、自分とは全く違うバックグラウンドのチームメイトから学ぶものも多いです。例えば、軍隊出身のチームメイトのチームをまとめる上手さや、コピーライター出身のチームメイトの文章力は大変勉強になります。

Block1を振り返ると、やはりアメリカ人4人の議論のスピードについていくことに苦労し、また自分と意見が対立することもありました。そこで自分はそもそも彼らとは商慣習も違うし、ケースで同じ文章を読んでいてもcontextの読み取り方の違いから結論が大きくずれていることがありました。Block1ではチームへの貢献の在り方として、Financeに関する知識の共有やExcel・Power Pointでのアウトプット作成に偏ってしまったところがあったので、Block2ではより深い議論ができるよう彼らの商慣習や文化そのものをもっと勉強していこうと思います。

このようにチームそのものから学ぶものは非常に大きいものだと思います。チームの特徴や課題はチームそれぞれですので、アプリカントの皆様は是非いろいろな話を在校生や卒業生に聞いてみてください。

以上、とりとめのない文章となってしまい恐縮ですが、少しでもGBSのプログラム内容が伝われば幸甚です。アプリカントの皆様はこれから出願に係わる様々なタスクが増え、お忙しい日々が続くと思いますが、どうか頑張ってください。


アトランタのJapan Festにボランティアとして参加しました。

Such

2015年9月15日火曜日

アプリカントの皆様へ 受験関連情報

初めまして、Class of 2017のShihoです。
自分が受験生の時に読んでいたブログにこうして投稿する日が来るなんて、とても感慨深く、不思議な気分です。

授業の感想や初めての海外生活におけるあれこれ、ゴルフ天国アトランタ、学校のイベントで披露した阿波踊り、そしてGoizueta MBA唯一の日本人女性としての日々等々・・・書きたいトピックは色々とありますが、今日は本年度のアプリカント対応係の一人として、Goizuetaの入学審査官と直接話して入手した情報をお伝えしたいと思います。
私もよくこのブログを見てエッセイやインタビューのネタを考えていましたので、少しでもアプリカントの皆様のお役に立てれば幸いです。

・AGOS学校説明会
まだ公式に告知は出ていないようですが、当校のAssociate Dean of MBA AdmissionであるJulie Barefoot氏が10月17-21日に日本を訪問予定で、AGOSで学校説明会を開催するそうです。
詳細がわかり次第このブログでも告知したいと思いますが、ぜひAGOSのホームページをチェックしておいてください。

また、学校説明会には出席しませんが、当校のDeanであるErika James氏も同じタイミングで来日し、企業訪問や卒業生との会合を持つ予定だと聞いています。Erikaは黒人女性としては初の米国Top20ビジネススクールのDeanということで、着任時には話題を集めたそうです。
Dean Erika(クリックで拡大)

・日本からの受験生に関して
当校は7つのコアバリューの一つにもあるようにDiversityを非常に重視しています。
Dean自らが日本を訪問することからも見て取れるように、最近は特に日本人学生のリクルーティングにも積極的です。
(Class of 2016は15人、Class of 2017は10人が日本からの留学生)

また、入学審査官たちは社費留学生についても、厳しい社内選考で選ばれてきた受験生ということで、前向きな印象を持っているようです。
Associate DeanのBrian Mitchell氏は、1年生全体のオリエンテーションの際に社費留学生の重要性について話していました。以下は後日頂いた本人からのコメントです。
(※社費だから受かるとか、社費でなければ受からないとかいう話ではありませんので、誤解のないようにお願い致します)

< Diversity is a core value at Goizueta and we take it seriously. Our corporate sponsored students are important and unique contributors to our diverse community because their professional experience is so vast and relevant. Sponsored students experience our academic curriculum in the context of their current careers, and thus bring a point of view that is greatly appreciated by the Goizueta faculty and students. >


・テストスコアに関して
公式ホームページのClass Profile(リンク)の情報、GMAT 80% range 620-740を参考にしてほしいとのことでした。
TOEFLは100以上が望ましいけれど、アプリカントの英語力はインタビューで確認できるので、TOEFL90以上、IELTS6.5以上あれば諦めずに出願してほしいとも言っていました。

私自身が受験していたころは、一番はListening、次にSpeakingを重視していると聞きました。
これは実際に授業を受けている感触とかなりマッチしており、さすが入学審査官、何が入学後に必要なのかわかっているのだなと思いました。
(まずはListeningができないと授業についていけない、Discussionにも自信をもって入っていけないので・・・)


