米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2017年1月25日水曜日

MBA、そして

Class of 2017のBuddhaです。
早いもので、残り数ヶ月で卒業となりました。

振り返って今思うことは、
留学していた頃を振り返るような人生を過ごしたくない
ということ。

少し長めの通過点だった。

MBA後、世界がどのように見えるか楽しみだ。

Buddha



2017年1月23日月曜日

私の面接

こんにちは、Class of 2017のタローです。

卒業式の58日まであと106日となり、長いと思っていた2年間の留学生活もあっという間にゴールが見えてきてしまいました。

受験生の皆様はアプリケーションの応募が最も多くなる1月のラウンドを終え、今か今かとインタビューの招待を待っている最中では無いでしょうか?

私も二年前、精神的に病んだ瀕死状態の中、やっとの思いでGBSへのアプリケーションを書き上げ、締め切りギリギリに提出した記憶があります。そしてインタビューの招待を待つ中で、届いていたインビテーションメールを間違えてゴミ箱に捨ててしまい、返信期限の翌日にそのメールを奇跡的に発見し、謝罪文と共に面接のお願いのメールを出した記憶を思い出します。「そんなことあるか!」とツッコミたくなるような話ですが、実話です。皆様はメール箱の整理は集中して行ってください。

肝心のインタビューですが、私はアドミッションの面接官を相手に約30分の面接を2月に東京の某ホテルで受けました(受けさせていただきました)。とても和やかな雰囲気を作ってくださり、自然な流れの会話のようなインタビューとなりました。「学部時代は教育専攻だったけど、なぜ営業になったの?」や「アプリケーションでは将来こんなことしたいと書いてるけど、競合はどんなことをしてるの?」、「あなたのInteresting factを見せてもらったけど、何が言いたかったの?」など、隅々までレジュメやアプリケーションを読んできてくれていたことに驚きました。私の面接の場合はWhy MBA? Why GBS?といった直球質問ではなく、話をしていく中でそれらの質問の答えを探っているような雰囲気でした。おそらく質問を答えるうえで、「~だからMBAが必要なんだ」や「~なのでGBSに行きたいんだ」と付け加えられた方がより良かったのかもしれません。

個人的に印象に残ったのは「アトランタについて何か知ってることある?」という質問で、私は特にそこまで深く考えられず、「NBAのアトランタホークスを見に行きたい。今シーズン(2014-2015)は絶対的なスタープレーヤーはいないがチームケミストリーが良く、現時点で東カンファレンスの首位をひた走っているよ」と興奮気味に答えたことを覚えています。そこから話題がスポーツネタとなり、お互いランニングが好きであることが判明し、最後は弊社の栄養補助食品を面接官にさりげなく渡して面接を終えました。学校の事を調べることはもちろんなのですが、これから二年間暮らす場所について何を知っているか、なんでも良いと思うので一つか二つくらい用意しておくと安心だと思います。もしかするとアトランタには〇カ・〇―ラ社があるため飲料業界でコネクションを作りたいとビジネスライクな答え方もできたなと今更ながら思いますが、NBAネタの方が自分らしさを出せたのとアイスブレーカーになってくれたので良かったかもしれません。

インタビューの準備をするにあたって、こうしておけばよかったと思うことを一つ紹介します。それはボディランゲージを付け加えることです。例えば「私を表す形容詞三つは〇〇、△△、と××です」の時に手を使ってカウントするとか、「私は~」と言うときに胸に手を当ててみることです。日本人にとっては大げさに見えますが、たぶんこちらの方からすると普通に見えると思います。中には自然にできてる人もいるのですが、そうでない人で付け加える余裕があったらぜひ試してみてください。


厳しい寒さが続きますが、希望と大切なメールは捨てずに残りの受験生活を頑張って乗り切ってください!

2017年1月11日水曜日

短期交換留学(ドイツケルン)のご紹介

皆様こんにちは。Class of 2017のUGです。

Kがウィーンの短期交換留学について紹介しましたので、今回は当方が夏に経験したケルン大学への短期交換留学についてご紹介したいと思います。

ケルン大学はサマープログラムとして1週間程度の企業コンサルティングプロジェクトのみのプログラムおよび3.5週間程度のプログラムを提供しています。当方が参加したのは後者で、参加者は欧米のみならず南米や南アジアなど多様でした。プログラムはIntercultural management、The Euro & Economic Policy、European Leadershipの3つの授業からなります。

