米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2018年5月20日日曜日

IMPACT360 Catalyzing Social Impactについて


こんにちは、class of 2019YOです。今回は春学期に受講したIMPACT360 Catalyzing Social Impactについて紹介したいと思います。IMPACT360は春学期(16週間)を通し、実際のクライアントに対して課題定義、解決策の提案を行うHands-on型の授業です。

1年生の秋学期にIMPACTという必修授業があり、基本的なフレームワークを学ぶのですが、この春学期のIMPATC360はそれらのフレームワークを実際のプロジェクトに適用する、応用編といった位置づけです。

(プログラム)
Catalyzing Social ImpactSocial Businessを行っている組織に対しコンサルティングを実施するプログラムです。私たちのクライアントはアトランタに所在するフードバンクで、ジョージア州のある地域において"Meal Gap"をなくすためにはどういった施策が必要かを提案するというものでした。チームはMBA生が4名、Master in Development Practiceの学生が1名、Law School 生が1名の計6名でした。

(実施したこと)
1-2月
  クライアントとのミーティングを通してプロジェクトのスコープを合意。
  クライアントが過去、外部のコンサル会社へ委託し調査を進めていたので、既存の資料を分析。
2-4
  Censusやその他公表データを収集し"Meal Gap"はどのような地域に存在するか、食に困っている人にはどのような特徴があるかを分析(主にTableauというソフトウェアを使ってデータを可視化)
  関係者とのインタビューを通して課題の明確化、解決策のアイデアを醸成。
  プレゼン資料作成。
5
  最終発表

(苦労した点)
  個人的にこの分野での知識や経験がほとんどなかったため馴染みのない用語が多く、意味を理解するのに苦労した(Poverty, Food Insecure, Meal Gap等。概念としては似ているが意味が異なり、チームやクライアントと議論する上で正確な理解が必要だった)
  クライアントから提示されたのが非常に大きくかつ漠然とした課題だったため、プロジェクトとしてどの点に着目して提案につなげるか議論が発散し纏めるのが難しかった。
  上記とも関係するが、チームで課題の定義から解決策の提案までのストーリーを合意しないまま各々がデータ分析作業を進め、結果的に最終提案に使用しないデータが量産され無駄な作業を行ってしまった。

(学んだこと)
  アメリカが抱えるSocial Businessについて知る良い機会となった。
  Tableauの基本的な使い方について学ぶことが出来た。
  熱い思いをもって貧困問題に取り組んでいるクライアントとプロジェクトを共に行い、刺激を受けることが出来た。
  チームで仕事をすることにおいてコミュニケーションを取ることがいかに大事か、それを怠るとどのようなことにつながるか、身をもって再認識することが出来た。

以上、IMPACT360 Catalyzing Social Impactについて簡単ですがお伝えさせて頂きました。


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2018年5月2日水曜日

いま振り返る入学時の失敗談

Class of 2018Takuです。
いよいよ私たち2年生の卒業が近づいてきました。帰国が近づくにつれ、この2年間を振り返ることが多くなってきました。今回のブログでは、渡米直後に経験した失敗談をいくつかご披露し、更にこの2年でそこからどう成長したかを少しだけご紹介したいと思います。

(失敗エピソード1)
Coreチームと初めてあった日。なぜか各自の酒にまつわる失敗エピソードを語り合うアメリカ人たち。「俺は車の中で何回も吐いた」「友達はもっと大変なことになってた」などと大いに盛り上がっている一方、自分のエピソードを面白く話せるだけの英語力はなく、かつそもそも皆が何で笑っているのか分からず、ただ周りに合わせて一緒に笑顔を作る作業に終始する(顔が引きつっていたと思われる)

(失敗エピソード2)
続くチームビルディングのアクティビティにて。各チームが与えられた材料を使って強度の高いオブジェを作る課題が与えられたが、そもそもルールが理解できない。時間制限があるため超速スピードで設計を話し合うアメリカ人たち。設計図なら少しは関与できるか・・・と思ったものの、登場する単位がインチで全く想像がつかない。結局、何かできることはないか?と尋ねたところ、「うーん、そうだな、Just relax!」と言われ、意気消沈(このような場合、終わった後の記念写真も参加したくない)

(失敗エピソード3)
更に続く宿泊型のオリエンテーションにて。即席チームを組まれてアクティビティが始まる。全員が目隠しをさせられる中、インストラクターが全員に色々な形のカードを配る。インストラクターが、「カードは全部で5色かつ5種類の形がある。そのうち2枚をインストラクターが持っている。全員が目隠しをしながら、リーダーは、カードの形の特徴を各々に口頭で説明させ、更にインストラクターにカードの色を聞き(回数制限あり)、どの隠された2枚がどの形・色なのかを当てよ」という課題が課される。
・・・と、日本語で説明しても非常にややこしいゲームで、突然リーダーをやれと命じられる。形の描写をすることすら難しいのに聞き取るなんて出来るわけもなく、というかそもそもルールもよく分からず、全くゴールに辿り着く気配もないまま、ゲーム終了の時を静かに迎える(自分の無能さに相当の自信喪失状態に陥る)

(失敗エピソード4)
チームメンバー宅に呼ばれてのホームパーティ。2次会の場所は後でWhat's Up(アメリカの無料テキスト・通話アプリ)で話し合おうということで21時頃に一旦解散。連絡を待っていたところ、23時を過ぎても連絡がなく、痺れを切らして電話してみたら、チームがなぜか二手に別れ、そこにそれぞれ知らないアメリカ人も合流しており、「今から来てもいいけど、もう遅いから無理しないで」と言われる。日本の秩序立った飲み会の流れしか知らなかった私は途方にくれた(後で分かったことですが、私は別にいじめられていた訳ではありませんでした。アメリカ人は細かいことを全く気にしないので、自然発生的に行動してしまうことが多く、ただ待っているだけの人は置いていかれるのです)


自分で書いていて、実に色々な恥をかいたものだと思わされます。
では、これらの経験を経て自分がどう変わったのか。
振り返ってみると、コミュニケーション面での失敗談で共通しているのは、私が意見も言わず質問もせず、常に黙ってしまっていたという点でした。これは英語の問題もありますが、日本人特有の”口に出さない美徳”のようなものが強かったこと、会話を遮る勇気が欠けていたことに原因があったと感じています。外国人とコミュニケーションをする上ではそれではいけないのだと感じるようになったきっかけがこれらの出来事であり、今では(まだ臆することもありますが)言うべきこと・聞くべきことを勇気を出して発言できるようになったと感じています。これは、今後増えるであろう外国関連のビジネスの場で大いに役立つスキルだと信じています。

(余談ですが、昨今世間を騒がせているサッカー日本代表の監督交代問題で、ハリル氏は「解任理由を直接言われていない」と主張しているようですが、もしこれが事実なら、日本人がこれから外国人とコミュニケーションを深化させていく中での重要な課題がここに顕在しているのではないかと感じています。)


このように、おそらくどんな方も、MBAに限らず海外留学ではコミュニケーション・文化相違の面で悩むことがあるはずです。しかし、それを経験して苦労した人にしか開けない世界があるという点は100%確証できます。ここまで読んでいただいた方、少しでも留学に興味があるのであれば、犠牲も多いですが、ぜひ前に進むことをお勧めしたいと思います。見える世界が変わってくるはずです。

Taku