米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2018年3月25日日曜日

マーケティングの選択科目について


こんにちは。Class of 2018のJunです。
今回はGBSのマーケティングの選択科目についてご紹介します。思えば2年前、私がGBSに進学を決めたのにはマーケティング分野に定評があったからでした。そこで、この2年間で実際に授業を受講してGBSのマーケティングがどうかについて感想を交えながら少し書きたいと思います。

まず、ここ1年間でGBSで開講があった授業を以下にリストアップしました。秋学期、春学期ともに5-6科目の開講があり、幅広くマーケティングの授業を受講することができます。そして、以下にも記しましたように毎年新しい科目の追加がありますので、マーケティング分野は学校としても重要視している印象を受けます。おそらくその追加基準は科目の充実とトレンドの両方を考慮して追加しているのではないかと思います。

2017-2018 Academic Year 
秋学期
Product and Brand Management
Digital and Social Media Strategy (2016年に新規追加)
Sales and Business Development
Integrated Marketing Communication
Seminar on Global Marketing
Special Topic: Pricing Strategy (2017年に特別開講)

春学期
Marketing Research (2018年に新規追加)
Data-driven Marketing Intelligence
Consumer Behavior
Sports Marketing
Product and Brand Management - Healthcare

私はこの1年で5つのマーケティング選択科目を受講しました。その中で特に印象に残っているのはProfessor BowmanのProduct and Brand Managementです。この授業はGBSの名物授業の一つでもあり、毎年受講生が多く、追加授業があるほどです。カバー内容が幅広く、課題が多く、そして教授がとても早口ということで結構負担は大きいですが、マーケティングのノウハウを一通り学ぶことができます。授業では浅く広く知識を学び、課題ではその知識を深めていけるよう設計されています。生徒にとっては消化不良のない授業であり、マーケティングを学びたい人の必須授業だと思います。またカバー内容がかなり広いので、マーケティングの全体像を見ることができ、興味がない人でもそれなりに楽しめると思います。

以上、簡単ではありますがGBSのマーケティングについて少し理解が深まれば幸いです。もし当校について質問等がありましたら日本人会メーリングリストまでご連絡ください。

2018年3月18日日曜日

前例のないことにチャレンジ ~初めてのJapan KEGS~

Round 1-3で合格通知を受け取られた方おめでとうございます。進学先決定にあたり悩むことがあればお気軽にご連絡下さい。Round 4apply中の方はもう少し頑張ってください。こちらもお手伝いできることがあれば何でも聞いてください。

先日の投稿(http://goizueta-japan.blogspot.com/2018/02/japan-kegs.html)にありましたが今年1月にJapan KEGSという日本文化を紹介するイベントを開催しました。実はこのイベントは今回が初めての試みで私がこれを主導して企画・実行したのですが、全く何もないところから始まって何をやればいいのかもわからず手探りで全てを進めていき、実現できるかも不確かなまま色んな人を巻き込んで走り出し、私の2017 fall semesterはほぼJapan KEGSに忙殺されて終わったと言っても過言ではありません。有り難いことに多くの人から支援・協力を受けることができたのですが、それだけにこのプロジェクトが失敗したらどうしようと一人不安に苛まれたことも一度や二度ではありませんでした。

では何故誰からも頼まれていない上にそのような単位にもカネにもならないようなストレスフルなことを私がやろうと思い立ったのか 、その経緯をお話しすることでGoizueta Business School (GBS)の魅力の一端をお伝えしたいと思います。
私を駆り立てた動機は大きく2つ、 1)communityへの貢献 と 2)前例のないことへの挑戦 です。

1. Community に貢献し、GBSの一員としての役割を果たしたかった
GBScore value の一つに掲げているほどcommunityを重視しており、どのクラスメイトもcommunityに貢献する活動を自発的に行っています。Goizueta Business Associationと呼ばれるstudents leadership board(日本の生徒会のようなもの)はsocial, academic, recruiting問わず様々な催しで在校生に成長・学び・交流の場を提供していますし、各クラブのリーダー達はcase competition, company visit, guest lecture等の企画を自発的に行い毎週のように異なるscheduler invitationが届きます。それ以外にもボランティア/donationの呼びかけやinternational studentsによる母国の文化を紹介するイベントも目白押しです。どのクラスメイトも授業や就職活動・家族等で多忙な中、金銭や実利を求めず多くの時間と労力をかけてGBS communityに貢献しています。最初はクラスメイトが企画してくれるイベント等に参加して学んでいくことに精いっぱいでしたが、やがて自分もメリットを享受するだけでなくcommunityの一員として貢献したい/するべきだと感じ、自分に何ができるかを模索した結果(楽しみながら)自国の文化を紹介するイベントができたらと思いJapan KEGSの企画に辿り着きました。

