米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2008年12月23日火曜日

Goizuetaでの生活~其の百九十八



上の写真は昨日観に行ったNBAのDetroit Pistons対Atlanta Hawksの試合のものです。

ご覧のように、客席には多くの空席が目立ちます。

現代のスポーツビジネスにおいて、この空席の多さは非常に大きな問題です。

チケットが売り切れていても、チケットを持っている人が試合会場に来ない、ということが非常に多いのです。

当然チケットは自分で買うばかりではなく、懸賞などの方法でただで入手したり、会社などを通して割安に手に入れたりと、いろいろな入手方法が考えられます。

しかし、特にシーズン序盤の試合や下位同士の試合の場合には、チケットの入手方法にかかわらず、空席が目立ちます。

ではそうでない試合、つまりいわゆるビッグゲームではどうかというと、ここでも空席が目立つのです。

理由はいろいろ考えられますが、会社、旅行代理店など実際に試合会場に足を運ばない人が事前に多くのチケットを買い占める、ダフ屋がここぞとばかりに高値をつけたチケットが売れ残る、そしてただ単に試合を見に来る気がなくなった、などが考えられます。

いずれも非常に大きな問題なのですが、実は最後の点が一番大きな問題だという意見もあります。

現代のスポーツビジネスの最大のライバルはHDTV (high-definition television)という見方があり、相対的に試合会場へ行くインセンティブが低下しているのです。

しかし現代では逆にチケットセールスよりも観客動員数のほうが重要になってきているのです。

それは、広告販売、放映権販売、そして試合会場での食べ物、飲み物、グッズセールス、駐車場にいたるまで、観客動員数のほうがビジネスとしてのインパクトが大きいからです。



昨日の試合のチケットはチケット交換サイトで買ったのですが、一番安い10ドルのチケットしか出ていませんでした。

しかし、実際手にしてみると額面価格は30ドルでした。

つまりそれだけ価値が毀損されており、あるいはもともとの価格が高すぎ、しかも他の席はチケット交換サイトにすら出回っていないほど気に掛けられていない、ということです。

バスケットボールを楽しみながら、厳しいビジネスだなあと思ってしまいました。