スペインのESADE Business School (Class of 2016) から交換留学生としてEmoryに来ていますSFです。私の方から交換留学生から見たEmoryの魅力やアメリカとヨーロッパのMBAの違いなど書かせて頂きますので、少しでも皆さんにお役に立てるようであれば幸いです。
受験生の皆さんにとってはまだ馴染がないかもしれませんが、MBAでは学校によって交換留学という制度を用意しており、期間限定で提携した学校同士で学生を交換し合い、単位交換も可能な仕組みになっています。学校により選択できる学校・期間は異なるので、私にとっては学校が用意している交換留学の範囲も、受験時の学校選びの中で重要なCriteriaの一つでした。私がEmoryへの交換留学を希望した理由は、①アメリカのMBAを1度は経験したかった!②選択授業はマーケティングに特化したく、マーケティングの強い学校に行きたかった!③英語力の向上!でした。そして無事元の学校のESADE内での選考を通り、希望通りEmoryへの交換留学を果たせました。現在私は8月後半~12月中旬までの1セメスター(選択授業のみ)をClass of 2016の方々と一緒に過ごしています。
【Emoryの魅力】
①フレンドリー
正直ここに来るまではアメリカのMBAはIndividualでCompetitiveな印象がとても強かったのですが、来てみたらびっくり!驚くほどみんな気さくで、温かく交換留学生も迎えてくれました。教授も学生も困った時にはすぐに対応してくれますし、外者扱いされることもなく感じるのはEmoryが大事に育んできたCultureからきているのだろうと思います。交換留学生に対してもBuddyという相談役の同級生をつけてくれたり、そのBuddy達が集まり食事会などを開いてくれたりなど、DiversityやCommunityを尊重する印象を強く受けています。
②チームワーク
私の元の学校もTeamworkやCooperationなどを非常に重んじているのですが、EmoryもESADEに負けず劣らずチームに重きを置いていると感じます。私が選択している授業には全てチームでの課題が課せられていますし、チームで過ごす時間が非常に長いと思います。グローバル化がますます進むビジネスにおいては、Diversityな環境でTeamでCooperateできる能力を伸ばすことが最も必要とされると私は確信しているので、このEmoryのCultureはアメリカのMBAとしては特筆すべきことかと感じています。
その他数えきれないほど魅力はあるのですが、外から来たものとして強く感じ、アメリカのMBAの印象とは違った2点を挙げさせて頂きました。【アメリカとヨーロッパのMBAの違い】
① 授業
アメリカはほぼ2年制のMBAの為、Emoryもかなりコアの授業をしっかりやっているなと感じます。フレームワークや理論をしっかり叩き込んで、それを基に選択授業で更に知識とスキルを上げていく、というのがヨーロッパよりも強いと思いました。ヨーロッパの学校はほとんどが1年もしくは1年半の為、コアの期間が短かったり、コアを受けながら選択授業も多く取らなければいけないことが多いので、フレームワークなどは基本的にテキストなどで自習して頭に入れることが前提となるケースが多くあります。ですので、時間が経つと頭から抜けてしまうことも・・正直多いのですが、こちらの学生はみんなしっかり基礎が身についているので、私がここに来て選択授業に混じった時、多少追いつくのが大変な時もありました。総じてアメリカのMBAはよりAcademicな要素にフォーカスしていると感じます。課題に関しても基本的にはフレームワークや理論に沿った進め方を強調していると感じますし、数字を多く扱い、Quantitativeな分析を行うことがどの授業に関しても多いです。実践的なスキルを身につけ、自分の強みを持つためにも若い年代の学生にとっては非常に有効なアプローチだと思います。
一方でご存知の通りヨーロッパは一般的にアメリカより学生の平均年齢が高く、職務経験が多い学生が集まるのが特徴です。授業も各自のバックグラウンドや経験を活かしたものが多く行われます。例えばESADEでは席次表に各学生の前職が記載されており、教授がそれを活かしながらケースを展開したり、Financeの授業でSalesやOperationの視点からの見解がほしい時にその前職が記載されている学生に話を振ったりします。ヨーロッパの学生の方が年齢的に高く職務経験が長いことから、専門的なスキルや知識よりも経営目線により近いGeneralな要素を多く含む授業が多かったように思います。
