こんにちは、Class of 2026のS.Aです!
必修科目。それはMBAの学位取得を目指す学生にとって、避けることはできない存在。。
「本当は○○について学びたい」、「自分のビジネスと直結する○○のスキルを習得したい」と企んでいても、この必修科目の履修だけは、どの大学においても卒業の必須要件となっているケースが大半です。
私も入学当初、必修科目は税金の類として捉えていたのですが、いざ1年弱が経過して思うことは、「非常に多くの学びがあった」の一言に尽きます。それは、Emory
GBAの必修プログラムがコンサル・オリエンテッドであり、卒業後に即戦力として働くことを意図した実践的なクラスが多い点に起因しています。実際に、卒業後コンサルティング・ファームに就職する学生も過去から突出しており、また全米の様々な業界で行われているケース・コンペティションで優勝しているようなので、その有意性が高いことが伺えます。
今回は上記を踏まえ、Emory GBAの必修科目および担当教授について、一部紹介させていただきます。
ž Rod McCowan氏 - Principled Leadershipクラス
当クラスの目的は、全ての学生が企業や社内チームを牽引できる人材になれるよう、ケース・スタディに基づいた戦略的リーダーシップ・アプローチを学ぶことにあります。例えばA社に在籍する上級管理職が置かれたシチュエーションをサンプルとして、彼/彼女のマインドセットや実行すべき施策等について議論し、また周囲とのコミュニケーションの質(あるべき姿)について検討を行います。教授を務めるRod McCowan氏はAccelerance Group International社の創業者であり、Fortune 50に選定される企業等で社外顧問を兼任する人物です。過去には、ブッシュ大統領政権下にWhite House Fellow、クリントン大統領政権下に上級任命官を務められており、日本の日立データシステムズでもコーチングをスポットで指導されていたようです。当クラスはディスカッション・ベースで構成されており、「なぜそう思ったのか?」「なぜ他のメンバー(学生)はそう思ったのか?」等を追究/深堀りするプロセスが採用されています。それは教授曰く、「様々なアプローチや手法が学術的に存在する中で、リーダーシップに正解は存在しない。自身が置かれるシチュエーションに応じて、無数にあるファクターや学びを組み合わせたものが最適解になり得る。そのために、選択肢/戦略や他メンバーの考えを大量に脳へインプットしておく必要がある」という理念に基づいています。様々なバックグラウンドや経験を持つ学生が集まるMBAにおいて、これは合理的なプロセスのように感じます。実際のビジネスシーンで自身単体が直面するケースは限られており、仮に引き出しや思考パターンも限定的であるとすれば、一辺倒なメソッド/思考に依存してしまう可能性があるためです。
ž Lynne Segall氏 – Goizueta Impactクラス
当クラスでは、ビジネスや社会にポジティブなインパクトを与える影響力のある人材を、コンサルティング・メソッドに基づいて養うことを目的としています。通常MBAではコンサルティング・プロジェクトと言われるプログラムがありますが(概ねどの学校もメイン・コンテンツとして紹介しているケースが多いです)、それに該当すると考えれば容易にイメージできるかもしれません。一方、Emory GBAの一つの特色としては、そのプロジェクトに対して1年間コミットメントするという点です。具体的には、前期のFall Semesterでは理論やアプローチについて体系的に学ぶことに重点が置かれおり、後半Spring Semesterにおいては、実際の企業に対して提言を行うことが最終的なターゲットとして課されています。理論やアプローチの習熟のよな理論武装が前提になければ、価値あるコンサルティングに至らないでしょ?という発想に基づいていると思料します。
教授であるSegall氏はAccentureの戦略部門で長年勤務していた人物で、John R. Lewis Racial Justice National Case Competition等の、米国内で開催されるビジネス開発委員会のボードメンバーを複数兼務していることから、より実践的なスキルを学生に習得させることを理念として掲げています。余談ですが、比較的初期の講義において「SWOT分析に逃げるな。ビジネス・パーソンはSWOT使いすぎ。最も一般的に使用されるアプローチだが、広範にカバーできる反面、見落としが多く発生するし、ビッグピクチャーを描く場面以外では実質的な価値が低い」と説明されていて、ドキっとしました。
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Omar Rodríguez-Vilá氏 – Marketing Managementクラス
当クラスでは、企業に変革を及ぼすマーケティングの力学について学びます。教授を務めるOmar氏は、Emory GBSのCore
Professor of the Yearに6回選出される等、学生から非常に人気がある方です。彼が執筆した「Competing on Social Purpose」は、HBR(Harvard Business Review)で最も多く読まれた論文の一つと言われており、マーケティングが企業へ及ぼす影響を主たる研究内容としています。彼の人材ネットワークは広く、AT&TのHead of Marketingの方をお招きした特別講義も必修期間に行われました(通信セクターで働いていた学生達は、特に当講義に前のめりだった印象があります)。マーケティングに関して、私が持つ当初のイメージは技術的な方法論やアプローチ(どの手法を採れば、集客に繋がるか)にありました。しかしながら、それ以前の段階、すなわちターゲットにする顧客層やセグメンテーションの特定が、より成果に与えるインパクトが大きいという事実を、恥ずかしながら私は初めて学びました。それら理論を実体験するため、クラスのチーム・プロジェクトにおいては、National Center for Civil and Human Rights(NCCHR)というアトランタにある人権センターおよび博物館の新規来場者数を、マーケティングのアプローチを用いて増やす/解決するという課題に取り組みました。
以上、必修科目の一部について、今回はご紹介させていただきました!
今後は自身で選択する科目が増え、有名な教授が展開する講義や、即座に定員上限に達する名物講義等にも参加したいと思っているので楽しみにしています。また機会がありましたら、こちらのブログを活用して紹介させてくださいね♪
では!
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