米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2020年4月13日月曜日

授業紹介 ーIMPACT360ー

皆さん、こんにちは。Class of 2021のHTです。
新型コロナウイルスが依然として世界中で猛威を振るっている中で、それぞれ不安な日々を過ごしておられるかと思いますが、まずはご自身と周りの方の健康・安全を第一に過ごして頂ければと思います。

受験生に於かれては、Round 3の方のDeposit dueが4月20日、Round 4の方のNotificationが5月1日となっており、難しい状況の中で意思決定が迫ってきていることと思います。そうした中で、不安なことも出てくると思いますが、どんなことでも構いませんので、気軽にお問い合わせ頂ければと存じます。問い合わせ先は本ブログの最後に掲載しております。


さて、本日は今期(Spring Semester)履修している授業から、Emory MBAの目玉でもある

IMPACT360を紹介させて頂きます。

すでに本授業の存在については、聞かれている方も多いかと思いますが、実際の企業をクライアントとして、5名程度のチームで、企業から課された課題に対して、一つのSemesterをかけてじっくりと回答を用意し、最終的にクライアント向けプレゼンまで実施するHands-onの授業です。このHands-onの授業がコア科目の一つとして、全学生に必修とされていることがEmoryの大きな特徴の一つでもあります。


今年も20社以上の地元企業がクライアントとなり、規模としては、スタートアップから大企業まで、また業種としては、NPO、メディア、交通インフラ、自動車メーカーなどなど、非常に幅広い企業が対象になっており、自分の興味に沿う企業やテーマが必ず見つかると思います。


12月初旬に各企業を招いての大規模なクライアント・課題発表があり、その後各人の希望調査に基づいて、最終的なクライアントの割り振りが決まります。そこからは、1か月に1度程度、前期に学んだ問題解決フレームワークの各段階に基づいた成果物の提出が授業として課されることはありますが、原則としてはどういった調査を進めるのか、どのようなスケジュールで進めるのかも各チームで考えて進めることになります。最終的なクライアント向けプレゼンが4月下旬に予定されており、現在最終成果物に向けた準備の真っただ中です。


(以下、クライアントと締結したNDAの関係であまり具体的には書けません。ご容赦ください)

私が選んだプロジェクトは、医療機器のスタートアップ企業がクライアントで、まだ試作段階である彼らの事業の進むべき方向を描き、ベストなExit戦略を提案するという課題です。もともと新規事業の立ち上げに興味があったため、一つの技術から出発したスタートアップの草創期をその企業に入り込んだ形で考えられること、大企業との協業なども視野に入れたExit戦略まで考えられることから、自分にとってベストな課題だと思い、これを選びました。

実際にやってみると、想像以上に抽象度が高い課題に非常に苦戦しています。チームメイトには、医療機器スタートアップの出身者だったり、MBAとMPH(Master of Public Health)のDual Degreeの人もいたりと、決して業界バックグランドが分からないというわけではないのですが、クライアント自身の求める内容がミーティングのたびに微妙に変わっていったり、類似事例にあたろうにも取引自体がPrivateなため情報を取りづらかったり、念頭に置くべきシナリオが多岐にわたっていたりと、仕事の分担やリサーチ時間の配分にさえも苦労しました。


そんな中でも、Librarianと協力して、どう情報を集めるか工夫したり、チームメイトの前職場にインタビューを実施したり、別途履修しているEntrepreneurshipの授業からヒントを得たり、少しずつ自分たちの手で扱えるように問題やデータを分解していく過程を通じて、とっかかりが無いように思えた課題も、徐々に自分たちの手で扱えるようになってきた実感は、この授業ならではかと思います。


先日は、これまでのリサーチや進捗具合、方向性を教授と外部の専門家に対してプレゼンして、フィードバックをもらう機会があり(この機会自体は学校が用意してくれます)、そこではPrivate Equityなどで豊富な経験を持つ方、アトランタのスタートアップ界隈で著名なVenture Capitalistなども参加しており、厳しいながらも建設的なフィードバックをもらうことができました。


まだ最終プレゼンまで落とし込めていないですが、どうしていいのか分からず圧倒された課題に対して、苦労しながらここまで進められた経験だけでも、幅広い視点と考え方が身に付いたと思いますし、当初想定していた技術スタートアップの内情や、これからの狙いなどの一端を知ることができて、非常に有益な経験だったと実感しております。また、課題解決という側面だけでなく、チームマネジメントの面でも同様に大きな学びがありました。本来その課題に興味があって集まったはずのチームですが、就活や別の授業などとの優先順位付けに苦心する部分もあり、難しい課題だからこそ、どうモチベーションを高く保って進めていくかという点では、苦労した分学びも大きかったです。


プログラムの売りにしているだけあって、負荷も高く、各人の自発的な動きがかなり求められる授業ではありますが、その分、そのまま働いていたら得られなかったであろう体験を集中的にすることができ、自分の幅を広げられたと感じておりますので、とても有意義な授業だと実感しています。


IMPACT360についてもっと知りたいという方、他の授業、学生生活について聞きたいという方、受験に関して知りたいことがあるという方、どんなことでも構いませんので、何かご質問がありましたら以下の宛先にご連絡ください。

goizueta_jp_student@googlegroups.com

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