Intercultural management
Cultural Compassという各国の文化を4つの軸 (Power distance, Individualism/Collectivism, Masculinity/Femininity, Uncertainty avoidance) で比較するツールおよび学生間でのマネジメントに関する議論を通じ、他国の文化を相対化することでビジネスマネジメントにおける異文化衝突を避けることを目指す授業です。例えば、日本とフランスの関係において、フランス人は日本人よりも(1)ヒエラルキー型(2)個人主義(3)調和的(4)確実性を好む、ということになり、また日本とドイツの関係において、ドイツ人は(1)フラット型(2)個人主義(3)調和的(4)非確実性に受容的、ということになり、欧州の隣国同士ではあるがフランス人とドイツ人に対し同じスタイルでのマネジメントは不適当で、フランス人に対しては日本人に対するよりもより明瞭で強いリーダーシップ、ドイツ人に対してはあまり具体的ではなくまた高圧的な指示は避けるといったマネジメントをすることでCultural conflictが避けられる、といったことを講義と議論を通じて学ぶことになります。

The Euro and Economic Policy
欧州における経済・財政政策とそのビジネスへの影響について学ぶことで欧州における事業機会・リスクを考える日本的な講義形式の授業です。EU経済および欧州中央銀行の概要・諸課題を網羅的に学びます。

European Leadership
第四次産業革命後のリーダーシップに関する概念であるLeadership 4.0についての講義およびCultural managementで学んだ内容を加味して、クラスメイトとの議論を通じ自分なりのリーダーシップ像を考える、という授業です。クラスメイトと議論する時間が多く設けられ、お互いのリーダーシップ像を議論・深掘りし、ケースレクチャー等を通じ実践させるという非常にinteractiveかつpracticalな内容でした。

総論として、MBAで学ぶアメリカ的な価値観を相対化するには非常に良い機会でした。日本とアメリカに加え、第三の視点を得られる(もちろん短期ですので限界はありますが)のは得難い経験だと思います。夏にお時間のある方はぜひ欧州や南米、アフリカなどの交換留学プログラムの活用をご検討いただければと思います。



当校の3rd roundの出願も終わり、インタビューやキャンパスビジットの準備を進めていらっしゃる方も多いかと存じます。ご相談やご質問等ございましたらお気軽に在校生までご連絡ください。


UG

2017年1月1日日曜日

短期交換留学の授業内容(ウィーン編)



こんにちは。2-year MBA Class of 2017Kです。先日、Hinaから短期交換プログラムについて紹介があったと思いますが、私も同期間に同じプログラムに参加してきました。参加した目的はヨーロッパやアジアの授業スタイルに参加、より多様性のあるクラスで学ぶ事により、アメリカでは得られない経験や知見を広げたいと考えたからなのですが、私と同じクラスにいた学生は、中国、台湾、ベトナム、ナイジェリア、ノルウェー、ドイツ、イタリア、イギリス、トルコ、シンガポール、オーストラリア、カナダ、アメリカから来ており、バックグラウンドも様々で、多様な構成となっていました。簡単に私が受講した授業について紹介させていただきます。

〇Global Talent Management1週目)
 ベルギーの女性教授によるタレントマネジメントに関する授業です。当初は実践的な知見、スキルを得る事を期待していましたが、本授業は既往の研究により明らかになった事実、統計的なデータについて知識を深めるという内容でした。教授自体が研究者という事もあり、実践的な知識を得る、スキルを磨くという点では少し満足度が低い授業となってしまいました。一方で、国や文化の違いによるビジネス慣習の違いに関する論文も複数扱ったため、興味のあった文化の違いやビジネス慣習の違いについて知識ベースで得る事がたくさんあった事は大きな収穫だったと思います。本コースのメインテーマはタレントについてInclusive/Exclusive, Developable/stableの組み合わせによる4タイプに分けて、チームディスカッション、最終プレゼンを行うものでした。それぞれの組み合わせについて、メリット/デメリットを既往の研究成果を引用しながら説明していくものです。私はExclusive/Developableのチームに所属しましたが、例えばこのタイプのメリットとして、組織へのコミットメントが高く、離職率が低い、仕事の満足度が高い、高い成果要求に対しての耐用度が高いといったものがあり、多くの日本の企業がこのカテゴリーに基づいた社内教育等を行っているかと思います。日本人には理解のできるカテゴリーですが、やはりビジネス慣習の違いによって、タレントマネジメントの手法も変わるようです。例えば、アメリカでは企業はトップダウンでの意思決定を行う、職を転々とする、役員と社員の給与格差が大きい(既往の研究では350:1というデータもあり)等の背景から、才能のある限られた人材だけにその能力を伸ばす教育を集中的に行うという考え方が一般的なようです。日本のようにボトムアップベースで極力平等に均一に教育する方針とは真逆の考え方です。カテゴリー毎にメリット/デメリットがあり、文化、ビジネス慣習によって適応が異なってくるため、特定の結論は無かったのですが、タレントマネジメントの基礎的研究の知見は得られたと思います。