またアメリカは選択授業の選択幅が非常に広いと思います。Emoryはアメリカでは比較的コンパクトなサイズですが、同サイズのESADEよりも選択幅は3倍程あります。それは卒業後により実践的・専門的な強みを持てるようにという志向から、選択授業への幅の広さに繋がっているのかと個人的に感じました。② 課外活動
大きく違いを感じることの一つとして、アメリカの課外活動の活発さやイベントの多さを感じています。Undergraduateや他の大学院も併せて規模が大きいこともありますが、ビジネススクールとしてビジネスに密接したものも多いです。私のいたスペインは、国自体としてはビジネスへ意識が低く、経済の状況も良くないので、実際の企業との関わりや一線で活躍するビジネスパーソンをゲストスピーカーとして来て頂くことに非常に苦労していたと思います。それと比べるとアメリカは人材も企業もイベントも非常に多く、近くでいくらでも機会を創出できるのは利点だと感じました。一方のヨーロッパは、積極的に学校の外・国の外に自ら行くことが大事になってきます。国は違えどシェンゲン協定とLCCのおかげで気軽に手軽に周りの国に行けることができますので、自分の活動範囲・視点を学校や国内に留めず、自ら成長させる機会を外に見つけにいく姿勢も重要かと思います。
③ 学生・Diversity
数字を見て頂ければ分かるかとは思いますが、やはり学生のDiversityに関してはヨーロッパの方が進んでいます。ESADEではInternational比率が95%で、周りは常に違う人種の人たちなので、Majorityというものがありません。人間関係も授業もチーム課題も手探りでお互い大変な苦労しながら作り上げていくのが醍醐味とも言えます。多くの人種・文化と触れ、視野やネットワークを広げるには非常に適していると思います。一方のアメリカですが、私は来る前はアメリカ人というMajorityの中に入っていく怖さを感じていましたが、来てみたら意外にもDiversityに富んでいました。アメリカと言っても州や地域によって多種多様であり、個人個人を見ても非常に個性に富んでいて、アメリカ人という一括りにはとてもできないことを痛感しました。そもそも移民の国だと常々言われるように、外部の人間を受け入れる文化は非常に強く感じます。EmoryはアメリカのMBAの中でもInternational率は高いですし、アメリカ人とチーム課題をやっていてもこちらを受け入れてくれる姿勢は強いので、Diversityも重要視している受験生の方々にもご満足頂けるのではないかと思います。
④ 生活・ロケーション・移動手段
電車・バス・飛行機という公共機関の交通の便がいいヨーロッパと比べると(私が住んでいたバルセロナは特に良かったからですが)、アメリカは車がないと生活が大変な場所が多いと痛感しました。もちろんヨーロッパでも公共交通機関を利用できない遠隔地にあるMBAもありますが、基本的には車を持たない生活で過ごせる所が多いと思います。アメリカはどこに行くにも車がベースですので、アメリカの学校選びをする際はご自身が考えている以上にロケーションにこだわることを個人的にはお勧めします。アトランタは都会と自然の両方を適度に堪能できる素晴らしい場所だと思います。学校は都心からすぐとは言えませんが、車が無くてもUber・バス・タクシー・電車も使えますし、緊急時にはフレンドリーな同級生が助けてくれるので、車を持てない交換留学生の私でも生活に全く支障がなく快適に過ごせています。
アメリカとヨーロッパでもし悩まれていることがあれば、どちらが優れているという観点ではなく、どちらが自分の学校選びのCriteriaに合っているかでぜひ考えて頂きたいと思います。両方経験したければ私のように交換留学という手段もありますので、ぜひそこまで視野に入れて受験を進めて頂ければと思います。Emoryは交換留学先の選択肢も非常に広いですし、学校自体もアメリカのいい部分とヨーロッパのいい部分を両方兼ね備えた優れた学校だと個人的には感じているので、外部から来た私からもぜひお勧めしたいなと思います。
それでは長文大変失礼しました!
交換留学生とBuddyの交流会にて