2. グローバルな環境下で前例のないことにチャレンジしたかった

もうひとつは海外MBAという自由度が高く多様性に富んだ環境下で、前例のないことにイチからチャレンジし今しかできない経験を積みたかったという動機です。
GBSIMPACT360に代表されるようにExperiential learningに力を入れており、実際に私も数多くの実践型プロジェクトを経験しここでしか得られない貴重な体験をすることができました。GBSのプログラムはどれもよくオーガナイズされており、チームメイトもクライアントも非常に意欲・能力が高いためハイレベルなディスカッション・分析・ソリューション提案を通じて各種ソフトスキルは徹底的に鍛えられます。
その一方でゼロから新しく何かを企画し、周囲を巻き込み、創り上げてやり遂げるという経験をするのに海外MBAは格好の機会でもあります。実際のビジネスの場面ではクライアントも仲間も全員が優秀で(意見の違いはあれど)同じ方向を向いているという環境は少ないのではないでしょうか。こちらの提案に興味を示さないスポンサーや利害が対立するベンダーとのタフな交渉が必要となる場面もあるでしょうし、前例のない企画に懐疑的なキーパーソンを巻き込んで協力者にしていく影響力も必要になるかもしれません。実現するかも分からない状態からそれでも成功を信じて周囲を巻き込んでいくことや、アメリカ企業と交渉してdonationを獲得したり、スポンサーから獲得した資金の税務・法務的な整理など、どれもタフな経験ばかりでしたがJapan KEGSの企画を通じて成し遂げたことは自らの経験値となりその分成長できたと実感しています。

このような新しい試みはどのMBA schoolでも挑戦できると思いますが、私が今回のチャレンジを通じて改めて感じたGBSの素晴らしさを2点挙げて筆をおきたいと思います。ひとつはclose knit communityのメリットです。何か新しいことにチャレンジするとき、特にそれが周囲の協力を必要とする試みであれば各種キーパーソン(今回の場合はprogram officestudent leadership boardなど)の協力が必要となりますがsmall schoolではどのクラスメイトとも関係構築ができているため、新しい企画を説明するとすぐにこちらの情熱や意欲を理解して協力してくれました。もう1点は自分のチャレンジを契機としてcommunityが更に活性化していった点です。Japan KEGS終了後は感謝と称賛のコメントをもらうとともにイベントの内容について多くの質問を受けるなど日本文化に興味を深めてもらうことに成功したと思います。また、Japan KEGSに触発されて韓国人クラスメイトがKorean KEGSを開催したいと動き始めたり、中国人クラスメイトがJapan KEGSに負けないイベントを開催するんだと奮起していたりと、自分の挑戦がコミュニティに影響を与えている様を見ると自分の挑戦と苦労も報われたなぁとひとり感傷的になってしまいました。

新しいこと、創造的なことにチャレンジしたい方は是非GBSで想いを実現させて下さい!

2018年3月11日日曜日

シリコンバレーで活躍するGBS卒業生たち

みなさんこんにちは。
Class of 2018のRioです。我々二年生は5月に卒業を控え気もそぞろな時期ですが、これから入学を控えておられる皆様も同様に気もそぞろなのではないかと思います。入学準備もいろいろと手続きがあって大変かと思いますが、学校のガイダンスがかなり詳しいと思いますので、それに従って進めてみてください。

さて、今日は毎年2月末〜3月上旬にかけて開催されるMid Semester Moduleのご紹介です。
これはインターナショナルモジュールと呼ばれる授業の一環で、設定されたテーマに沿って海外のビジネスを学ぶ機会を得るというものです。テーマは不動産、ヘルスケア、アントレプレナーシップなど多岐に渡り、行き先もブラジル、ニカラグア、デンマーク、シンガポールなど世界各国にわたっています。

私は今回シリコンバレーとシンガポールの起業を学ぶというテーマのモジュールに参加しました。シンガポールはベンチャー企業というよりベンチャー企業の支援プラットフォームの訪問が中心だったため割愛します。

以下、サンフランシスコで訪問した企業をいくつかご紹介します。

テスラ(フリーモント工場):GMとトヨタの合弁工場を買い取った工場です。広大な工場内のラインをカートに乗って見学させてもらいました。大量生産の難しさを実感しました。いろいろ思ったところもありますが、詳細はNDAがあるので割愛させてください。


サーベイモンキー:オンラインサーベイの大手です。Chief Research Officerがエモリーの卒業生ということでオシャレな本社でディナーとパネルディスカッションが開催されました。ちなみにこの演壇に座っている人はみんな卒業生です。右端に座っている人が教授のチャーリーです。申し訳ないのですが、ここもNDAがあるため詳細は割愛させていただきます。

