米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2015年6月23日火曜日

ヨーロッパの歴史を味わう

みなさん、こんにちわ。KJです。

夏セメスターに入り多くの同級生はインターンシップをする中、社費生である私はドイツの交換留学プログラムを受講しています。
とはいえ今回は先週末のロンドン旅行中の出来事をご紹介させて頂きます。(プログラムの内容は次回に!!)

ロンドンの建物はとにかく古いです!!多くの建物がリノベーションされて長く使われていたり、新しい建物を建てる場合でも周辺の外観を勘案して古めかしい外観のものを建てることが多いそうです。私は友人宅に宿泊させてもらったのですが、すでに100年以上前に建てられたアパートメントでした。。。友人談では家の中の設備が壊れた際にも管理会社は取り替えではなく、できる限り修理すること試みるようです。

そんなロンドン滞在で最も印象に残ったのがアフタヌーンティーの時間でした。過去にWinston Churchill(第二次世界大戦中のイギリス首相)が何度も宿泊したと言われる150年以上の歴史あるホテルだったのですが、一流のサンドイッチ、スコーン、ケーキ、一流の紅茶、一流のサーバー、そして歴史を感じることができる空間での時間はまさに歴史を味わうという言葉がぴったりな経験でした。


アメリカのMBAを選んだとしても、交換留学等でヨーロッパを学ぶ機会は十分にあります。私は夏休みの間を利用して一ケ月のプログラムのみ参加していますが、セメスター交換留学もあるため、自身次第で経験値を広げることができると思います。

インターンの感想

去年VISA発行遅れぎりぎりでPMEL間に合い、今年VISAの延長で米国ビザ発給システムダウンに巻き込まれたClass of 2016のキングです。今会社の企画部門にて、技術導入・買収に関連するインターンをしています。仕事して初めて、MBAの価値及び何を勉強すべきかが分かります。

MBAの価値
MBAを取得して何ができるかについて、人また会社によって考え方が異なると思うが、この一年間のMBA生活で、私は一番納得するのはハーバード大学のDeepak Malhotra教授の観点である。Deepak教授はMBAの価値とは、他の人と比べ幅広い知識を武器に競争に勝つことである(Why a company hire a MBA? You do not good enough to do accounting as a CPA, do not good enough to do valuation as a financial specialist. But the truth is you know a little bit wider than any other else even it is shallow. You have more pieces of tools to create value. We've not equipped you to solve big problems you will face out of school, we've equipped you to have a fighting chance)。MBAはスペシャリストを育つ場所ではなく、幅広い知識を身につけると同時に、それらの知識につながる人脈を作る。今後の仕事に、特殊な問題を解決しないといけない時に、ほかの人と比べ、多角の視点から、問題解決可能なソリュションを提案し、また、そのソリュションに繋がるリソースを見つけることができる。これはMBAの価値である。

何を勉強すべき 
これまで私の会社でやってきた仕事と自分のやりたい仕事を基づき、第一及び第二セメスターにFinance、Accounting、Healthcare consultancyなどのclassを選んだ。自分はマーケティングにまったく興味がなく、将来マーケティング関連の仕事をするつもりもないので、コア以外のMarketing classを選択しなかった。しかし、今回のインターンで、やはりMBAってMarketingについて当然分かるだろうと思われるので、今考えてみたら、自分の趣味や将来のやりたいことに関わらず、どの科目もある程度の深みで勉強しといたほうがいいと思いう。

2015年6月18日木曜日

1年目の振り返り

TEです。

さて、渡米してちょうど1年が過ぎました。大学の年間予定と共に、自分の1年目を簡単に振り返りたいと思います。


なお、個人の能力や家庭環境、どのイベントを選択するかによって、スケジュールや感じ方も個人個人で大きく異なるであろうことを予めご了承下さい。


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6月下旬: 渡米・セットアップ


7月:   PMEL
セットアップを進めつつ月-木で1日約4時間の授業を受ける。この時期はまだ余裕だが、その後のブロック2が終わる10月末までほぼ息継ぎなしの日々が続く。


8月前半: Twin Lakes合宿、各種オリエンテーション
23日の合宿ではスタディグループやセクションと共に様々な肉体的なチャレンジを通じてチームビルディングを行う。日々新しい出会いがあり、MBAにきた実感大。


8月: 本コーススタート
必修5科目がそれぞれ週に90分×2コマ開講され、123個の授業がある。時間割はセクションによって異なるが、私は月・水・金は早朝8:00からクラスだった。チームもまだぎこちなく、しかも英語というハンデを抱えつつなので大変な時期。平行して夜はソーシャルイベントも活発化し始めるので、酒の力を借りて乗り切る。


9月前半: 初めてのテスト
コース開始たった1ヶ月で中間テスト。基本的には授業の復習であるが、授業がものすごいスピードで進むので、チームや日本人同級生に助けてもらいながら何とか乗り切る。


9月後半: つかの間の休息…そしてブロック2
MBA就活イベントのため、社費生には渡米以来ようやく数日間の休みがある。その後、科目数が増加し最もハードと言われるブロック2が開始。平日だけでなく土日も予習やテスト勉強に追われるようになる。


10月前半: 終わりなきグループ課題
グループ課題が増加し、より時間捻出が難しくなる。MBA受験時代ばりの生活に逆戻り。アメリカ学生の就活も忙しくなり、皆に疲労の表情が…。


10月後半: 約2週間の休暇(よっしゃー!)


