■告知
当校は、8月16日(日)開催予定の日本人MBA受験生向けオンラインイベント「アゴス・ジャパン MBA夏祭り」に参加します。当日は日本時間で計2回のセッションを予定しています。
参加登録を含めた詳細はアゴス・ジャパンのHPからご確認ください。
■本題
こんにちは。Class of 2027のTSです。夏休みも折り返しを迎え、在校生はそれぞれの時間を過ごしています。私も帰社後のキャリアを見据えつつ、国内外を旅行するなどして夏休みを過ごしています。
さて、今回は5月の春学期終了後に参加したGlobal Experiential Modules(GEMS)での経験をご紹介します。
GEMSの概要
GEMは、現地企業や大学などへの訪問を通じて、特定のテーマを海外の文脈から学ぶ約1週間の研修プログラムです。今年度は日本とデンマークの2コースが用意され、私はワークライフバランスとサステナビリティをテーマとするデンマークのプログラムに参加しました。
現地では、Novo Nordisk(製薬・ヘルスケア)、Ramboll(エンジニアリングコンサル)、Ørsted(再生可能エネルギー)、Danske Bank(金融)、Copenhagen Business Schoolなどを訪問しました。なお、プログラムは学生が企画する企業トレックとは異なり、学校から単位認定される正式なプログラムとなっています。
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| 訪問先の一つであるØrstedでの説明 |
デンマークの企業経営と社会制度
デンマークは一人当たりGDPが日本の2倍以上です。産業構造などの違いもあり単純な比較はできませんが、日本より少ない人口と労働時間で高い付加価値を生み出す背景に関心を持ちました。
特に印象に残ったのは、社会課題への長期的な取り組みや余裕のある働き方が、単なる理念や文化ではなく、収益管理や社会制度によって支えられていたことです。
例えばRambollでは、脱炭素やインフラ整備といった長期的な課題に取り組む一方、月次で案件の採算を確認し、営業活動の優先順位、人員配置、組織体制を継続的に見直しているようです。また財団が株式の大半を保有することで長期的な視点を持ちやすい一方、その理念を維持するための収益管理は徹底するとのことでした。成果が出るまでに長い時間を要する事業を扱う点は、私の派遣元企業とも共通しており、長期的な目的と足元の採算管理を両立する姿勢は参考すべき点が多いと感じました。
Copenhagen Business Schoolでは、手厚い社会保障やワークライフバランスが、税負担、高い労働参加、柔軟な雇用、再教育といった制度全体によって支えられている点に触れ、単に労働時間を短くするのではなく、限られた時間で高い成果を出し、かつ多くの人が雇用市場に参加し続けられる環境づくりが重要であると考えました。
仕事後に家族や友人との時間を楽しむ人々の姿や、Hyggeと呼ばれる文化も、こうした企業経営と社会制度の上に成り立っているように感じました。短期滞在でデンマーク社会を理解したとは言えませんが、理想的に見える制度や働き方ほど、その裏側にある負担、規律、効率性まで見る必要があることは、今回の大きな気づきでした。
デンマークの仕組みをそのまま日本に持ち込むことは困難でしょう。それでも長期的な目的を掲げながら、足元では成果にこだわり、仕事と余暇のメリハリを実践するコペンハーゲンのライフスタイルに触れられたことは、自分自身のあり方を考える上でも貴重な経験となりました。意外にも人々のマインドセットや手厚い社会保障は、日本との共通点があるように感じられ、日本でも部分的に取り入れられるのではないかと感じました。
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| CopenHill(ごみ処理場)からの都市景観 |
海外プログラムに参加する意義
MBAの授業では戦略、組織、金融などを幅広く学びます。一方で、教室での議論が現実の企業経営で起きる問題とは少し離れているように感じ、学んだ内容が実際の問題解決にどこまで役立つのか、疑問が残ることもありました。
今回の企業訪問では、質疑が中心ということもあり、様々な疑問を登壇者に投げかけることで、MBAで学んだ考え方がどこまで現実に当てはまり、どこから企業固有の事情や制度上の制約が影響するのかを考えることができました。
米国のMBAでは、当然ながら米国企業や米国市場を題材とする授業が多くなります。米国でのキャリアを考える学生にとっては大きな強みですが、私のように卒業後に帰任先があり、複数地域の事業に関わる可能性がある学生にとっては、米国以外の経営や制度にも触れることが同じように重要だと感じます。その点でこのプロフラムはある意味米国MBAの弱点を部分的に補完しうる一つの機会だと考えられます。
今回、米国MBAの文脈で学んだ内容を、日本とも異なるデンマークで確かめ、クラスメイトとの議論や雑談を通じて自分の考えを反すうできたことが、GEMSに参加した意義となりました。海外の制度をそのまま持ち帰るのではなく、日本、米国、欧州それぞれの考え方を比較し、自分なりの判断軸として蓄積していくことが、これからも重要になってくるはずと感じております。
CO 2027 TS
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