米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2014年6月24日火曜日

雑感―MBA1年目を終えて

皆様、お久しぶりです。Class of 2015Gucciです。日本は梅雨真っ只中で雨の日や蒸し暑い日が多いですが、体調など崩されていませんでしょうか?
私が今、「日本は~な日が多いですが」と書いたところで、「まるで日本にいるかのような書き方だなぁ」と思われた方もいらっしゃるかと思います。そうです、実は私は6月23日の月曜日まで日本に20日間ほど滞在しておりまして、いま羽田空港のロビーでアトランタへ戻るための飛行機を待ちながらこのブログを書いています。

実は今日、623日はちょうど1年前に私たちClass of 2015の日本人メンバーが渡米した日なのですが、早いもので私たちのMBA生活も折り返し地点を迎えました。

振り返ってみると、「英語で英語を学ぶ」という初めての経験に、予想していた以上の負荷を感じたPMELPre-MBA English Language course:本プログラム開講前に実施される英語のサマースクールで、東アジア出身を中心とした一部の留学生に対して入学条件として課される)、セメスターを通して同じチームメイトと、多岐に亘るコア(必修)科目を乗り切った、2年間で最も大変だと言われる初めての秋学期、そして、GMSCGoizueta Marketing Strategic Consultancy:有名企業をクライアントとして迎え、学生のチームがこれらのクライアントが抱えるマーケティング戦略上の課題解決に向けたコンサルティングを提供する、当校の看板授業)一色だったと言えるほどこの授業にインテンシブに取り組んだ春学期と、アカデミックな面だけを見ても、1年しか経っていないとは思えないほどに盛り沢山なMBA1年目でした。

GMSC最終プレゼンコンペ後の
打ち上げでチームメイトと
中でも、自分の所属するチームが、GMSCの最終プレゼンテーションコンペで最優秀賞を獲得できたことは、間違いなく私の2年間のMBA生活における大きなハイライトになると確信しています。この授業は他の授業と比較して圧倒的にワークロードが重く、相当の時間を割かなくてはならなかったため大変でしたが、モチベーションの高いチームメイトたちと共に困難な課題に取り組むことで多くの学びやかけがえのない人間関係を得ることができましたし、特にこのような結果を得られたことで本当にいい経験になりました。今年のGMSCの様子についてはHenryこちらで書いています。






58 日に行われたGMSCの最終プレゼンコンペをもって春学期を終了した後、私は515日からの約3週間でヨーロッパ7ヵ国(イタリア→スペイン→フランス→ベルギー→オランダ→ドイツ→イギリス)を1人で訪れ、その後、65日から、冒頭に述べた通り日本に20日間ほど一時帰国していました。

ヨーロッパで美しい風景や街並みを目の当たりにしたり、様々な異なる文化を体験したりできたことはもちろん一生ものの素晴らしい経験でした。しかし、私には、私が今回経験したことで、さらにみなさんにお伝えしたいことが1つあります。

それは、1ヵ月以上に及ぶこの一連の旅を通して、私が日本の良さを改めて心から実感することができたということです。「日本は便利で快適かつ清潔である」、「日本の人々は親切でありサービス水準には素晴らしいものがある」、「日本は食べ物がおいしい」、というようなことは、私自身今までずっと話として聞いてきたことがありましたが、アメリカでの生活を1年間経験し、またヨーロッパの国々で多様な文化に触れることで日本を外からより客観的に見る目が養われ、こうした日本の素晴らしさをきちんとした感謝の念と共に受け止めることができるようになったのだと感じています。

私の今回の旅の話は、遊んでばかりのように聞こえてしまうかも知れません。しかし、私がそこで得たものは、MBAプログラムにおけるアカデミックな経験と同様に得難いものでした。また、こうした経験は、自分がやりたいと思うことを見つけ、それを実現するために自分のComfort Zoneの外に一歩踏み出してみることで初めて得られるのではないかと思います。

このブログを読んで下さっている方々の中には、この夏からMBA生活をスタートされる方も多くいらっしゃるかと思います。この貴重な2年間が本当に有意義なものになるよう、色々なことにぜひチャレンジしてみて下さい。私自身、7月の1ヵ月間は、派遣元の会社のニューヨークにある拠点で働くことになっていますが、そこでもTakeawayを極大化できるよう全力で取り組みたいと考えています。また、皆様の2年間のMBA生活が素晴らしいものになることを祈っています。共に頑張りましょう!


