こんにちは。CO2027のTSです。5月に1年次を終え夏休みの旅行第一弾からアトランタに戻ってまいりました。6月はワールドカップなどのイベントもあり、夏休みを満喫したいところですが、今回は当校MBAの目玉科目であるImpactについて私自身の学びの整理も兼ねて経験を共有したいと思います。
■Impactの概要
ImpactはEmory GBSにおける特徴的なプログラムの一つです。1年次のコアターム(秋学期)では全員が共通して理論部分を学び、その後春学期の実践部分で各プロジェクトに分かれて取り組みます。
プロジェクトのカテゴリーは年度によって異なりますが、今年は経営戦略、マーケティング、オペレーション改善、企業価値評価・投資判断、不動産の5つに分かれていました。学生は各カテゴリの中から選んだプロジェクトにアサインされ、春学期の約4か月間をかけて実践に取り組みます。
コンサルティングへの就職に強い当校ならではのハンズオンプログラムであり当校の目玉科目と言ってよいと思います。またこれを一つのステップと捉えて夏のインターンシップに臨む学生も多く、負荷は高い授業です。
■プロジェクトの進め方
守秘義務の関係で詳細は省きますが、私のチームは米国の大手外食企業の成長戦略に関するテーマを担当しました。
私自身のバックグラウンドは非鉄製造業の営業職です。そのため外食業界は全く毛色の違う分野でした。一方で対象企業は規模が大きくコーポレートアメリカの文化に触れられるのではないかと考えたこと、また企業戦略に関わるテーマに取り組みたいという考えからこのプロジェクトを選びました。
進め方については、3月初旬に中間報告を行い5月にはクライアント向けの最終報告と学内での発表の2回を行う点以外は、例えば顧客とのミーティング頻度などもクライアントによって異なります。私たちの場合はまず大きなテーマが与えられ、それをチームで議論しクライアントと適宜すり合わせながらリサーチスコープと実際のリサーチに落とし込んでいきました。
また今回のクライアントはImpactへの参加が初めてだったこともあり、かなり意欲的で通常の報告機会に加えて週1回の報告・相談ミーティングが設定されました。プロジェクトではコアタームで学んだロジックツリーやクエスチョンツリーなどのフレームワークも使いながら問題の特定、リサーチスコープの決定、調査、提言という流れで進めていきました。
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| Impact のざっくりスケジュール |
■難しかったこと
このプロジェクトで特に難しかったのは与えられたテーマから論点を絞り込み実際のリサーチ内容に落とし込むこと、またそれをチーム内とクライアント双方で合意しながら進めることでした。
今回のテーマは複数の海外市場を対象とした成長戦略であり、具体的には既存の外食チェーン店を若い世代にとってより魅力的な体験の場へどう進化させるかというものでした。ただ具体的にどの市場を対象にするのか、どの競合を見るのか、店舗体験・商品・ブランドのどこまでをリサーチ対象にするのかで、かなり労力を使いました。
特に1月から3月初旬の中間報告までは、リサーチスコープが広がったり方向性を固め直したりする場面が多く、かなり大変でした。ExcelやPowerPointで目に見える成果物を作る前にそもそも何を問うべきかを議論する時間が長く続いたため、非ネイティブとしてはストレスを感じる局面もありました。
またクライアントミーティングのリードにも苦労しました。ミーティングのリードは基本的にチームメンバーで順番に担当し、私も3回ほど担当しました。MBA前には海外営業で米国の顧客とも相対していたため、クライアントとのやり取りにはある程度自信がありましたが、実際に米国のドメスティック企業とプロジェクトを進めてみると議論の進め方や合意の作り方は想像以上に違いました。
日本にいた時の米国顧客とのやり取りはあくまで自社と顧客との関係性の中でのものであり、米国企業の会議文化や意思決定の進め方に深く触れていたわけではなかったのだと思います。米国のワークカルチャーについて話を聞くことはありましたが、実際に自分で議論や合意形成をやってみるのは別次元の経験でした。担当者や関係者が変わると前提や優先順位も変わる中で、誰とどの段階で合意を作るのかを考えながら進める必要があり、この点は自分にとって畑違いの分野であったことも含めて大変でしたが、非常に良い経験になりました。
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| 学内発表後の集合写真 |
■Impactを通じた学び
貴重な経験をたくさんしたのですが、その中で3つに絞ると次の通りです。
一つ目は、自分で考えることの大切さです。今回、外部コンサルタントの立場で取り組んでみて、どれだけ時間を投下しても自分が実際にその仕事をしていない業界や立場を外から想像することには限界があると感じました。戦術レベルでは理解できることもありますが、オペレーションの実態や組織のカルチャーまで根ざして実効性を伴うことは簡単ではありません。これを踏まえて、自分の会社の戦略や意思決定については外部の知見を活用しつつも、事業や現場を理解している自分たちがグリップして考えるべきだと再認識しました。
二つ目は、マネジメントにおける他者の良いところを見ることの大切さです。チーム内では意見や進め方が異なる場面も多くありましたが、分析の正確さ、資料に落とし込む力、発表で説得力を出す力など、貢献には様々な形があることを実感しました。自分の物差しだけでチームメイトを判断するのではなく、最終的にたどり着くべきところに向けて、それぞれの強みをどう活かすかを考えること、その視点を頭に置くことが大事だと感じました。この点は教科書的にはよく言われる一方で、綺麗ごとのようにも感じていました。しかし、自分自身が留学生という立場になったこともあり、ようやく腹落ちした気がします。
三つ目は、コーポレートアメリカの文化を身をもって学んだことです。今回、米国企業とのプロジェクトを通じて日本での仕事とは異なる部分を多く感じました。一方で、丁寧に前提を揃え関係者の認識を合わせながら進める日本的なやり方が活きる場面もあるのではないかとも感じました。米国でビジネスを進める上で、何を外してはいけないのか、逆にどこはスピードを調整して丁寧にやるべきなのか、その感覚を少し掴めたことは今後の私のキャリアを考えても有意義な経験だったと感じます。
以上が、私のImpactでの経験と学びです。今回書きながら大変だった場面も思い出しましたが、実務、チーム、英語、そしてアメリカ企業との向き合い方を一度に試された点で、MBAでなければ実現しなかった経験だったと思います。
CO 2027 TS
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