米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2015年4月27日月曜日

MBAの2年間

Class of 2015のヤッシーです。

現在、卒業目前でこの2年で学んだことをよく振り返っています。そんな時思うのは、自分にとってこの2年間はとにかく「多様性」を学び身につけた日々だった、ということです。

MBAは、特に日本人にとってあまり体験したことのない環境がある場所です。人種という属性だけで見ても、色々な人種がいるアメリカの中で更にMBAは多様ですし、他にも様々な属性(国籍、職業、趣味、宗教、性的方向性等)を持つメンバーが集まっていて、個々人の考え方や個性はとにかく幅広いです。

そのような環境の中で、色々なことへの理解を深めるために、自分の家族も積極的に巻き込みながら、MBAを含むエモリー大学のネットワークを通じてたくさんの経験をしました。黒人団体に混ざって慈善活動の手伝いをしたり、宗教の勉強会や祝日の式典に参加したり、LGBTの活動家のスピーチを聴講したり、人権に関するディスカッションをしたり…。

また、英語力が留学生中で最低レベルの自分は、最初の頃は特にクラスの輪に入るのに消極的で、写真を撮る時も奥の端っこで小さくなって写っていました。
でも、そんな自分でも周囲は個人として尊重してくれ、今は自分もクラスの一員として、全く縮こまらず、楽しみながらコミュニケーションを取れるようになりました。
これは、日本人というマイノリティの立場ながら周囲に積極的に向かい合い、知ろうとし続けることに全力を注いだからこそ得られた結果だと思います。

これらの経験を通じて、「多様性」を考えるということは、属性だけではなく、個々人の考えまで踏み込み、一人一人と向き合って理解し、尊重することだと、腹の底から理解することができました。

この感覚を身に染み込ませられたことが、自分のMBAの成果だと思います。

過去の3セメスター中2セメスターで、「コアバリュー」なる賞(各セメスター、エモリー大学MBAの定める「コアバリュー」7つに対して相応しいとされる人を投票により選出)をいただきました。一回目は「勇気」、二回目は「多様性」でした。

自分がこのような賞に相応しいかどうかは自信が全くないのですが、MBAを通じて、周囲の人に「勇気」を持って真剣にコミュニケーションを取り、尊重していくという「多様性」を、自分の軸とすることができたと思います。

ぜひ今後留学される方も、目一杯いろんなことを経験していろいろ感じてくださいね。
それでは!


ヤッシー

2015年4月25日土曜日

米国での起業体験!

Class of 2015のMATです。帰国まで既に1ヶ月を切ってしまいました。家族とこんなに長い時間を一緒に過ごせたこと、改めていろんな事を勉強し直すことが出来たこと、学校生活にそれ以外でもたくさんの人と知り合う機会ができて本当に貴重な2年間となりました。アトランタをもうすぐ離れるのが寂しい限りです。

私の最後のブログは米国での起業体験について触れたいと思います。
アントレにご感心のある方は是非お読み下さい。


ここ米国は(もちろん地域差はありますが、)優秀な学生は就職はせず起業をするものだという風潮が大なり小なりあります。また優秀な学生云々に関係なく、本当にたくさんの起業家がいます。そしてその人達に投資をする投資家もたくさんいます。アトランタも例外ではありません。


さてでは何故このMBAの2年間で起業に取り組む意義があるのかという質問への答えとしては以下を強調したいと思います。

  • ビジネススクールで学んだことすべてを実際の社会で試す非常によい機会
  • GBSにいる間だからこそ活用できるたくさんのリソース
  • ビジネスをサポートしてくれる温かい友人がたくさんいる


1. ビジネスの思いつき

車を乗るのは好きで学生の頃は頻繁に走りに行っていましたが、メカに関する関心はゼロ、整備はディーラー任せ、そんな状況でここアトランタで一度車の診断に行った時のこと。

修理工A:タイヤ3本すり減ってもう換えなきゃいけないしタイミングベルトも換えていないでしょ?もしベルト切れたらエンジンが相当傷んで修理費もっとかかっちゃうよ

MAT:全部でいくらくらいしますか?

修理工A:全部で$2,000以上は覚悟して下さい。

MAT:U・S・O?









