米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2010年3月30日火曜日

Communicationの授業



GoizuetaにはMid Semester Moduleとして、

海外を訪れて企業のマネジメントを学んだり、異なる文化を経験できることは以前にこのブログで紹介されています。

今年は初めてJapan Tripも実施されました。(皆さま、お疲れさまでした!)





さて、自分はといいますとその間アトランタに残り、コミュニケーションに関する集中コースを受講しておりました。

題して”Advanced Communication Skills for High Potentials"で、かなりの人数が参加していました。

コースの目的はずばり、「MBA卒業後の1年以内に、自分をできるやつとして周囲に認識させるためにどうすべきか?」です。

あくまでも将来のキャリア設計から考えて、いま自分はどうすべきかという考えが貫かれており、

自らの経験と比較すると非常に興味深い内容でした。このコースの内容をそのまま実践したら大変なことにもなりそうですが





主に語られた内容は、 

・どうやって上司の期待をマネジメントするか 

・如何に組織の中で”自分の仕事”だと他人に認識させるか 

・スムーズな意思決定を図るために、どういった関係者に”Pre-Wiring”すべきか

などなど、個をどうやって表現していくかという事柄です。



特に”Pre-Wiring”(根回しですね。)については、

【自分が提案者である場合】

当然積極的に実施すべき。そうしないと提案が通らず、周囲からの評価もあげられない。

【自分が会議を運営する側の場合】

もしPre-Wiringによってその会議の重要性が落ちてしまう(ex.事前に決まっている)ならば、

会議を運営するという自分の役割を確保するためにもPre-Wiringを制限すべし

といった形で、コース名が物語る通りにどう自己表現するかが最重要とされていました。





などと書いていますが、実際のところGoizuetaの生徒はとても親切なやつが多いです。

いろいろ困ったことがあればもちろん助けてくれます。

だからこそ実際のビジネスの場ではどうなっているのかを知りたいなと感じた授業でした。







さて、まったく話は変わりますが、アトランタも春めいてきました。桜をはじめとしたさまざまな花を日常生活の中で感じられます。

あたたかくもなったので週末には外出を・・・の前に宿題を片付けないといけない今日この頃です。

2010年3月22日月曜日

図書館



授業の予習・復習を何処でするかは、人それぞれで、大別すると、自宅・ビジネススクール・図書館の三つが挙げられると思うが、今回は、私自身が普段利用している図書館を紹介したい。



図書館は大学構内に8ヶ所あり、また図書館内には、間仕切りで各人の机がある自習室、資料を広げて勉強が出来る自習室、大勢で議論が出来る会議室等、各人の用途に合わせた部屋が用意されている。入学当初、色々な場所を自分なりに使用したが、その際、熱心に勉強や議論する学部生と思しき男女を見て、自分は十数年前の学部生時代に、大学の図書館に真面目に通った事なんてなかったなあ、と思ったものだ。



色々と図書館を探索している内に、その雰囲気が他と明らかに違う部屋を見つけ、好奇心にまかせて入って以来、現在までほぼ毎日利用しているのがWilliam L. Matheson Reading Room だ。ここは、所蔵する定期刊行雑誌物を読むための部屋らしいが、多くの学生は私を含め、雑誌を読むというより、専ら自分の勉強をしているようだ。この部屋の特徴は何と言っても静かな事。学生からは全く私語は聞かれず、また耳栓をしながら勉強する学生も多く見られる。先日、部屋奥にあるソファーで、雑誌を読みながら居眠りしてしまった初老の男性からのいびきがうるさい、とその男性を起こしてまで、注意をした学生がいたが、普段の生活で感じる騒々しさとは無縁の静かさだ。ちなみに、このソファーで居眠りをすると、必ず私は体調を悪くするため、あまり座らないようにしている。



また、今まであまり気にも留めなかったが、壁際にアルファベット順で整然と配列された雑誌は日本の刊行物も含め、世界中の雑誌があり、また、その分野も文学・科学・芸術等々非常に幅広い。本当にそんなニーズがあるのだろうか、と不思議にも思ったりするが、集中力が無い時に、私自身もついつい文芸春秋等の雑誌を手に取って読んでしまうので、人種のるつぼのようなこの学校では、案外、どの雑誌も読まれているのかもしれない。



