米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2019年10月28日月曜日

<体験談>アメリカでのインターンシップ


受験生の皆様こんにちは。

今回は私が参加したインターンシップについてご紹介します。

「インターンでは具体的に何ができるの?」「労働環境は?」「大変なことは?」といった疑問にお答えできればと思います。

もちろんインターン先によって状況は全く異なりますが、一例として、皆様がMBAのインターンについてイメージする一助になれば幸いです。

インターンシップ概要
KNZ Technology LLChttps://www.knztech.com/)というスタートアップ企業でマーケティング&資金調達の業務を担当。

会社概要
アトランタテックビレッジ(https://atlantatechvillage.com/)というスタートアップ企業が500社以上集積しているコミュニティの一角にあり、最新のテクノロジーを用いたスピーカーやプロジェクター等の開発をしている会社。

(主力商品のスピーカー)
(アトランタテックビレッジ)



(オフィス)



業務概要
主にマーケティングと資金調達を担当。

ü  マーケティング
   新商品開発
イヤフォンの新商品開発プロジェクトに参加。競合商品の調査やターゲット層の検討などを行った。

   広告戦略の立案・実行
自社商品のターゲット層に効率的にリーチできる広告戦略を立案・実行した。具体的には、宣伝を担うインフルエンサーとの契約交渉やマスメディアへの取材依頼等を行った。

ü  資金調達
   クラウドファンディング
資金調達とテストマーケティングを兼ねた施策として、購入型と呼ばれるクラウドファンディングを実施。商品完成前の段階で募集を行い、支援金を基に商品開発を行い、完成品を支援者に送付した。

所感
ü  スタートアップでの勤務について
人数が少ない分個人の裁量が大きく、企画をすぐに実行に移せるためやりがいがありました。

一方、会社の知名度・信用度がまだ十分ではないため、第三者にコンタクトした際に、怪しまれたり話を聞いて貰えないことが多く、会社の信用力がない中での仕事の難しさも感じられました。

ü  労働環境について
労働時間は短くフレキシブルで、朝11時頃にようやく人が集まり始め、16時ごろには皆帰り始めていました。オフィスにいない時も家やカフェ等で仕事をしているそうですが、総労働時間は日本に比べると明らかに短そうでした。

服装はジーンズにTシャツが一般的で、休憩も自由に取れるためストレスフリーの環境でした。

業務範囲が明確化されているので、担当外の仕事が振られることは一切ないですが、逆に自分の仕事を周りが助けてくれることもないので良し悪しはあるなと感じました。

ü  オフィス環境について

スタートアップ同士で交流する機会
500社のスタートアップが一つのオフィスに集まっていますが、交流のきっかけ作りのため卓球台やゲーム機が多数設置されています。

また、休憩所が各所にあり、無料のビールサーバーやコーヒー、スナック類が用意されているため、他社の人と気軽に交流することができます。

また、無料でランチが提供され食べながら自然に交流をする場や、屋上で無料のカクテルが配られるイベントなどもありました。


投資家へのプレゼン
毎週投資家がオフィスに集まり、投資獲得を目指すスタートアップ企業がプレゼンを行う機会があり、多くの人がチャレンジしていました。

昼寝スペース仕事の合間に昼寝ができるように専用の部屋が設置されていました。



プレゼン練習ルーム
自由にプレゼン練習ができる部屋が用意されており、誰でも自由に見学することができ、人のプレゼンから学ぶこともできます。また、練習する側も聴衆を意識して緊張感のある練習ができ、かつ見学者からフィードバックを貰い改善に繋げられる仕組みになっていました。

まとめ
アメリカのスタートアップ企業というこれまでと大きく異なる環境下で、日本との文化・仕事の進め方の違いを肌で感じることができ、とても有意義な経験になりました。

長い夏休みなので、機会があれば是非インターンにチャレンジすることをオススメします!

ご質問等がある方は以下のメールアドレスからご連絡ださい。

goizueta_jp_studentgooglegroups.com
上記の@マークを、小文字の@にご変更ください。

2019年10月14日月曜日

授業紹介 ―Managerial Economics―


受験生の皆さん、こんにちは。Class of 2021HTです。


2年制MBA1年間はFall SemesterSpring Semesterに分かれており、それぞれが3つのBlockに分かれています。1年目のFall Semesterは全てコア科目で構成されており、現在Block2が佳境を迎えております。今回は(まだ2か月ほどしか経っておりませんが)そのFall Semesterでこれまで学んだ中で、個人的に「最も印象に残っている」授業を紹介したいと思います。


それはBlock1で学んだManagerial Economicsです。いわゆるミクロ、マクロ経済学なのですが、そこはビジネススクールらしく、実際の企業活動に即して授業が展開されます。また、チームで取り組む課題、個人課題が、毎週35つほど課されるなど、かなり密度が濃かったです。内容によっては、これまでの実務経験から考えると、すぐには理解しづらいこともあり、クラスメートや教授との活発な議論を呼びました。


例えば、企業が経済的に価値を生み出せているのか、すなわちEconomic Profitがプラスか、を考える際には、別のビジネスに従事・投資していれば得られたであろう利益(機会費用)や投資家へのリターン(期待収益)をコストとみなす一方で、実際に金銭のやり取りを伴わない減価償却費などはコストとして認識しないなど、馴染みのある会計上の利益とは異なる考え方で、激しく混乱しました。


授業を受けているときにはEconomic Profitについて学んでも実務では使えないのでは、という思いが正直ありましたが、今までの実務とは別の視点から考えれば重要な概念なのではないか、ということに遅まきながら気づきました。投資家の期待に応える、支払うべき債務を支払う、ということが、企業が社会において果たすべき役割の一つである以上は、それらをネットして評価することは理にかなっているのではないかと思います。(個人的には株主至上主義には反対ですが)


では、これが実務にどのように役立つのか。結局これについては、まだはっきりとは分かっていません。対内的にも対外的にもEconomic Profitベースで事業報告することはないと思いますし、投資判断をする際にはもっと有意な指標はいくらでもあります。ただ、より上位の視点として自社が経済活動主体として価値を生み出しているのかどうか、という視点は特にマネジメントとして仕事をする中では、頭の片隅に置いておいてもいいのではないかと思いました。


なお、Managerial Economicsを担当するRaymond Hill Senior Lecturerは、投資銀行でManaging director、事業会社でCFOを務めるなど豊富な経験があり、過去に「(存命の)最も影響力のあるビジネススクール教授Top20」で4位にランクされた人気教授の一人です。授業においてはコールドコール(手を挙げていなくても指名され発言させられる手法)を用いた双方向のコミュニケーションを重視しており、ともすれば退屈になりがちな経済学を、緊張感をもって楽しく学ぶことができましたし、学生全員分の期末テストを教授自ら一人ひとりの返却ボックスに投函する姿が目撃されるなど魅力的な人物でもあります。


コア科目は他にもたくさんありますし、選択科目も豊富に用意されています。何かご質問がありましたら以下の宛先にご連絡ください。


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