あまりの価格に驚き、でも価格感のまったくない私は家に帰って市場価格を調べることに。Google検索をしていると色んな価格が飛び込んでくる飛び込んでくる。

うちの車はRV車とはいえBridgestoneとかMichelinを選ばなければ1本$100から$150で十分買えること、タイミングベルトの交換も$700から$800くらいでできることを勉強。
”ということは高めに見積もってもせいぜい$1,200くらいが適正な価格ということか・・・。”

更に$700という高額サービスに疑念をもった私は検索を続けて、タイミングベルトの原価を調べました。するとそれは$100から$150でうちのCRV向けベルトは手に入ることが発覚しました。
”$700のサービスって殆ど労務費やんけ。日給どれだけやねん!?”

そこで私は考えました。

”この労務費をカットできれば格段に価格が下げられるはず”
”独立系のメカニックは労務費にフレキシブルで大手チェーンが提示できないプライスでも仕事を受けるに違いない”
”これをリバースオークションでドライバーが多くのメカニックにビッドできれば、仕事を受けたいメカニックと安くサービスを受けたいドライバーの双方のニーズを繋げられるのではないか”

という簡単な思いつきでちょっと新しいビジネスをやってみようと思ったのが1年前です。


2. どのように始めるか?

一般的に、新規事業を考えるにあたっては、顧客ニーズが何でどんな価値(Value Propositionといいいます)が彼らにあって云々からビジネスモデルを構築してゆき、それがビジネスとしてメイクセンスするのかを、想定するターゲット市場規模を踏まえてFinancial Planを構築するというのが大まかな流れだと思います。

ビジネスアイディアを様々な観点、ステークホルダーからの視点で深く考えるための便利なツールとしてCanvasというのが一般的に使われているようです。
以下はその事例ですが、興味があればご覧ください。
https://strategicvalueofdesign.files.wordpress.com/2012/03/business-model-canvas.png

そのアイディアがウケるのかウケないのか、実行可能なのかどうかという最終的な部分はやってみないとわからない部分も多々あると思いますが、GBSの一員でいることで非常に多くのリソースをアイディアの具体化、精緻化に役立てることが出来ます。

例えば、、、

  • 本来はお金を払わないと入手できないようなマーケットレポート、新聞雑誌記事検索、Dow Jones ReportなどがGBSの生徒ならば利用が可能
  • アントレの教授に対してプレゼンを行ったり意見を求めることが非常に容易
  • 意見を求めれば関心を以って耳を傾け意見をしてくれる数多くの同級生
  • 友達がアプリの開発をやっている、会社設立の経験がある、等々の有益な情報を、我々の役に立つのではと紹介をしてくれるスモールコミュニティーならではのネットワーク

またマーケティング戦略を考えてゆく上では、1年生の春学期に履修をしたGMSCでの経験が生きました。
GMSCでは、市場調査をする際に、対象となりそうな母集団を集めてインタビューを行ったり(Focus Group Interview)、アンケートや戸別訪問をして定量・定性分析(Quantitative Analysis/Qualitative Analysis)を行ったり、それを踏まえて顧客のターゲティングを行ったわけですが、今回まさに同じステップを踏むことで自分たちのビジネスのブラッシュアップに役立てることが出来ました。

したがって、ビジネススクールで1年生時に学んだことすべてを実際の自分のビジネスに応用するという貴重な機会を得ました。
ケースと違って答えらしきものもなければ情報量も圧倒的に異なる実際のビジネスなので学んだことの総仕上げとして本当に最適でした。


3. 我々に足りないもの?

途中具体的なマーケティングツールの話になったときに、想定している顧客ターゲットを考えても安価なマーケティングツールとして携帯アプリは必須であろうということで、決済機能を載せた携帯アプリを開発するべきだという結論になりました。

しかし、私と相棒両名にはそれらの分野に関する知識を著しく欠いていたので、何をどうしてよいのか途方に暮れました。しかし我々は直接にはそれら知識を持ち合わせていなくても、それらに精通している友人をもっていたり、精通している友人を持っている友人をもったいたり、ここでもGBSのスモールコミュニティーを活かした人脈の近密さが生きました。