試験前以外、とりわけ、午前中は、この部屋を利用する人はあまりおらず、また、その殆どが座る位置を決めているようだ。そのため、部屋全体の雰囲気に微妙な一体感があり、私もこちらに到着した際には、周囲の人に何となく笑顔で黙礼してから、着席している。冷静に考えれば、少し変な人にも思えるが。



取りとめもない事を書いたが、宿題提出期限を間近に焦った時、授業が良く理解できずに悔しい思いをした時、名案(その殆どは勘違い)を思いついた時、いつもここにいたような気がして、良く考えると自分には非常に重要な存在であり、何となく感慨深い気がする。今度、また余裕のある時にでも、あのソファーに座って、ゆっくりと雑誌を読もうと思う。


2010年3月15日月曜日

仕事選びでの優先順位



MBAに期待することは人それぞれですが、自分の人材市場における価値アップを求めない人はいないでしょう。実際のところ、大半の学生にとっての最大の関心事項は「次にどんなjob opportunityを得るか」。



学生間での話題に上がらない日はないと言っても過言ではありません。今日はこれまでの会話から感じた、仕事選びにおける価値観のcultural differenceについて記してみたいと思います。



��以下は、私が学生との会話で得た印象を主観的にまとめたに過ぎないことを念のため付記しておきます。一般論化するには無理があるのは当然です。・・・が一方で、かなり文化の違いの根本に迫っているような気もしています。





「仕事選びで何が重要か」



●アメリカ



・仕事領域:最優先事項は「どんな領域の仕事か」。日本の大企業でよく見られるjob rotationは、アメリカではあまりポピュラーとはいえないようで、FinanceならFinanceのプロの道を追求していく傾向が強い感じですね。「広くいろいろな経験を通じて成長していきたい」のようなアプローチは、ピンとこないようです。



・サラリー:サラリーは世界共通で大切な要素ですが、特にアメリカ人学生の間でこだわりを感じます。相当シビアに交渉しているようで、日本人社費派遣の自分にはなかなかついていけない世界です。MBAの授業でNegotiationが大切な科目になっているのが理解できる瞬間です。





●ヨーロッパ



・文化的なフィット感:ドイツ・イタリア・フランス人学生が一致して話していたのが、「ヨーロッパではアメリカに比べてlong-spanで就職先を考える傾向が強くて、実際のところ転職率も低い」こと。jobを渡り歩いてサラリーを上げるというよりも、同じ会社でポジションを上げることで責任権限を上げていき結果としてサラリーも上がるというイメージ。なので、"肌に合うかどうか"がとても重要だと。「考え方は日本に近いんじゃない?」とも言われました。



・Life planのベースになれるかどうか:上にも書いたように、会社が人生において占める比重が比較的高めなため、(1)組織として安定している、(2)個人の生活を制約しない、ことが大切な要素のようです。



「アメリカ人は仕事よりも家庭を取る、日本人は家庭よりも仕事を取る」とはwork/life balanceを論じる際に使われる対照図式ですが、彼らはもう少し広い人生に対する個人の価値観を尊重してもらえるかどうかが、job選びのポイントになっていると言います。ひとことでいうとflexibilityでしょうか。



「だって、仕事もちゃんとやりたいし、食事も毎日2時間楽しんで生きたいからね!」という、イタリアの金融が第一志望のボンジョルノな交換留学生は、アメリカと日本では絶対働きたくないんだとか。そりゃそうか。





●インド、中国



・キャリアにハクがつくかどうか:インド、中国人学生の間で驚くほど共通しているのが「数年後にサラリーupのプラス材料になるかどうか」という観点です。BRICsという言葉が生まれてずいぶん経ちますが、現在も経済高成長を続けている両国内では、条件を厳しく設定しなければ、job opportunityも比較的容易く得られるとのこと。そんな中、MBAに投資するのは、将来のキャリアアップのため。国際企業(特にUS company)における実務経験は、たとえ数年でも、人材市場において明確な差別要因になるのだそうです。逆に、競争も激しいので、ポテンシャルやB-school卒業というだけでは、大きな強みにはならないというのもリアルな話です。



economic downturnを受けて、特にVisa取得などのハードルもある留学生には、米国内でのいい仕事探しは厳しい状況が続いているのも事実ですが、それでも追求する価値があるということなのでしょう。







社費派遣組が大半を占める日本人留学生も、人生における優先順位とキャリアのかじ取りを常に考えるべきである点は変わりないはず。



Goizuetaの多様なcommunityは、アンテナ感度を高く持って過ごすことで、人生観を見つめなおすきっかけも与えてくれます。さて、あなたにとっては何が大切?




