米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2019年9月30日月曜日

Emory x Entrepreneurship


受験生の皆様こんにちは。Class of 2020SSです。

Emory大学でEntrepreneurshipを学びたい、アトランタエリアを拠点とするスタートアップやVC/Angelファンドでインターンをしてみたい、あるいは自分で起業をしてみたいけど、はたしてそんなエコシステムはアトランタにあるのか、Emory MBA生としてどんなリソースがキャンパス内外で利用可能なのか、今回のブログではこうした疑問を持っている受験生向けに情報をお届けしたいと思います。

n  STATISTICS

スタートアップ調査の有料情報端末であるPitchbookを利用してアトランタを含むジョージア州(GA)と、シリコンバレーを含むカリフォルニア州(CA)、そして日本とのスタートアップ比較をしてみたところGAのスタートアップの数やディール数はCAの約10分の1、投資家の数も約7分の1と見劣りするものの、他方で近年盛り上がりを見せている日本と比較した場合にはGAだけで企業数、ディール数、EXIT数が上回っており、GAが相応の規模を誇っていることがこれらの数字だけでもお分かりいただけるかと思います。

Pitchbook 地理別スタートアップ比較 (20151~20196月末)
Location
Companies
Deals
Investors
Exits
Largest Deal
GA
1,843
3,698
2,482
630
$66.00B
CA
17,395
34,687
18,301
2,370
$160.00B
日本
1,720
3,123
2,997
525
$75.00B

MBA同級生のなかにもアトランタのスタートアップやVC/Angelファンドでインターンした学生は多くいますし、多くのEmory卒業生がこうしたエリアで活躍しています。事例として、Co-founderの一人がEmory MBA卒であり、最近多くのメディアで注目を浴びているユニコーン(企業価値が$1B以上のスタートアップを指します)1社紹介します。

Stock X (HPはこちらhttps://stockx.com/)
Co-founderの一人であるJosh Luber は学部・大学院(Class of 2006)をそれぞれEmory Goizueta Business Schoolで過ごした人物。Stock Xはスニーカーなどのモノを売買できるマーケットプレイス。「モノの株式市場」とも言われ、ここではスニーカー、ウェア、鞄、時計などが売買できる。Air Jordanモデルや、シュプリーム、Bapeなどの人気ブランドが並んでおり、各商品毎に現在の転売価格や、過去の取引価格、入札価格などの情報がオープンな情報として掲載され、取引の透明性を担保。専門の鑑定士による保証付きで偽物が出回らないように工夫しているという。20196月の調達(Series-C)でユニコーン企業の仲間入りを果たした。

n  ON CAMPUS

ここでは授業、クラブ活動、その他プログラムに分けて説明します。

²  授業
Emory MBAプログラムにはあわせて90以上のElective courseが用意されており、Entrepreneurshipに該当する授業も多く用意されています(該当授業は以下リスト参照)。これらの中から3つを履修することでconcentration1と呼ばれるいわゆる専攻が付与されます。

1Concentrationは卒業時のDiplomaには記入されませんが、個人のResumeには記載が可能です。

Entrepreneurshipに該当する授業の一部
FIN 518: Financial Intel for Entrepreneurs
OAM 585: Entrepreneurial Practicum
FIN 622: Doing Deals - Private Equity
OAM 632: Negotiations
FIN 681: Venture Capital & Private Equity
OAM 633: Leading & Managing Change
FIN 685: Entrepreneurial Private Equity
OAM 635: Multinational Firms & Strategy
MKT 547: Product & Brand Management​
OAM 636: Entrepreneurship
OAM 532: Business & Society
OAM 661: Applied Entrepreneurship

ISOM 555: Appcology
 (Concentrationに関するリンクはこちらhttps://goizueta.emory.edu/full-time-mba/two-year-mba/academics)

このリストの中から私が履修した授業を2つ紹介します。

ü  OAM 636: Entrepreneurship

Emory大学の名物教授の一人であり、自身でこれまで会社を9社立ち上げたSerial entrepreneurであるCharles Goetz教授が担当する授業。教授自身の経験を織り交ぜながら、ビジネスアイデア創出からスクリーニング、市場調査による仮説の裏付け、ビジネスモデルの検討、財務計画、実際の投資家や企業家向けのプレゼンに至るまで、ビジネス立ち上げにまつわるイロハを一通りつまみ食いできる授業。教授の持つネットワークを利用したゲストスピーカー(起業家や弁護士など)セッションも多くあり有益な情報が得られる。

ü  FIN 681: Venture Capital & Private Equity

Venture Capital Methodと言われるVC特有のvaluation(ベンチャー企業はいわゆる上場企業のバリュエーション方法は使いにくい。その理由はいくつかあるが、①PERマルチプルで算出したくても、赤字なのでできない②DCF法を計算したくても収益計画が不確実すぎて、納得感がない等)とその際のポイント(Dilution:投資先スタートアップ企業の次シリーズ以降の増資に伴うファンドの出資比率の希薄化を事前に考慮して計算すること②IPOディスカウント: 上場に証券会社が設定する株価を、合理的に算出される時価総額よりも若干安めに設定すること)のほか、Common stock, Preferred stock, Redeemable preferred stock, Convertible preferred stock, Participating preferred stock等の出資方法別リターンの違いを学ぶことができる。