”誰々が既にアプリを開発しているから聞いてみたらいいよ”
”Fivirr経由でプログラミングを安価に依頼できるらしいよ”
”コンピューターサイエンスの修士を持った友人が起業しているから話を聞いてみる?”
等々、いろいろなサポートを得ることが出来ました。

最終的には、事業の開始時点では、ビジネスモデルの微修正も今後必要であるかもしれず、現段階でどのようなスペックのアプリに必要で、いくら今の段階で投資をするべきか判断ができないということから、まずはマニュアルで事業をスタートさせ(Prototype Stage)、ビジネスが軌道に乗ったところでアプリを開発して大規模に拡大する(Expansion Stage)という2段階の展開を見据えることにしました。

しかし、様々なネットワークを駆使して情報を収集できているので、今後実際のアプリを開発することとなった場合にはその知識と人脈を活かして実行するのみという状況まで到達出来ました。

もしGBSでアントレを志向するのであれば、アントレに興味を持ってそうな同級生を何人か見つけ、何かにつけ捕まえて議論を行いフィードバックをもらうことをオススメします。
こちらから話をすれば彼らが持っているリソースを惜しみなく紹介をしてくれますので、自分だけでは到達できない、到達するのに非常に時間のかかることを非常に効率的に取り組むことが出来ます。


4. ビジネスのローンチ

Prototypeビジネスを開始するときが迫ってきました。
しかし我々のビジネスプラットフォームに参加をしてくれるメカニックを相応に確保しないといくら利用者が現れてもまったくワークしないので、まずはメカニックの確保をすることに。
しかし最初の一歩として、顧客がほんとうにいるのかわからない状態でメカニックが関心を示してくれるのかという現実的な見方から、メカニックに対するアプローチの仕方を検討した際にもクラスメートの力は本当に偉大でした。

我々はまずはクラスメートにメールでビジネス概要を送り、我々のプラットフォームを使って協力をしてもよい人はいませんかと協力者を募ったところ、直ぐに10件以上の申し出がありました。
2年生180人程度に対して10名以上の協力者が現れてくれたというのは大きなサポートになりました。

いまはまさにこの確定的なニーズがあることを示しながらメカニックにプラットフォームへの参加を促している最中です。
来週の今頃は一定数のメカニックが出揃って、初めてのリバースオークションを実行できるのではと期待しています。


5. 道半ば・・・

せっかくビジネスとして回り出すというこのタイミングで、私は残念ながらこの5月11日で卒業を迎えてしまいます。
今後は完全コミットという形での参画は非常に困難でしょう。
しかし幸いにもアトランタでコンサルティングファームに就職が決まっている人間が是非一緒に加わらせてくれないかとつい先日も言ってきたり、私の遺産・意思を引き継いてこのビジネスを継続してくれることになりそうです。
この1年弱、ビジネスアイディアの策定から実際の会社設立、事業の開始まで一連の起業プロセスをやってみましたが、感想としては、”起業って意外に簡単なんだな”という感想を得ました。
しかし仮にこれを日本で行おうと思った際には言葉の面は楽でも違った苦しみを味わったと思います。
やはり多くのクラスメート、教授、大学のリソースに囲まれて起業に専念できるという素晴らしい環境は、MBAの2年間を置いて他にはないと断言できます。

したがって、もしGBSに進学をされることとなった場合、アントレに興味が少しでもあるのであれば是非起業をすることをオススメします。
本当にいろいろなことを勉強することができます。


では皆さん、ゴイズエタビジネススクールを今後ともよろしくお願いします。


2015年4月13日月曜日

ゴイズエタMBAでファイナンスを学んだ2年間を振り返る


Class of 2015のマーシーです。5月には卒業し2年間のプログラムに幕を閉じることとなるので寂しい限りですね。私は銀行からの企業派遣でMBA留学しており、思えば2年間ファイナンスの学習に多くの時間を費やしました。以下自分の留学経験からファイナンス学習に役立ったことをつらつらと書いてみました。