Plaid:エモリー卒業生のWilliam Hockeyが共同創業したフィンテック向けプラットフォームの会社です。GSやGoogle Venturesなど数社から資金調達し、若干27歳でユニコーン企業(10億ドル以上で評価される非上場企業のこと)の創業者になった若者から話を聞きました。
アメリカのフィンテックサービス提供企業に対し、APIを使って認証し、銀行口座と接続することに問題がないことを確認するプラットフォームということでした。(技術的に細かいことは正直わからないのでご容赦を…。)
ウェルズファーゴ、バンカメなどの大手銀行の認証が可能になるということで、送金、決済を主戦場にするフィンテック企業の利用が増えています。利用するたびにPlaidに手数料が落ちるモデルだそうで、当面はアメリカに集中するということですが、世界に広がったらさらにスケールしそうな感じがしました。
興味深かったのは、当初は別の事業を構想して進めていたが、このモデルに方向転換したとのことで、いわゆるPivotの成功例だったことです。億万長者にも関わらずパーカーにデニム、スニーカーという若者らしい格好で、謙虚で偉ぶることもなく、サンドイッチとソーダを片手に淡々と事業のことを語っていたのが印象的でした。
(日本でKarteというサービスをリリースしているPlaidとは違う会社です。)


GreenRush:大麻のオンライン販売ベンチャーです。写真の女性がRachel ShippというGBS卒業生で、販売プラットフォームを創業、VCからの資金調達にも成功しています。大麻はカリフォルニア州を含むいくつかの州、地域では合法ですが、まだまだ違法な州の方が多く、連邦法でも違法なためという特殊なビジネスです。資金調達に応じるところも少なく、銀行融資はNG、Appleもアプリ審査は却下されるためスマホアプリは作れないし、FedExも配送に応じてくれないため自前で運ばないといけないということでした。また、税務申告においても連邦法上違法なビジネスは税控除において不利になるなど相当大変そうなビジネスに思えました。
カリフォルニアでは大麻の取引は90%以上が違法なものだそうで、このように合法的にビジネスをやっているところはコストが高いということで敬遠されているようです。州政府がどこまで違法大麻の排除に介入するかがスケールするかの鍵になりそうですが、MBAをとって大麻ビジネスに参入しちゃうアメリカ(というかカリフォルニア)に驚きます。なお、GBSのあるジョージア州では大麻は違法です。

GBS生はコンサルティングファームやファイナンスを志向する人が多く、大企業勤めをする人が多いように思いますが、このようにシリコンバレーで活躍する人たちも多数います。また、卒業生パーティーでお会いした人たちもGoodle、インテル、UBERなどシリコンバレーの名門企業にお勤めの方もたくさんいらっしゃいました。

エモリーの卒業生ネットワーク、なかなかどうして凄いですよ!

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最後に、最近はキャンパスビジットのご連絡をいただくことが増えました。ビジットに際して在校生との面談や住居見学を希望される場合は、以下の情報を付記してご連絡をもらえると、対応者の調整などがスムーズに進みます。ご協力を宜しくお願いします。

<キャンパスビジットについて(過去ブログ)>
http://goizueta-japan.blogspot.com/2017/11/blog-post_30.html

 <ご連絡を頂く際に付記いただきたい情報>
・出身業界
・興味のあるプログラム(1-Year or 2-Year)、授業など
・面談を希望する在校生のバックグラウンド(ファイナンス、コンサルなど)
・渡米後の生活環境(家族帯同/単身など)

<連絡先>
goizueta_jp_student@googlegroups.com

2018年3月4日日曜日

交換留学生(シンガポール)から見たGoizueta Business School


皆んこんにちは。

シンガポール国立大学のBusiness School (Class of 2018) から交換留学生としてEmory(Goizueta)に来ていますKenです。今回は外部の視点から見るEmory(Goizueta)の魅力について書かせて頂きます。本投稿が少しでも皆さんのお役に立てるようであれば幸いです。
(MBAでは学校によって交換留学という制度を用意しており、期間限定で提携した学校同士で学生を交換し合い、単位交換も可能な仕組みになっています。)


 <Emory(Goizueta)の魅力:カリキュラム編>
1.     時間割
Emoryでは日中の授業は75x 2/週で行われます。(イブニングの授業は18:30-21:15までの2時間30x 1/週で行われます。)ちなみにNUSでは全ての授業が2時間45x 1/週で行われていました。どちらが優れているとは一概には言えませんが、NUSは学外での課外活動の時間を充実させために、極力学生の拘束時間が少なくて済むように時間割を調整しているようです。英語がバリバリに出来る方であれば全く問題はありませんが、私のような海外経験が多くなく、かつ英語で苦労している者からすれば、1回当たり75分という授業時間は、集中力を持続させた上で授業に臨める最適な時間割でした。また週2回授業が行われるため、週前半の授業内容をしっかり消化した上で後半の授業に取り組めます。これは学習内容の理解度を高めるという観点からみても理想的なカリキュラムであると私は感じました。