Venice, Italy



Class of 2015
Gucci

2014年6月16日月曜日

MBA夏の陣

こんにちは、Class of 2015のヤッシーです。
私は今、MBAの「夏」を過ごしています。授業は休みとなりますので、会社派遣の学生等、インターンシップをしない学生にとっては、時間を多く取れる期間となります。このいわゆる「夏休み」期間中にある大きなイベントとして、学校が主催している、「Atlanta Matrix」があり、私も参加してきました。

Atlanta Matrix」は、アトランタでインターンシップをしているMBA(エモリー大学だけではない)の学生を中心として集まり、エモリー大学のキャンパスで交流会をする、というものです。私は、会社派遣であることからインターンシップはしていないのですが、学校に問い合わせたところOKとのことだったので、参加し、普段の生活で関わりのなかった方たちと知り合い、情報交換をしてきました。
エモリー大学の他、バージニア大学、デューク大学、カーネギーメロン大学等の学生とそれぞれのMBAのカリキュラム、インターンシップやMBA前の仕事等について話すことができ、充実した日となりました。

また、その他に、セメスター中に比べ、家族やクラスメートと共に、楽しい時間をより多く過ごせていると実感しています。
例えば、夏休み開始早々には、友人たちと連日のようにたこ焼きパーティを開き、楽しく時を過ごしました。具はキムチや餅入りといった、若干変わり種のたこ焼きの方が人気でしたが、クラシックなたこ焼きもしっかり食べていってもらったので、日本文化の伝達(?)もしっかりできたのでは、と思います!

なお、今回のたこ焼きパーティの内1回は、エモリー大学で新しく始まった「Language Partner」制度で紹介してもらった学部生と妹さん、それと制度を通じて知り合った友人を招いてのパーティでした。「Language Partner」制度とは、語学力の向上を主な目的とした、非ネイティブ学生へのネイティブ学生紹介制度です。活動内容は自由ですが、私の場合は毎週1時間程度、スラング(Chatter boxbomber)を教えてもらったり、お互いの国の文化(学校やバイト、テレビ、映画等)について話したりしました。またその他、日本土産にお箸を上げたり、アメリカ人の友達を呼んでもらってみんなで晩ご飯を食べに行ったり等、Language Partnerとは良い友人にもなれました。「Language Partner」制度、おすすめです!

さて、この夏には、日本ではほとんどすることのなかった、家族旅行もしました。ディズニーワールドへ旅行に行き、フラフラになるまでハードに遊んで完全燃焼。
また、比較的近場の国立公園である、グレートスモーキーマウンテン国立公園に行きました。野生のクマ親子に出会えて感動!
家族でこんなにみっちりと遊んだのは初めてで、長男や次男が以前より私になついている気がします。父親の存在感アップかも?


まだまだ夏はこれからも続きますので、息切れせず、充実した日々を過ごしていきます!

ヤッシー

2014年6月9日月曜日

夏休みの過ごし方

こんにちは、Class of 2015のMATです。
少し履修科目やテストの日程により差はあるものの、5月上旬から長い長~い夏休みになります。
今回は私の夏休みの計画についてお話します。

私は某金融機関から派遣をされているのですが、我が社はMBA留学をさせている社員を夏の間NYオフィスに拘束(☓)結集(◯)してインターンとして6週間働く機会を提供してくれます。
既にNYで2週間過ごしてだいぶ慣れましたが、物価の高いこと高いこと。
アトランタで聖地パブリックスやターゲットで買い物をしていた身としては、ごちゃごちゃしたスーパーでそんなに品揃えもよくない割に対アトランタ比物によっては50%-100%くらい値段が違うのには正直愕然とします。

また2週間は嫁子どもたちを日本に残しての渡米だったので必然的に外食中心になるわけですがこれも高いこと高いこと。
特に日本食が食べられるのは有難いのですが、日本での味と値段を知っているとかなりボッタクられている気がしてなりません。
でもアジア人、アメリカ人問わずたくさんのお客さんで賑わっているのでプライシングとしては間違っていないのだなあと思います。

業務面については、日本の会社の海外の支店、支社がどのような業務を行っているのか、現地採用のナショナルスタッフとどのような働き方をしているのか等々を間近で見ることができるのは非常によい経験になると思っています。
また観光地としても色んなものがあるので週末の休みを利用してこちらも堪能してきたいと思います。