MBAの授業で学ぶ
授業は非常に実践的でした。このプロジェクト投資する?この買収やめとく?どんな条件ならやる?みたいな具体的な内容を想定してNPVやIRRと言ったファイナンス指標を計算し、各種リスクを想定して最終的な結論を導く訓練をします。昔若い頃証券アナリストの勉強とかしてましたが、教科書的な内容を暗記するので単調な学習になりがちなのと、どうしても実践性に欠けてしまうところがありました。しかしMBAでは必要最小限のコンセプトを頭に入れた後は、ケーススタディで具体的なシーンを想定して回答を導きます。実際には必要となる情報が十分に揃っていないケースもありますが、そうした場合も情報が手に入るまで待つのではなくて、合理的な前提条件を自分で設定して、とにかく自分なりの回答を導くように指導されました。そして経営層に意思決定させるため、ペーパーやプレゼンで説得力のある説明をするトレーニングを繰り返し行います。

金融の本場アメリカなので資料や教科書類は充実。教えてくれる教授は著名な実績を残した元バンカーや有名なリサーチャー。チームを組むのは投資銀行やファンドへの転職を目指して世界から集まった学生。と、とにかく実践的なファイナンスを学ぶには非常に有意義な環境が揃っています。私自身銀行での投資や融資の経験を通じてファイナンスに関する一定の知識もあったので、MBAプログラム開始当初はファイナンスをある程度やったらストラテジーやマーケティングを学ぼうと思っていたのですが、この環境で学べることが多く、気付いたらすっかりファイナンス漬けになっていました。

ゴイズエタだとやはりオススメはInvestment Banking、Advanced Corporate Finance、Project Financeでしょうか。また、Global Macroeconomics PerspectivesやManagerial Accountingなど経済や会計などファイナンス周辺科目から学ぶことも多く、留学前と比べ幅広い視点でビジネスを分析することができているのではないかと思っています。


授業の外で学ぶ
さて、授業で学ぶことは実ビジネスにおいて重要な知識なのですが、実際のビジネスではケーススタデイのようにすでに必要なデータがきれいな状態で揃っているなんてことはありません。専門的なデータベースで情報を集めたり、集めた情報を使ってエクセルでモデリングやセンシティビティ分析をすることが必要とされます。エクセルの分析を行う中で、追加での情報収集が必要であることに気付いたり、そもそもプロジェクトが没になったりして、敢え無く 分析結果がお蔵行きとなるケースも少なくなく、収集するデータの量と比べると、実際に社内外の資料として使われる情報や分析結果というのは非常に少ないものになります。言い換えれば、いかにして効率的に情報を収集し、素早く分析を行うかが重要となり、また、こうしたスキルが上司や顧客に対する提案能力の一部を成すこととなります。

ゴイズエタでは、専用端末でBloombergを利用する以外に、FactSetやThomson One、Factivaなど金融関連の情報データベースが個人のノートPCで使えるようになっており、プロフェッショナルデータベースでの情報収集を訓練することも可能です。ほしい情報が見つからない場合や使ったことのないデータベースでの検索がうまくいかない場合はデータベースに精通したライブラリアンによるサポートを受けることもでき、マンツーマンで懇切丁寧に教えてくれます。情報過多の時代にあって一層情報収集能力の重要性が高まる中で、信頼できるデータソースから効率的に情報を集める能力を磨くことが重要なスキルアップになります。

その他には、Wall Streetで勤務経験のある元投資銀行マンがファイナンシャルモデリングについて教えてくれるTraining The Streetのワークショップがビジネススクールの学生を対象として毎年2~3回開催されており、ValuationやLBO/M&A分析をエクセルで素早く行う能力を身につけるトレーニングを受けられます。MBAの授業は確かに有用なのですが、授業と実ビジネスを橋渡しするこうしたスキルを磨くことで、ビジネスに復帰した際に学んだことをスムーズに発揮する助けになるのではないかと思います。


実践で磨く
具体的な知識やスキルが身についてくれば後は実践的な場面に出てアウトプットしていくことが重要です。1つの方法としてはレクチャー形式の授業から離れ、実際に自分で手を動かして自主研究を行うDirected Study(またの名をIndependent Study)があります。Directed Studyはファイナンスに限られたものではありませんが、担当教授にお願いしてセメスターを通じて特定のテーマについてリサーチを行うものであり、私は米国の電力自由化地域における卸売市場の動向や発電事業の収益性についてリサーチを行いました。関連文献のレビューや業界プロフェッショナルへのヒアリング、ファイナンスモデルでの分析など、今までの知識やスキルを総動員してリサーチに当たります。ファイナンスを切り口にしてこうした今現在起こっているテーマに取り組めることも非常に有意義でした。