2010年3月8日月曜日

Around the World at Post Briarcliff



今回は、今年から新たに始まったイベント、”Around the World at Post Briarcliff”について紹介させていただきます。



まず、Post Briarcliff というのは、ビジネススクールの同級生が最も多く住むアパートのうちの一つで、私もここに住んでいます。今回の企画は、それぞれあるテーマを持った部屋を皆で飲んだり踊ったりしながら順々に訪問して楽しむという主旨で、8人がホスト役となって自分の部屋を提供し、それぞれ音楽をかけたり、食べ物や飲み物をサーブしました。



時間帯が夜8時から11時過ぎまでということで、日本人の感覚としては、当然近所迷惑なども考えてしまったり、50人程度の訪問が予想されるということで、部屋が汚れたりという懸念がありましたが、幹事の親しいアメリカ人から直接誘われたのと、イベントの題名からしてインターナショナルの生徒がある程度頑張らないと成り立たないということで、思い切ってホスト役として参加してみました。



我が家のテーマは”Japan”(そのまんまやん)、私はゲストに日本酒をしこたま飲ませるくらいしかアイデアが思いつきません。こんなときに、準備の中心となって活躍してくれるのは、いつものごとく妻です。足を向けて眠れません。今回も、前日から家の中の飾り付けや、ちょっとした食べ物の準備、新聞紙で兜を作る案や割り箸鉄砲を作る案などいろいろと考えてくれました(これらは結局陽の目をみませんでしたが)。



当日は、一年生の奥様SさんとMさん、それに近所に住む台湾人クラスメイトが助っ人に来てくれて、準備は万端。うちは11時からの出番ということで、他の部屋のイベントを偵察に行ったところ、ポーカー台を置いてカジノをやっている部屋や、クラブよろしく皆ノリノリで踊っている部屋などあり、あまりの雰囲気のギャップでうちに来る皆がしらけてしまうのではないかと心配になりました。



蓋を開けてみれば、50人までは行かなかったものの、40人くらいのクラスメイトたちが来てくれて、大盛況。個人的には皆がちゃんと靴を脱いでくれるかどうかが心配でしたが(汗)、皆快く協力してくれました。奥様たちが準備してくれたつまみも大好評で、うちが一番良かったと言ってくれたクラスメイトも何人もいました。



いつもアメリカ人の企画するイベントに乗っかって楽しんでばかり来たので、こういう形で少しでも返せる機会を利用することができて良かったと思います。



卒業、帰国まで残りわずかなので、勉強以外にもこのようなイベントを楽しんで、クラスメイトたちと良い思い出を作って帰りたいと思います。



改めて、ご協力いただいた皆様、本当にどうもありがとうございました。(来年も是非頑張ってくださいね~)





Class of 2010

HT


2010年3月2日火曜日

みんなの応援に感謝

アトランタにあるEmory Univ. MBAには、Mid-semester Moduleというユニークなプログラムがあります。

これは、まさに名前のとおり Semesterの真ん中に受講中の授業とは異なった科目が用意されていて、それぞれ好きなプログラムに参加する事ができます。

海外に行って現地の名所旧跡や企業を訪問して、その国の文化やマネジメントを学ぶプログラムや、アトランタでファイナンスやコミュニケーションのスキルをさらに伸ばすものなど様々なプログラムがあります。



今年のインターナショナルプログラムでは、私は他在校生2人とジャパンツアーたるものを計画しました。

日本の名所や世界的日本企業6社を、帯同の教授を含めて計36名で訪問します。

中にはパスポートすら持っていなかった学生も今回のツアーに参加しています。



そこで、アトランタからこのツアーに向けて出発するほんの数日前に在校生のみんなが私たち3人の健闘を祈る壮行会を開いてくれました。

ほとんどの人が Module前にある中間試験の勉強で忙しい中、家族も含めてたくさん参加してくれました。

応援してくれてありがとうという気持ちと、Emory MBAを選ぶ1つの大きな要因であった Small Communityという特長が本当に身にしみて感じる事ができた1日でした。



家族の方も含めて、みんなありがとう。

明日からツアーが始まりますが、がんばって参加者全員を日本ファンにしてみます!