米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2010年1月12日火曜日

Goizueta Real Estate Bus Tour



松の内も過ぎてしまいましたが、新年明けましておめでとうございます。今年もこのブログを通じて、私達在校生がゴイズエタビジネススクールの特色やアトランタの街の魅力について紹介してまいりますので、引き続きご愛読のほどよろしくお願いいたします。

今回は、私が先日参加した“Goizueta Real Estate Bus Tour”について紹介させて頂きます。私は都市開発の仕事をしていた訳ではないのですが、教授の誠実な人柄とユーモア溢れる授業に惹かれて、この一年、都市開発財務に関する授業を受講してきました。このバスツアーは教授が教える授業の受講者から希望者を対象として教授並びに実務担当者(教授の教え子)から説明を受けながらアトランタの主だった建造物及び不動産を半日で見学するもので、学生及び教授の奥様を含む約30名が参加しました。

アトランタでは、官庁及び会社のオフィスや商業施設が集中して存在するダウンタウン、ミッドタウン、バックヘッドと呼ばれる地域の人口密度が非常に高く、この三地域は放射線状に拡がった州間高速道路を通じて半径20km程度の周辺地域内に住む人々を吸い寄せているようにも見えます。また、この三地域を除けば、私たちが通うビジネススクール周辺を始め、比較的緑に囲まれた穏やかな地域となります。

アトランタは、都市と郊外が適度に共存している街とも言えますが、無秩序に都市計画がなされた街と言った方が正確な表現となるように思います。オリンピック開催等によるここ十数年のあまりに急激な経済発展を考えれば、社会基盤の整備が追い付かなかったのも致し方ないとは思いますが、片側8車線の高速道路を出ると、片側1車線の一般道に通じる事もままあり、人間の体で言えば血液の流れが如何にも悪いという印象です。

ここ数年の間に、行政が中心となり、州間道285号線(アトランタ市を中心に半径 20kmの周辺地域を結ぶ環状線)に沿って、新しい街の拠点づくり、車輛負荷の抑制を目的として、LRT(Light Rail Transit : 現代版チンチン電車)を敷設する検討がなされているそうです。実務担当者曰く、昨今の経済情勢下で、些か停滞気味だが、アトランタの都市計画を改善させる上で、必ず前進させたいとの事。私自身はこの話を伺って、285号線全周ではなく、費用対効果を基に電車の走行地域を限定する等の工夫が必要では、という印象を受けましたが、車社会の典型であるアトランタに一石を投じるこのプロジェクトは、環境負荷の低減という意義からも今後是非進めるべきだと思いました。担当者の説明中に、渋滞中の反対車線で追突事故があり、彼のさもありなんと言った表情も印象的でした。

バスツアーに参加して、アトランタにもヨーロッパ調の建物や家々がある事や、現ミッドタウンでの大火事の歴史など、カーナビを使って目的地に辿り着く事に集中している普段の生活では知りえなかった事に気づかされ、アトランタという街を見る目がまた少し変わりました。今度、時間のある時にでも、車を止めて、家族で街をぶらぶらと散歩して、またアトランタと言う街を自分なりに観察してみたいと思います。