2.     定量分析に強い/重きを置いている
Emoryではどのクラスにおいても定量的に分析を行う姿勢が求められます。さらに分析したアウトプットをそのまま相手に伝えるのではなく、組織内のどのメンバーに説明しても理解してもらえるように、内容を噛み砕くスキルも合わせて鍛えられます。これは学んだ内容を卒業後にビジネスで活用し、実際にビジネスを動かしていくことを意識した内容だと言えます。もちろん定性的にケースを分析する力も必要ですが、さらに一歩踏み込んで、いかなる課題においても定量的に掘り進める力を養えるEmoryの授業は素晴らしいと感じました。

3. ケース/レクチャーの比率
3点目はケースとレクチャーのバランスの良さです。レクチャーばかりだとビジネスへの応用が難しい。ケースばかりだと基礎力がないので真の問題解決力が身につかない。その点Emoryの授業はこの2つのバランスが上手に取れているなと感じました。もちろん授業により状況は異なるかとは思いますが、私が受けている授業では、週の前後半でレクチャーとビジネスケースの両方を行う場合が多いです。レクチャー部分で基礎力を身に付け、ケース部分でビジネスへの応用パターンをひたすら考えていきます。両方の視点をしっかり押さえられているので、課題に対する理解度や納得度が全く違いました。

<Emory(Goizueta)の魅力:番外編>
1. KEGS
詳細は他の方に譲りますが、KEGSとはKeep Everyone at Goizueta Social の頭文字でできた造語であり、毎週木曜日の夕方ビジネススクールの1階で、無料で食事とお酒が振る舞われるという太っ腹なイベントです。普段話すことのないクラスメートや教授陣と密なコミュニケーションが取れるため、アメリカ社会に溶け込むには最高のチャンスです。下記は参考までに日本人が主催したKEGSについてのブログです。
KEGSについて(過去ブログ)>
http://goizueta-japan.blogspot.com/2018/02/japan-kegs.html

2. 人の良さ
とにかくアトランタには感じの良い人が多いです。挨拶をする、お礼を言う、席を譲る、明るく振る舞うなど当たり前のことかもしれませんが、多くの人が自然にこれらのことが出来ています。日本人は仕事や子育てで日々忙殺され、普段の生活を心から楽しめている人はそれ程多くないと思います。アトランタの人々の自分自身の人生を前向きに楽しく過ごす姿勢を少しは私も見習わないといけないなと感じました…。

3. 日本食の入手性
意外かもしれませんが、日本の食材は割と簡単に手に入ります。(値段は少々お高めですが...)
また日本食を食べられるレストランが何軒もあるため、食事の面で困ることは皆無です。私は4か月間の短期滞在のため車を持っておりませんが、UberやLyftなどの配車サービスが発達していますので、いつでもどこへでも快適に出かけることが出来ます。これらの点を考慮すると、アトランタは家族を連れて来られる方にも適した素晴らしい場所だと言えます。(Goizuetaを志望される方々は、実際にアトランタに来て自分自身の目で生活のしやすさを判断されるのが良いかと思われます。)


以上がNUS(シンガポール国立大学)からEmory(Goizueta)に来て感じた魅力です。

NUS Business Schoolに関して今回は多くを語りませんでしたが、もし欧米のMBAだけではなくアジアのMBAにも興味があるという方は、私の友人(NUSの同級生)がアジアMBA全般を詳しく紹介するサイトを運営しておりますので、そちらをご一読願います。

<参考:アジアMBAの紹介サイト>
https://asiamba.net/category/asiamba/


読みにくかった部分も多々あったかと思いますが、最後までお読みいただき本当にありがとうございました。


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最後に、最近はキャンパスビジットのご連絡をいただくことが増えました。ビジットに際して在校生との面談や住居見学を希望される場合は、以下の情報を付記してご連絡をもらえると、対応者の調整などがスムーズに進みます。ご協力を宜しくお願いします。

<キャンパスビジットについて(過去ブログ)>
http://goizueta-japan.blogspot.com/2017/11/blog-post_30.html

 <ご連絡を頂く際に付記いただきたい情報>
・出身業界
・興味のあるプログラム(1-Year or 2-Year)、授業など
・面談を希望する在校生のバックグラウンド(ファイナンス、コンサルなど)
・渡米後の生活環境(家族帯同/単身など)

<連絡先>
goizueta_jp_student@googlegroups.com