米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2022年1月25日火曜日

入学後半年でどこまで成長できるのか?

 ゴイズエタビジネススクールClass of 2023のYMです。皆様、更新が滞っており、お待たせいたしました。

入学してから早いもので、半年経過しました。今回は、入学してから半年経過すると何処まで成長できるのかという点を個人の意見ですが少しお話したいと思います。


<語学力>

私のIELTSのスコアは恥ずかしながら、Overall 6.5ですので、requirementの7.0を下回っての入学でした。特に、リスニングとスピーキングがまるでダメという状況で、初めの半年は毎日学校で惨めな思いをし、自分に失望するという状況でした苦笑

しかし、そんな状況でも、半年たつと、日常会話や世間話はなんとなくできるようになります。また、背景知識があるトピック(私の場合はヘルスケア、バイオロジーが専門なのでそれに関連した話題)だと専門的なディスカッションもなんとなくこなせるようになります。

わかったことは、結局場数を踏んで、惨めな思いをたくさんすることが重要ということです。MBAは毎日、コア科目のチームメイトと昼休み返上でミーティングを行い、同時多発的に課される膨大な宿題を役割分担しながらこなしていくので、恐らく自学自習型の他の専門課程よりも英語に触れる機会は多いです。そして、クラスメートはどんなに英語が下手でも、頑張って伝えようとする留学生を温かく応援してくれます。そこが、多様性を重視するエモリー大学の素晴らしいところだと思います。

ちなみに、そうはいっても、語学留学でないので一番重要なのは内容を理解することです。時に日本人同士でサポートしあいながら、コア科目を乗り切りました。


<専門知識・クリティカルシンキング>

私は公務系かつサイエンスのバックグラウンドなので、まるで経済学・経営学は素人でしたし、ほぼ予習なしで入学したので、最初は全く授業で話している内容がわかりませんでした。しかし、エモリー大学のコア科目は実によく構成されていて、本当に半年で基本的な知識を身につけることができます。

例えば、企業が意思決定を行う際、様々な要素があると思いますが、具体的には①利益は上げられるか?価格は適切か?②モノ・サービスは消費者に魅力的で売れるのか?③売るための販売網は適切か?④ライバル企業に対抗できる強みはあるか?、等の要素があると思います。①はファイナンス、ミクロ経済、アカウンティング等の授業でコスト計算、利益計算、将来/現在価値、資金調達などを学ぶことで基礎的な知識が得られます。②はマーケティングの授業で、売り方やプロモーションの基礎を学べます。③は戦略の授業で業界分析の方法や企業価値の創出方法、適切な社内体制の構築方法を学ぶことで考え方が徐々についてきます。④はオペレーションの授業でサプライチェーンの原理原則、効率化のための方法、それを支えるためのITインフラの導入方法等を学ぶことで概念がわかります。そして、①~④を支えるためのハードスキルとして、統計学も当然行いますし、それぞれの知識を組み合わせて意思決定を行う訓練として、IMPACTというコンサルティングの授業で実践訓練を行います。エモリー大学のコア科目は負荷が高めかもしれませんが、それだけ成長出来たと今実感しています。


<リーダーシップ・チームワーク力>

MBAのもう一つの醍醐味は、リーダーシップの訓練ができるということだと思います。知識だけ求めるのでしたら、日本で通信教育をとるので十分だと思います。MBAでは様々な場面で仲間のピンチを救い、自分のピンチを助けてもらってそれに感謝することになります。例えば、入学当初、私は英語もできないし、専門知識もないので、自分が本当に無能な人間ではないかとひどく悩みました。そんな時、その悩みを他の留学生に相談すると、実は彼らも同じ気持ちを過去に経験しており、それをどう乗り越えたのか教えてくれて、励ましてくれたりします。そして、ネイティブの仲間は宿題の解き方を教えてくれたり、議論を主導してくれたりします。一方、秋口に差し掛かると、ネイティブや他の留学生は就活で忙しくなってきます。そういう時に、今度は私がチーム課題のたたき台を作ってシェアして効率よくチームがミーティングできるように支えたり、スケジュール管理を行ったりすることで、たとえ英語が未熟でも仲間を支えてチームを引っ張ることができました。

入学前、リーダーシップは英雄的な活躍をすることを指していると思っていましたが、今は、リーダーシップには様々な形があり、議論の口火を切ってみんなを引っ張るスタイルもあれば、仲間が苦手な作業や泥臭い仕事を率先して引き受けて仕事の精度をあげるスタイルもありますし、チームが仲良く活動できるようにムードを盛り上げるスタイルもあると気付きました。自分のスタイルがどのタイプかを認識し、伸ばしていくことがMBAではできるのではないかと思います。


以上、雑多な記事でお見苦しいですが、入学後、どのように自分が成長できるのかをイメージするのに、参考になれば幸いです。


YM