〇International Financial Management2週目)
 為替、各種オプションを主に扱った授業です。WUの教授が担当し、ドイツ語訛りの英語で淡々と進めるレクチャースタイルで、日本の大学の授業に雰囲気が似ています。Global Talent Managementの授業もそうだったのですが、アメリカの授業に比べるとあまりインタラクティブな進め方ではなく、スタイルの違いが明確に分かります。また、学生についても同じで、アメリカでは講義中に間髪入れずに質問、主張を繰り返しますが、アメリカ、オーストラリア、カナダ以外の学生は比較的日本のスタイルに似ており、しっかり授業の内容を聞いていますが、質問や意見を主張するには少し消極的な印象でした。授業内容については、残念ながら新たな視点は少なかったのですが、物事をヨーロッパベースで考える視点は新鮮でした。(例えば、通貨換算でもユーロがベースとなり、換算式の考え方も少し変わってくる点等。アメリカ人は混乱していました。)

〇Global Marketing3週目)
今回の短期交換留学で一番の収穫があった授業です。教授はHong Kong University of Science and TechnologyHKUST)でも教えている中国人で、主にアジアでビジネス展開をする際に文化、宗教や慣習の違いを踏まえて、どのようにマーケティングを行っていくかという事を事例を含めて説明する内容です。特にアメリカのビジネススクールにいる場合、ほとんどのケース題材はアメリカ企業が多く、アメリカの文化やビジネス慣習をベースに話をします。そのため、アジアの事例を扱う事自体まず新鮮に感じたのですが、さらに欧米企業がアジアに進出する際にどのように現地に適応させる戦略を取ったか、成功および失敗事例を見て分析できた点は大きな学びとなりました。まずレクチャーの始めには顔文字で感情表現をする際に西洋は口で表現をする一方、東洋は主に目で表現をするといった違いから、Hofstede’s Cultural Dimensionsという既往の研究による各国による文化的な違いまで、基本的な知識を教えてもらいました。例えば、Individualism Indexという個人主義のレベルの違いを図る指標では、アメリカやオーストラリアといった国々が高いのに対し、日本や中国といった国々が低いという事実については感覚的に知っている事ではありますが、具体的な指標で表現されています。また、ケースでは欧米企業がアジアに進出する際に取った適応戦略や普段ほとんど触れる事のできないアジア企業のケースも多数扱いました。例えば、バービー人形が上海に旗艦店を出した際のケースでは、バービー人形に中国の民族衣装を合わせたり、バービーの家を中国風に変えたりするというものです。しかし、最終的には数年後に撤退するという失敗事例になってしまうのですが、その理由としては中国人の視点ではバービーはスタイルが良すぎる、顔があまりにも違いすぎる等、現地の価値観にフィットできなかったという事があるようです。また、Chow Tai Fookという中国で成功している宝石店のケースでは、中国の文化的な背景をよく知らないと成功しないという事を痛感させられました。中国人のクラスメートとのディスカッションで理解が深まったのですが、中国人は貨幣の価値を信用しておらず、金や宝石といったものに換金する価値観が根強くあるようです。また、Chow Tai Fookは香港、上海を主要店舗として、中国各地にも出店しているのですが、中国人は大都市の店舗で買い物をする傾向があるようです。Chow Tai Fookという中国で有名なブランドでも地方の店舗は信用できないという理由で、わざわざ大都市まで買い物に出かけるというのです。実際、Chow Tai Fookはこのような状況を理解しており、店員の質の向上や対応マニュアルの徹底等、地方各店のサービス満足度向上を図る事に注力しているようです。様々なケースを通じて、新たな視点から多々学ぶ事ができ、非常に満足度の高いクラスでしたが、やはりアジアのビジネスを良く知るにはアジアのビジネススクールで学ぶ事が非常に有益だと改めて感じました(実際にChow Tai FookのケースはHKUSTにて作成されたケースでした)。

 アメリカのほとんどの大学が世界中の大学と提携して交換留学プログラムを提供しているかと思いますので、このような機会を利用してより多様な経験をすることも可能です。

受験生の皆様は受験プロセスの佳境を迎えているところかと思いますが、体調管理にはくれぐれも気を付けて、無事に乗り切れることを願っています!

日本人・中国人クラスメート