11月: ブロック3開始
必修が4科目に減少。授業やチームワークにも慣れてだいぶ余裕がでる。金曜も基本的に休みになり、ようやくプライベートな時間が作れるようになる。春学期の履修登録会がある。


12月: 秋学期終了と冬休み
12月中旬から約1ヶ月の冬休み


1月: 春学期がスタート
GMSCブートキャンプのため他の学生より数日早く春学期がスタート。選択科目は自分の興味を中心に履修した。また今期からイブニングクラス(18:30-21:00)も週2コマ入れる。このあたりから社費生のMBA生活は個々で大きく異なり始める。


2月: チームワーク
GMSC、トレック準備などチームで活動する事が増え、仲間から様々な刺激を受ける。企業訪問や外部講演なども増えるので、実ビジネスの面白みも出てくる。アプリカントの方々と会う。


3月: MSMと春休み
2月末から約2週間のジャパントレックに参加。これは機会があればまたご紹介したいですが、間違いなく人生で最高の体験の1つになった。アトランタに残って授業を受ける選択肢もある。その後、約1週間の春休み。


4月: 春学期のピーク
各選択科目も佳境に入り時間的拘束が一気に増える。土日どちらかにもミーティングが入るようになった(GMSCのみ)。チーム内やクライアントとの軋轢も生じてくる中、どうチームに貢献するか悩む。


5月: 最終プレゼンと夏休み
スーツを着込んで緊張の最終プレゼン。その後夏休みスタートそして現在に至る。

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以上、ここに記述したのはあくまでも学校内生活を中心としたものとなりますが、それ以外にも家族との時間、ソーシャル活動、クラブ活動など、時間がいくらあっても足りないくらいでした。


また、セットアップや、日々の小さなトラブルからアメリカ社会の洗練を受けることも多く、そういった意味では授業外の時間で得た経験もからも、授業相当の学びが得られたと思います。


TE

2015年6月7日日曜日

TOEFLのトピックスで旅する、アメリカ国立公園めぐり

どーも、Class of 2016のハリーです。

今年度のMBAプログラムへの入学に向けた受験生のみなさんは
そろそろ結果が出そろい、準備も終了に向かっているころだと思います。

わたしも、受験期間中は、
GMATやTOEFL、インタビューの準備など非常に苦しかったことが
昨日のことのように思い出されます。

特にTOEFLの勉強では、
こっちはビジネスの勉強をしに行くのに
それとはまったく関係ない下記のようなトピックを勉強しなければならず
非常にストレスのたまるものでした。

例:
- 巨大隕石による恐竜絶滅のシナリオ
- 消えたインディアン:アナサジ族の謎
- 渓谷を作り出す、堆積と隆起、浸食の仕組み
- アスペンという木の成長と山火事の関係性

皆さんもこんなん何の役に立つねん!と何度も突っ込みながらも
自分を追い込んで色々なトピックを勉強されてきたのでは?

ご安心ください。実は、MBAプログラムの夏季休暇期間となった今、
TOEFLで勉強したこれらの基礎知識が、非常に役立っているんです。

社費留学生である私は、夏季休暇を利用して
現在、アメリカの国立公園めぐりの真っ最中です。

学生時代の6年間、北海道の国立公園で、
ネイチャーガイドのシーズンバイトをしていたこともあり、
いつかは
- アメリカのグランドサークル周辺の国立公園をめぐりたい
- アラスカのユーコン川をカヌーで下りたい
とずっと思っており、1つめの念願がついに叶いました。

家族と一緒に、アトランタからアリゾナ州のフェニックスまで飛行機で飛び、
レンタカーを借りて、以下の行程で約4000マイル(6000キロ超)の自動車旅行を楽しんでいます。

1.セドナ
2.グランドキャニオン国立公園
3.レークパウエル(通称:水をたたえたグランドキャニオン)
4.アーチーズ国立公園
5.モニュメントバレー
6.メサベルデ
7.グレンウッドスプリングス(温泉)
8.ロッキー山脈国立公園)
9.グランドティトン国立公園)
10.イエローストーン国立公園
11.ラバ・ホットスプリング(温泉)
11.ザイオン国立公園
12.ラスベガス
etc