次に多くを占めているのは3週間のウィーン大学での短期プログラムです。
会社のインターンをお願いをして時期を早めてもらい、なんとか参加可能となりましたが7月上旬にアトランタに戻り翌日にウィーンに発つという強行スケジュール。
1週間ずっと同じコマを学習して3週間で3科目を履修するというものですが、しっかりと観光(☓)勉強(◯)して帰ってきたいと思います。
特に欧州の大学院はアメリカのそれと異なり8割~9割がインターナショナルの学生でありダイバーシティの観点で非常に進んでいます。また年齢の幅も比較的広いということで、また違ったことを学ぶことができるのではと期待しております。

その後は長女の小学校が8月中旬に始まるまで2週間程度のお休みがあるのでそこでは昨年の夏はあまりできなかったプールで遊んだり、遊園地に行って遊んだりしたいと思います。
昨年は夏が短くあっという間に秋になってしまったので今年は長~い夏になることを期待しています。

MBAの夏休みはかなり長いので皆さんも色んな計画を立てて楽しんで下さいね。




2014年6月2日月曜日

マーケティング・アナリティクス

情報技術の進展により情報の収集・保管が容易となる一方で、無償統計ソフトRの開発や安価でハイスペックなPCの普及などにより、高度なデータ分析インフラも整備されてきました。こうしたなか、統計処理を含めたデータ分析を通じて、マーケティングの高度化を行うマーケティングアナリティクスが注目を集めています。

ゴイズエタでも近年マーケティングアナリティクスに力を入れており、Emory Marketing Analytics Centerでは関連トピックに関する研究や授業を通じた学生へのフィードバック、企業によるプレゼンが行われるMAC Conferenceの他、本題のハンズオン型授業であるMarketing Analytics Consultancyを提供しています。

Marketing Analytics Consultancyは2013年からスタートしたプロジェクト系授業であり、アトランタベースの企業が保有する実データを分析し、多変量解析によるモデリングやそこから得られる知見を元にして企業に対するマーケティング提案を行います。2014年は担当教授Manish TripathiDavid Schweidelの下、以下の5つのプロジェクトが行われました。

>>> Twitterによるプロモーションの効果分析

>>> プロスポーツのシーズンチケット購入に関わる顧客行動分析


>>> スポーツ観戦に関する顧客満足度調査


>>> テレビ番組の視聴動向


>>> ソーシャルメディアを用いた新たなマーケティング手法の提案


5名で構成される各チームはそれぞれのプロジェクトを概ね2週間単位で行うこととなっており、データ取得から約2週間後に企業や教授に対してプレゼンを行います。必要とされるスキルセットは、統計解析・ITスキル、仮説構築能力、マーケティングセンス、プレゼン能力、そして夜を徹してデータと戯れる持続力です。(夜な夜なデータを弄りながらスクリーニングとモデリングを繰り返して、説得力のあるモデルが出来たときは気持ちいいですね。)

統計やITなど理系的な側面が強そうな分野ではありますが、実際には分析のやり方を覚えてしまえば後は同じ作業を繰り返すことになるだけなので、エクセルを使うこととそれほど大きな違いはありません。むしろ、異種なものを関連付ける発想力やデータ分析の過程で得られる気づきが重要になり、文理問わず必要とされる洞察力や仮説構築力が重要な要素になると思います。



事前に立てた仮説をデータ分析で検証することもあれば、データ分析をしていくなかで思わぬ相関性に気づき仮説を組み立てていく場合もあります。モデルで有意となった要因の分析や外部データとの統合など仮説を立てて何度も検証作業を行うことが必要となります。そのため、仮説を立てる力と同時に膨大なデータを素早く処理する能力も必要となり、エクセルだけでなく、RやSAS、JMPなどの統計解析ソフトを使うことが必要となります。また、プレゼンテーションに向けてTableauを使ってグラフ化することも推奨されました。

統計解析を使って構築したモデルの説明能力に疑問を感じることも少なくないので、マーケティングアナリティクスを使ったからと言って、常にベストな戦略を導けるわけではないと思います。むしろ、こうしたデータ分析を通じて客観的な証拠を積み上げることで、組織内で納得感が生まれ、意思決定を促進したり、社内外に対して説明責任を果たしやすくなる働きが大きいのではないかと思います。

コアのData and Decision Analysisで統計解析の基礎を学んだ後、選択科目のMarket IntelligenceとMarketing Analytics Consultancyを並行して受講することで、データ分析についてかなり修得できるのではないかと思います。更にはMAC Conferenceで企業のデータ活用方法について理解を深め、今秋開講予定のAdvanced Data Scienceでデータ分析スキルに磨きをかけることで、データサイエンティストとしてのベースを築くのもゴイズエタビジネススクールにおける1つのキャリアルートになります。


マーシー