・インタビューに関して
基本的にはinvitationベースで、ビジットの際にon campusで、もしくは入学審査官が来日して東京で面接が行われます(2016年2月の予定)
また、キャンパスに来ることのできないアプリカントにはSkypeでのインタビューも用意しているそうです。
ビジットできないことが入学審査の過程でネガティブに働くことはないとのことなので、ご安心ください。

また、日本人のアプリカントは英語力を気にして、早い時期に入学審査官と話したり面接を受けたりするのをためらう人が多いけれど、あまり気にせずにどんどんコンタクトを取ってほしい、ビジットの際にはぜひ入学審査官に会ってほしいとも言っていました。
英語力は受験の過程でどんどん向上するものだし、そのためにPre-MBAの語学学校を用意している、という見解のようです。

(※キャンパスビジットについて詳細は日本人向けオフィシャルサイト(リンク)をご覧ください)


以上、長くなってしまいましたが、Goizueta入学審査官からの最新受験情報をお伝えしました。
ご不明な点があればメールでお問い合わせください。

アプリカントの皆様はこれからどんどん出願作業が忙しくなっていく時期かと思いますが、体調に気をつけて頑張ってください!

Shiho

2015年9月14日月曜日

日本人コミュニティの存在


  はじめまして、Class of 2017 Ken です。数日前にBlock1の試験が終了し、ほっと一息ついているところですが、今日から約1ケ月半後のMid Examに向けた授業が再開されます。そんな中ですが、今回は、日頃大変お世話になっている「日本人コミュニティ」について、感じていることを書き連ねたいと思います。

 現在、ゴイズエタビジネススクールには、総勢20人以上の学生が在籍しており、その家族を含めて一定規模のゴイズエタ日本人コミュニティが形成されています。現在、進学先を検討している方の中には、このようなコミュニティの存在を積極的にとらえない方もいらっしゃるかもしれませんが(実は、私自身も渡米前はゴイズエタにおける日本人学生の割合について積極的にとらえていませんでした)、個人的には、その有難みを日々感じているというのが本音です。

 私は今年の6月21日にPMEL(いわゆるサマースクール)に参加するため、妻と共にアトランタにやってきました。到着の3日後にはPMELの開始が迫っていたため、基本的な生活セットアップ(住居契約、携帯電話契約、インターネット環境の整備、日常品買い出し等)を至急行わなくてはなりませんでしたが、2年生が精力的なサポートをしてくださったおかげで、そのほとんどをPMEL開始までの2日間で終わらすことができました(もし、こうしたサポートがなければ、数週間はかかっていたと思います)。また、PMEL開始後も、ほとんど何も家具がない家に妻が残される状況でしたが、近所に住む日本人コミュニティの方が妻を気遣ってくださり、食事や買い物に連れていってくれたり、生活に必要な情報(日本の食材が購入できるスーパーの存在など)を数多く教えてくれました。こうしたサポートは初めての海外生活に対して不安だらけであった私や妻にとって、本当に有難いことでした。

 さらに、普段の学校生活における同級生の存在も慣れないアメリカでの大学生活の大きな支えになります。私はパブリックセクターの出身であり、ビジネススクールで習うことのほとんどは経験したことのないものばかりです。また、これは個人的な問題ですが、英語のリスニング力も十分ではないため、おおまかな授業の内容は理解できても、個別具体の論点に対する説明の詳細やアサイメント(宿題)に対する細かい指示を聞き落としてしまうことがあり、授業後に日本人の同級生に教えてもらったりすることがあります(当然、他の(日本人以外の)クラスメイトに聞いても教えてもらえるとは思いますが、そもそも細かい確認を英語で行うこと自体に困難を感じるのが現状です(笑))。また、休日などに集まって食事をする(騒ぐ)時間等は、英語から解放される貴重なひと時であり、「みんなも自分と似た苦労を感じていたり、感想を持っていたりするのだな」とひそかに自分を安心させる機会になったりします(笑)。

 もちろん、これからのMBA生活において、日本人コミュニティとの関わりに加えて様々なコミュニティの人々と積極的に交流し、多様な経験を重ねることが自分の成長にとって重要であることも感じていますが、日本人コミュニティとの交流はそのような挑戦(少し大げさかもしれませんが)を後押しする大切な基盤であると感じています。とりとめのない文章になってしまい大変恐縮ですが、ここまでお付き合い頂いた皆様ありがとうございました。年末に向けて出願準備がいよいよ本格化していく時期になると思いますが、無事乗り切られ、憧れの進学先に進まれることを願っています。では!


 

エモリー大学の裏門(?)付近です。
昨日(9月13日)はまさに快晴といった天候で、最高の散歩日和でした。