米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2018年11月26日月曜日

Hands on experience: Entrepreneurial Practicumのご紹介


こんにちは、Class of 2019のYOです。

アメリカの11月の第4木曜日(今年は11/22)はThanksgiving  Holidayで、それに併せて今週1週間は学校も休みになっています。アメリカでは、家族で集まって過ごすことが一般的とのことで、実家に帰省したり、両親が訪ねてきたりして過ごす人が多いようです。家族でターキーを食べながらフットボールを観戦するのが伝統的な過ごし方なんだとか。家族でおせち料理を食べながら箱根駅伝を見て過ごす日本の正月のようですね。また、長期の休みを利用して旅行に行く人たちも多いです。

さて、本日は私が本セメスターで受講している授業「Entrepreneurial Practicum」をご紹介したいと思います。担当教授は本ブログでも何度か紹介されている当校の名物教授Prof. Charlie Goetzと、主にファイナンス関連の授業を担当しているProf. Klaas Baksです。

Practicumという名が冠する通り、企業とのプロジェクトを実践して学ぶということに重点が置かれている授業です。アントレプレナーを養成するというよりは、いかにアントレプレナーのアイデアを醸成していくか(Acceleratorの視点)、どのようにスタートアップを審査し投資すべきか(Venture Capitalistの視点)を養うことを主眼とされているように感じます。以下、それぞれの点について具体的にどのようなことを行っているかを記載します。


1)  Acceleratorの視点
スタートアップに対するコンサルティングプロジェクトを行っています。授業の開始当初に7-8社ほどのスタートアップのCEOが来て、プレゼンテーションを行います。学生たちは4-5人でチームを組んでそれぞれ1社をクライアントとして担当し、セメスターを通じてコンサルティングを提供していきます。

スタートアップ側として何をしてほしいか、事前に簡単に説明されますが、詳細のスコープについてはミーティングを重ねて絞っていくことになります。そういった点でも実社会のプロジェクトと同様です。

私はヘルスケア関係のアプリを制作するスタートアップ担当のチームにアサインされ、主にマーケティングストラテジー、インベスターストラテジーに関して協業しています。まだプロダクトも試作段階、従業員は2名というスタートしたての会社で、プロダクトをこれからどのように売り込んでいくかを一から考えており、興味深いです。また、資金調達に関しても、どの地域/どの分野の投資家に対してアプローチしていくかから共に考えており、アメリカのスタートアップ事情を知る良い機会となっています。守秘義務の関係であまり詳しくは書けないのが残念ですが、全体を通じて刺激の多いプロジェクトです。


2)   Venture Capitalistの視点
上記の課題とは別に、2つ目の大きなトピックとして、RAISE Forumという投資イベントにおけるプロセスの一端を担うという課題があります。

RAISE Forum (http://www.raiseforum.com/)とは、Goizueta Business Schoolが運営する、主にアメリカ南東部に位置する投資家と起業家をつなぐ目的で運営されている投資イベントであり、毎年5月と11月に開催されています。まず投資家と起業家のアプリケーションを募り、審査を経て、最終まで残った8社程度の起業家がRaise Forumにおいて投資家に対しプレゼンをする機会を与えられ、そこに出席した投資家が投資判断を行います。

私たちがチームとして取り組むのは、書類審査を通った起業家に対しインタビューを行い、最終審査に残すべき企業のリコメンデーションをRAISE Forum事務局に対し行うというものです。最終判断は事務局が行うものの、その判断には学生からのリコメンデーションが少なからず影響するため、まさに投資判断の一端を担うこととなります。そのことは起業家側も認識していて、私たちがインタビューを行った際も本気のピッチを行ってくるので、自ずとこちらも真剣に取り組もうとする姿勢となります。なお、1チームあたり7-8社のスタートアップの審査を担当するのですが、課題が与えられてから期限まで2週間程度しかなく、全社とインタビューを行うことは至難の業でしたが、お互いこの課題を最優先で予定を調整したため何とか完了することができました。

また、RAISE Forum事務局は現役で活動する投資家で構成されており、その前で私たちの投資判断についてのプレゼンを行い、フィードバックを得るというのも貴重な経験でした。


上記以外にも、実際のタームシートを渡され、思いつく限りの批判をせよという課題や、革新的なスタートアップが出現した場合、昔からその業界を率いてきた企業としてはどのような対抗策があるかを考える、といった課題に取り組みます。トピックが盛りだくさんのため、今期私が選択する授業の中でも特に負荷の重い授業ですが、興味深く学びは多いです。


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