またDirected Studyの他にはケースコンペティションも重要な腕試しの場となります。ベンチャーキャピタリストに扮して実際の起業家に対してデューデリジェンスを行い、投資提案や条件交渉を行うVenture Capital Investment CompetitionやM&Aやスピンオフ、株主還元など様々な選択肢を考慮して最適な財務戦略を経営層に提案するInvestment Banking Competitionなど様々な内容でケースコンペティションが開催されています。ファイナンスやモデリングの知識が一層鍛えられることは言うまでもありませんが、限られた時間内で効率的に進めていく必要があるため、リーダーシップやチームワークと言ったスキルも重要となります。また現在活躍中の実務者からフィードバックが得られるため、授業とは異なる視点で自分を見つめ直す良い機会になったと思います。


以上長くなりましたが、2年間のファイナンス学習について書いてみました。読者の方の参考になれば幸いです。私はもうすぐ卒業してしまいますが、これからもゴイズエタの日本人会は益々の発展を遂げていくものと思いますので、今後ともよろしくお願いします。


マーシー

2015年4月6日月曜日

South Africa MSM 2015




受験生の皆様、こんにちは!Class of 2015GBSで唯一の日本人女子さやです

 

日本ではもう葉桜の季節だときいておりますが、いかがお過ごしでしょうか

早いもので、今回でブログを書かせて頂くのも最後になってしまいました :(

 

そんな最後のブログはGoizuetaの看板プログラムと言っても過言ではない、South Africa MSMについて書かせて頂きたいと思います

 

去年はインドにて3週間の間、現地に滞在し、インドのビジネスについて企業訪問、官庁訪問、ネットワーキングを通じて体系的に、また個別具体的にも学べました

今年も普段女子一人では行けないところに行こう!ということで、南アフリカ共和国に二週間赴き、現地に滞在し、企業訪問を通じて南アフリカのビジネスについて学びました

 

今回の授業の日程では、南アフリカのヨハネスブルグとケープタウンの二箇所を主に訪問しました。想像以上に気候、食事ともによく、リタイアメント層が世界から特にケープタウンに越してくるということを前々から聞いておりましたが、今回の訪問で納得いたしました

 

まずは会社訪問の中でも読者の皆様にお役に立てそうなものをピックアップしてみました


<Ernest & Young/Vodacom社 訪問>




着いて最初の三日間でErnst& Young (EY)社の南アフリカオフィスを訪問し、南アフリカにおいてビジネスをする上で、必要なビジネス上の慣習、およびアフリカビジネスにおいての人材のRetain方法などを学びました。南アフリカのビジネスを推進する上では忍耐が必要だということをNYC,ロンドンから転籍したEY社員は繰り返し強調しておりました。欧米と違って、アフリカ社会は非常にヒエラルキーが強い社会であり、正しいことを伝えるためには役職が高くないと伝わらない、年長でないと話をしてもらえない、またのんびり気質でレスポンスが遅い。などなど様々な問題点を挙げておりました。また、アフリカにおいての今のメインビジネスはMining BusinessTelecommunication Businessですが、どちらも政府による横槍が激しく、賄賂が横行しており、政治的安定が望まれるとのことでした。Mining Businessにおいては誘拐、ストライキによる暴動などの問題もあり、一人当たり年収2500万円程度支払ってやっと欧米からそこそこ優秀な人材をとれるとのことでした。アフリカ自体は人口増加、Mining Businessの将来などポテンシャルはいくつもあるものの、地元の教育機関、政府と連携して、いかに国自体を盛り上げていくかという長期的な視点が非常に重要になってくるとのことでした










<JSE訪問>


私は金融機関からの派遣であるため、ヨハネスブルグ証券取引所への訪問に一番興奮いたしました!