²  その他①: クラブ活動

Entrepreneurshipに関連した部活は以下が挙げられます。基本的には学生の就職活動を支援するための活動が中心となりますが、ネットワーキングイベントや、シリコンバレーへの企業訪問企画など貴重な機会を提供してくれており、社費生でも参加できるものが多くあります。

ü  Entrepreneurship Club (EVCC)
ü  Goizueta Technology Association (GTA)

²  その他②: Emory Startup Launch

事前インタビューを通過した学生チーム10(個人でも申請可)のみが参加できる毎年10-12月に行われるアクセラレータプログラム。チームは毎週アクセラレーターのオフィスに集合し、Serial EntrepreneurAngel Investorから貴重なアドバイスを得ながら自分たちのビジネスアイデアを深化させることが可能。

²  その他③: Pitch the professor

自身のビジネスアイデアをMBAの教授2名にピッチ。ピッチした中から優秀な学生/チームにはAtlanta Tech Villageと呼ばれるIncubatorのスペース・リソースを利用でき、そこで自身のビジネスを進化させることができるほか、ATVに拠点を構える他のスタートアップとのネットワーキングも可能。

その他、Entrepreneurship at Emoryに関する情報はこちらからアクセスください。

n  OFF CAMPUS

ここではoff campusのリソースを2つ紹介します。

²  Atlanta Tech Village
AtlantaにあるStartup Incubation Centerで、Emory大学やCoca ColaMicrosoft等がスポンサーになっており、ATVを卒業したスタートアップの数は300社超、累計で$826Mを調達している。毎週金曜日にはATVを拠点とするスタートアップとのネットワーキングイベントがあるほか、誰でも参加可能なピッチイベントも毎月1回行われている。

²  ATDC
ジョージア工科大学に併設されたIncubation Centerで、こちらでも多くのイベントが開催されておりEmoryの学生も参加することが可能。


今回はアトランタのスタートアップエコシステムついてご紹介しましたが、これらで網羅できているわけではありませんので、少なくとも相応のリソースがあることをご理解いただけたのではないでしょうか。内容について何かご質問がありましたら以下の宛先にご連絡ください。

goizueta_jp_studentgooglegroups.com
↑上記の@マークを、小文字の@にご変更ください

2019年9月16日月曜日

MBA入学前のプログラムについて


はじめまして、Class of 2021KTと申します。

アトランタに来てから3ヶ月弱ほど経ち、先週最初のBlockのテストが終了し徐々にこちらの生活に慣れてきたところです。
今回は、渡米してから実際にMBAのクラスが始まる前までの様々なプログラムについてご紹介したいと思います。


まず、6月後半からの最初の約1ヶ月は、PMEL(Pre-MBA English Language Program)という語学研修に参加しました。英語を非母国語としている主にアジア出身者が受講する語学プログラムで、今年は日本人のほか、韓国人、中国人、インドネシア人の計約25名が参加しました。

このプログラムはMBAの本プログラムでの講義やチームディスカッションを想定したサマースクールとなっていたため、Reading、Listening、Speaking、Writingの4技能を万遍なく学べる非常に有用なプログラムだったと思います。特にSpeakingに関しては、Oral Presentation SkillAdvanced Oral Communicationに分かれており、人前での効果的なプレゼンの方法、発音矯正、ジェスチャー、インプロビゼーションなど、今まであまり意識してこなかった米国流の伝え方を、体全体で染み込ませることができたので非常に良いトレーニングとなりました。

またクラス後には先生やクラスメートを招待したBBQイベントを日本人主催で開催することで、留学生同士の絆を深める良い機会となりました。


PMEL終了後の7月後半からの2週間は、ネイティブも含めた新入生全員でのOnboardingとよばれる入学前のオリエンテーションが行われました。
最初の1週間はCommunity Onboardingと呼ばれ、クラス分けやコアチームと呼ばれる5人チームのメンバー発表、写真撮影、図書館やコンピュータルーム等のキャンパス施設の紹介が行われ、後半1週間はAcademic Onboardingと呼ばれる教授陣によるプレクラスとなっています。

またOnboarding期間には、1泊2日でアトランタ郊外にあるワイナリーリゾートで合宿が行われました。
この合宿では、コアチームメンバーをはじめとした多くのクラスメートとチームを組み、様々な課題に一緒に取り組みました。取り組んだ課題は、パズル、橋渡し、縄跳び、ロープや水を使ったアクティビティから、絵で自身の過去未来を表現したり1分間でどれだけピンポン球を運べるか等々、非常に多岐にわたりますのでメンバー各々のキャラクターや価値観、考え方に触れることができました。

またディナー後にはCultural Highlightと呼ばれる出身地域を紹介するイベントが行われました。我々日本人は二人羽織でカップ麺早食い競争という滑稽な余興を企画し、なかなかの盛況となりました。


そのほかにも、Onboarding weekの週末には、学校側がAtlanta UnitedLA Galaxyの試合のチケットを用意してくれ、クラスメートと共に観戦することもできました。その日は観客動員数がMLS レコードとなる72,548人で、試合も3-0United勝利と、サッカー好きにはたまらないイベントでした。



以上、今回は入学前のPMELOnboardingについてご紹介しました。
この2つのプレMBAプログラムを通じて、チームメンバーを尊重し、互いを励まし助け合い、共に成長するという、GBSCore Valueの一つである”Team”の一端を早速垣間見ることができたと思います。


何かご質問がありましたら以下の宛先にご連絡ください
goizueta_jp_studentgooglegroups.com
上記の@マークを、小文字の@にご変更ください