受験生の皆様こんにちは。Class of 2020のSSです。
Emory大学でEntrepreneurshipを学びたい、アトランタエリアを拠点とするスタートアップやVC/Angelファンドでインターンをしてみたい、あるいは自分で起業をしてみたいけど、はたしてそんなエコシステムはアトランタにあるのか、Emory
MBA生としてどんなリソースがキャンパス内外で利用可能なのか、今回のブログではこうした疑問を持っている受験生向けに情報をお届けしたいと思います。
n STATISTICS
スタートアップ調査の有料情報端末であるPitchbookを利用してアトランタを含むジョージア州(GA)と、シリコンバレーを含むカリフォルニア州(CA)、そして日本とのスタートアップ比較をしてみたところ、GAのスタートアップの数やディール数はCAの約10分の1、投資家の数も約7分の1と見劣りするものの、他方で近年盛り上がりを見せている日本と比較した場合にはGAだけで企業数、ディール数、EXIT数が上回っており、GAが相応の規模を誇っていることがこれらの数字だけでもお分かりいただけるかと思います。
Pitchbook
地理別スタートアップ比較
(2015年1月~2019年6月末)
Location
|
Companies
|
Deals
|
Investors
|
Exits
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Largest Deal
|
GA
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1,843
|
3,698
|
2,482
|
630
|
$66.00B
|
CA
|
17,395
|
34,687
|
18,301
|
2,370
|
$160.00B
|
日本
|
1,720
|
3,123
|
2,997
|
525
|
$75.00B
|
MBA同級生のなかにもアトランタのスタートアップやVC/Angelファンドでインターンした学生は多くいますし、多くのEmory卒業生がこうしたエリアで活躍しています。事例として、Co-founderの一人がEmory
MBA卒であり、最近多くのメディアで注目を浴びているユニコーン(企業価値が$1B以上のスタートアップを指します)を1社紹介します。
Co-founderの一人であるJosh
Luber氏 は学部・大学院(Class of 2006)をそれぞれEmory
Goizueta Business Schoolで過ごした人物。Stock Xはスニーカーなどのモノを売買できるマーケットプレイス。「モノの株式市場」とも言われ、ここではスニーカー、ウェア、鞄、時計などが売買できる。Air
Jordanモデルや、シュプリーム、Bapeなどの人気ブランドが並んでおり、各商品毎に現在の転売価格や、過去の取引価格、入札価格などの情報がオープンな情報として掲載され、取引の透明性を担保。専門の鑑定士による保証付きで偽物が出回らないように工夫しているという。2019年6月の調達(Series-C)でユニコーン企業の仲間入りを果たした。
n ON CAMPUS
ここでは授業、クラブ活動、その他プログラムに分けて説明します。
² 授業
Emory
MBAプログラムにはあわせて90以上のElective
courseが用意されており、Entrepreneurshipに該当する授業も多く用意されています(該当授業は以下リスト参照)。これらの中から3つを履修することでconcentration※1と呼ばれるいわゆる専攻が付与されます。
※1Concentrationは卒業時のDiplomaには記入されませんが、個人のResumeには記載が可能です。
Entrepreneurshipに該当する授業の一部
FIN
518: Financial Intel for Entrepreneurs
|
OAM
585: Entrepreneurial Practicum
|
FIN
622: Doing Deals - Private Equity
|
OAM
632: Negotiations
|
FIN
681: Venture Capital & Private Equity
|
OAM
633: Leading & Managing Change
|
FIN
685: Entrepreneurial Private Equity
|
OAM
635: Multinational Firms & Strategy
|
MKT
547: Product & Brand Management
|
OAM
636: Entrepreneurship
|
OAM
532: Business & Society
|
OAM
661: Applied Entrepreneurship
|
ISOM 555:
Appcology
|
(Concentrationに関するリンクはこちらhttps://goizueta.emory.edu/full-time-mba/two-year-mba/academics)
このリストの中から私が履修した授業を2つ紹介します。
ü OAM
636: Entrepreneurship
Emory大学の名物教授の一人であり、自身でこれまで会社を9社立ち上げたSerial
entrepreneurであるCharles Goetz教授が担当する授業。教授自身の経験を織り交ぜながら、ビジネスアイデア創出からスクリーニング、市場調査による仮説の裏付け、ビジネスモデルの検討、財務計画、実際の投資家や企業家向けのプレゼンに至るまで、ビジネス立ち上げにまつわるイロハを一通りつまみ食いできる授業。教授の持つネットワークを利用したゲストスピーカー(起業家や弁護士など)セッションも多くあり有益な情報が得られる。
ü FIN
681: Venture Capital & Private Equity
Venture
Capital Methodと言われるVC特有のvaluation(ベンチャー企業はいわゆる上場企業のバリュエーション方法は使いにくい。その理由はいくつかあるが、①PERマルチプルで算出したくても、赤字なのでできない②DCF法を計算したくても収益計画が不確実すぎて、納得感がない等)とその際のポイント(①Dilution:投資先スタートアップ企業の次シリーズ以降の増資に伴うファンドの出資比率の希薄化を事前に考慮して計算すること②IPOディスカウント:
上場に証券会社が設定する株価を、合理的に算出される時価総額よりも若干安めに設定すること)のほか、Common
stock, Preferred stock, Redeemable preferred stock, Convertible preferred
stock, Participating preferred stock等の出資方法別リターンの違いを学ぶことができる。
² その他①: クラブ活動
Entrepreneurshipに関連した部活は以下が挙げられます。基本的には学生の就職活動を支援するための活動が中心となりますが、ネットワーキングイベントや、シリコンバレーへの企業訪問企画など貴重な機会を提供してくれており、社費生でも参加できるものが多くあります。
ü Entrepreneurship
Club (EVCC)
ü Goizueta
Technology Association (GTA)
² その他②: Emory
Startup Launch
事前インタビューを通過した学生チーム10組(個人でも申請可)のみが参加できる毎年10-12月に行われるアクセラレータプログラム。チームは毎週アクセラレーターのオフィスに集合し、Serial
EntrepreneurやAngel Investorから貴重なアドバイスを得ながら自分たちのビジネスアイデアを深化させることが可能。
² その他③: Pitch
the professor
自身のビジネスアイデアをMBAの教授2名にピッチ。ピッチした中から優秀な学生/チームにはAtlanta
Tech Villageと呼ばれるIncubatorのスペース・リソースを利用でき、そこで自身のビジネスを進化させることができるほか、ATVに拠点を構える他のスタートアップとのネットワーキングも可能。
その他、Entrepreneurship at Emoryに関する情報はこちらからアクセスください。
ここではoff
campusのリソースを2つ紹介します。
² Atlanta Tech Village
AtlantaにあるStartup
Incubation Centerで、Emory大学やCoca
Cola、Microsoft等がスポンサーになっており、ATVを卒業したスタートアップの数は300社超、累計で$826Mを調達している。毎週金曜日にはATVを拠点とするスタートアップとのネットワーキングイベントがあるほか、誰でも参加可能なピッチイベントも毎月1回行われている。
² ATDC
ジョージア工科大学に併設されたIncubation
Centerで、こちらでも多くのイベントが開催されておりEmoryの学生も参加することが可能。
今回はアトランタのスタートアップエコシステムついてご紹介しましたが、これらで網羅できているわけではありませんので、少なくとも相応のリソースがあることをご理解いただけたのではないでしょうか。内容について何かご質問がありましたら以下の宛先にご連絡ください。
goizueta_jp_student@googlegroups.com
↑上記の@マークを、小文字の@にご変更ください