ヨハネスブルグ証券取引所(JSE)IR部長(Chicago Booth MBA)との懇談会/プレゼンテーション、QAにおいては、JSEはアフリカで唯一無二の上場企業のMarket Capを誇るものの、ここのところ、PEファンドによるBuyoutが増加したため、この5年間で

上場企業数が600社から400社に減ってしまったということでした。

 

またアフリカの各国に証券取引所はあるものの、世界のトレンドにあるように取引所の合併はメリットがJSEにとっては少なく(他のアフリカ各国の証券取引所の上場審査が甘い、そもそもマーケット規模が小さく、シナジーが見えにくいなどなど)、まだまだアフリカの証券取引所のM&Aは先ということでした。

 


 











JSEの売りはWorld Economic Forumにおいて上場企業のコンプライアンス遵守指導部門において一位に輝いたことだと言っておりましたが、それはおそらく政治的に不安定な状態がまだまだ続いているため、投資家をRetainするためにもJSEが自ら審査・コンプライアンス指導を厳しく率先垂範していくことが必要だと考えているからです。更にJSEは南アフリカの鉱業の強さからCommodity DerivativesについてChicago Merchantile Exchange と連携して商品の開発、取引に勤しんでおり、そこが他の證券取引所にはない強みだということでした。世界的にコモディティのPI投資・Prop TradeからInvestment Bankが手を引く中で、JSEの強みがどうしたら発揮されるのか聞いてみたものの、明確な回答は得られませんでした。JSEとしては上場企業数を増やすべく、アフリカ中の優良中堅企業を企業訪問するなどして上場へのアプローチを行っているということなので、今後に期待したいと思いました。日本の金融機関としては規制の面、コスト管理の面、人材の確保の面など様々な問題に加えて、拠点を作ったとしても、得られる果実が少ないため、まだ南アフリカに拠点を作る必要性はなさそうだと個人的には感じました。しかしアフリカ全体では、中国の直接投資が進んでおり、事業会社レベルでは日本企業もサポートが必要になります。そういった観点からは、得られる果実が少なくても、拠点を作る必要が後々必要になるかもしれないため、ロンドンのEMEAチームがあれば常に南アフリカの財界人とのネットワーキングをする必要性はあるかと思いました。余談ではありますが、南アフリカにおいて企業がIPOする際には鐘ではなくアフリカの太鼓を鳴らすことが新鮮でした
 






そのあとは一路サファリへ!なんとジープのバッテリーが途中で亡くなり、あやうくライオンに食べられるところでした(大マジです!) ライオンにシマウマ、象にキリンとまさしくライオンキングの世界でした!!
 








そして後半では南アフリカのスラムに赴き、社会貢献活動に勤しみ、マンデラ大統領について多くを学び、アパルトヘイトミュージアムでは悲しい歴史に涙しました。
 






南アフリカには想像以上のダイバーシティがありました。私は南アフリカに赴くまで、知りませんでしたが、南アフリカはインド系移民が世界一多い国であるそうです。人口の8割が黒人、そしてその他が白人、そして少数の中国人移民が暮らしているそうです。

やはり人種差別の問題は根深いものの、人種間でそれをどうにか変えていこうとアメリカよりもオープンに人種差別について語るんだよと現地のみなさんが口を揃えて言っていたことが印象的でした。

 

 

一緒に旅をしたグループは9割が一年生で、初めは知らない人ばかりでしたが、最終的にはLifetime friendsと言えるくらい仲がよくなりました!

国籍はジャマイカ、ベトナム、インド、韓国、中国、ブラジル、アメリカ、日本と多種多様で、人種も宗教もバラバラなグループでしたが、喧嘩一つなく、そして誰もが誰とでも話し、行動するという素晴らしいメンバーに囲まれた旅でした。

 

 

 
 









このダイバーシティこそがGBSの素晴らしさの源だと思います!それを二年間の締めくくりに南アフリカにて再確認できたことに感謝、感謝です!

 

 

実は最初、GBSは私の第一志望校ではありませんでした。

でも結果的に、GBSに来て、今となっては心の底から良かったと思っております

プログラムの緻密さや教授やスタッフの暖かさ、クラスメートやその家族と触れ合い、Soulmateのようになれたことはかけがえのない財産です

 

さてさて、長くなりましたが、ぜひ読者の皆様の未来のMBA生活が実りあるものでありますよう、願っております

またどこかでお会いできることを願い、結びとさせていただきます。

 

さや