その途中、アリゾナでは巨大隕石のクレーターの大迫力に圧倒され、こりゃ周りの生物死滅するわな!と納得。
http://meteorcrater.com/

世界遺産になっているメサベルデでは、標高2500メートルの断崖絶壁につくられた壮大な住居跡を目にし
なんでこんなにすごい住居を捨てて、突然居なくなったのだろうと心底不思議に思う。
http://www.nps.gov/meve/index.htm

グランドキャニオン周辺のグランドサークル一帯の渓谷の壮大さを目の当たりにし
隆起した台地が雨で削られるまでの悠久の時間に思いをはせる。
http://www.nps.gov/grca/index.htm

イエローストーンでは、毎年発生する山火事により立ち枯れた木々と、その下から生えている
アスペンの若木達を見て、森の生命力に感嘆させられる。
http://www.nps.gov/yell/index.htm

アメリカの国立公園では、大体どこでも
レンジャーによる無料解説ツアーがあるのですが、TOEFLで学んだ事前知識が無ければ
これほど楽しめなかったと思ってます。本当に。

(書ききれないので割愛しましたが、この他にもレンジャーの解説であった
間欠泉の仕組み、バイソンの子供の守り方、ビーバーのキーストーンアニマルとしての役割
など、どれもこれもTOEFLで学んだことばかりでした。)

家族と旅する幸せな期間も残りわずか。明日以降も夢の国立公園めぐりを満喫したいと思います。

そして、アトランタに帰った後には、我が家には8月に、もう一つの大冒険、
「アメリカでの第二子の出産」が待っています。

次回のBlog更新の当番が来た際には、そちらの模様もリポートできるように
家族みんなで頑張りたいと思います。

ハリー

2015年6月1日月曜日

データで見てみるアトランタ

Class of 2016 の Yuta です。
本日は、GBSを擁するアトランタ市の特徴について、マーケティングデータベースを参照しつつ考察したいと思います。


今回の調査では、GEOGRAPHIC RESEARCH 社の Simply Map 3.0 を参照しました。このデータベースはGBSの学生なら無料で利用可能で、全米各地のマーケティング関連統計を集計して地図上に表示することができます。例えば「各世帯の生乳消費金額」を州ごとに集計すると、以下の通りになります(赤→ピンク→緑→水色→黒の順に消費金額が多い)。州単位だけでなく、郵便番号ごとにきめ細かく地図を分割できることも、このソフトウェアの「売り」になっています。


今回はこの機能を活用して、アトランタ(郵便番号30329)の「生活の質」を、NYC(10003) および ケンブリッジ (MA, 02138)と比較してみます。まずは分析対象の統計データとして(Quality of Life Index) を指定し、3箇所の郵便番号を入力すると、以下の結果が得られました(赤→ピンク→緑→水色→黒の順に生活の質が高い、黄色で囲まれている部分が指定した郵便番号のエリア)。

Atlanta

NYC

Cambridge

以上のチャートから、以下の2点を読み取ることができます。
第一に、Quality of Life Index の全米平均は「86」で水色に相当しますので、今回の調査対象とした3都市は全て平均を上回り、良好な生活環境が期待できそうです。
第二に、とりわけアトランタは際立って高い評価を得ているようです。

次に、上記の分析結果の背景を探るために、より細かいデータを見ていきます。Quality of Life Index は犯罪発生率や気候条件、医療水準、教育水準など、複数の要素を総合して合成された指数であると説明がありましたので、いくつか関連したデータを検索し、一覧表にまとめてみました。


このチャートから、以下の4点を読み取ることができます。

第一に犯罪発生率に関しては、アトランタは自動車窃盗や加重暴行の発生率がNYC, ケンブリッジと比較して相当低く、この点が高い評価を得ている一因になっているとみられます。

第二に気候条件に関しては、アトランタの年間日照日数は若干多めになっています。

第三に医療水準に関しては、医療サービスの物価指数を掲載しました。一瞥して分かる通り、アトランタの医療サービス価格は他の2都市や全米平均を大幅に下回っています。もちろん、これが「安かろう悪かろう」ではないことは、エボラ出血熱の発症者が世界中からエモリー大学付属病院に搬送された事実からも推察できるかと思います。参考までに総合CPI も掲載しておりますが、これだけの大都市で全米平均を下回る物価水準を実現できている点は特筆に値すると考えます。

第四に教育水準に関しては、アトランタは博士号取得率でケンブリッジの後塵を拝するものの、NYC および全米平均を上回る結果となっています。

以上のデータから、「アトランタは犯罪発生率が低く気候条件は良好、医療サービスを含む生活コストは低く、一方で教育水準は高いため、 Quality of Life の観点から高い評価を受けている」と考えます。


いかがでしたでしょうか。以前のブログでも紹介しましたが、GBS では Data-driven decision making を標榜し、直感やイメージではなくデータに基づいた意思決定をするトレーニングを重視しています。今回の分析が受験生の皆様の意思決定に際して有用なデータの一部になれば幸いです。


Yuta