米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2015年5月27日水曜日

Operation Consultancy

みなさん、こんにちは。Class of 2016Akiraです。

我々在校生は4月末で2015 Springセメスターが終了し、3か月にも及ぶ長い夏休みに突入しました。インターンや旅行等、使い方は人ぞれぞれですが、人生においてこんなに貴重な3か月間はないと思うので、留学を目指される皆様も勉強の合間にこの3か月間のプランについて考えてみると良い息抜きになるかもしれません。

さて、今回私の方からは、Operation Consultancy という授業について紹介させて頂きたいと思います。Operation Consultancy1年生のSpringセメスターの必修科目であるMP Electivesと呼ばれるプロジェクト型の授業群の一つです。ちなみに、前回ブログでいっこーが紹介した当校の看板授業の一つであるGMSCもこのMP Electivesの一つです。

このOperation Consultancyでは、実際の企業クライアントに対して約3か月間に渡り、主にオペレーションの観点からコンサルを行います。クライアント企業はチームによって異なり、私のクライアントは全米展開するDIY用品店でした。クライアントからの依頼事項は、各店舗における従業員による店舗内商品の消費をいかに減少させるかというものでした。クライアントの店舗では従業員が店内清掃や商品ディスプレイの為に、店舗内商品を使用することを許可しているのですが、その金額が年間28百万ドルに上っており、この金額を店舗の効率性を落とさずにいかに減少させるかを検討しました。

プロジェクトにあたっては、過去2年間分の全店舗における全ての店舗内商品消費のデータを受け取り、そのデータ分析を基に、実店舗見学や従業員インタビュー等を行い、解決策を模索しました。

チームはNGO向けコンサル出身のアメリカ人、ITコンサル出身のインド人、損害保険会社出身の韓国人、そして銀行出身の私を含め計4名の構成でしたが、小売りやオペレーション分野での経験がある人間がいなかった為、最初はどのような切り口でプロジェクトを始めたら良いかわからず、苦戦しました。しかし、教授の計らいでコンサルファームからオペレーション関連のコンサル業務に従事するコンサルタントを招き、講義を受ける機会があり、自分たちの問題解決へのアプローチを整理することができました。

また、プロジェクトの過程では、クライアント企業側からタイムリーなレスポンスがもらえなかったり、方向性の違いからメンバー間で険悪な雰囲気になったりと、色々な事がありましたが、担当教授はもちろんのこと、各チームに一人アサインされるTATeaching Assistant)に相談し、サポートしてもらうことで、うまく乗り切ることができました。その結果、最終的にはチーム全員が納得できる形で結論をまとめることができました。

具体的には、①データ分析から一部の店舗内消費商品の季節性を発見し、それら商品の一括発注の提案、②統計的見地から商品消費に改善が必要と思われる店舗を特定し、それら店舗の消費パターンを分析するツールを提供し、さらにそれら店舗への研修実施を提案しました。データが膨大であった為、クライアント社内でもデータの分析が十分にできていなかったようで、我々の分析結果に対して非常に良い反応があり、改善案についても今後詳細に検討してみたいという反応をもらうことができました。


上記通り、私は銀行出身でオペレーション分野の予備知識はコアで受講した授業程度しかありませんでしたが、講義、教授、TA等の手厚いサポートがあり、充実したプロジェクトにすることができました。このようなプロジェクト型授業の機会が全ての学生に用意されていて、さらにそれに対するサポート体制が構築されていることはGBSの魅力の一つかもしれません。


Akira

2015年5月18日月曜日

コンサルティングプロジェクト in MBA(GMSCでの経験)



Class of 2016のいっこーです。

早いもので、アメリカに来て1年が経過しました。もうすぐ(といっても夏季休暇終わりの8月末から)2年生というのが信じられません。

先日の2年生の卒業する様子を見て、アトランタにあるたくさんのopportunityを有効に活用して、残りの一年間を有意義に過ごしていこうと改めて思いました。


さて、前回の投稿でもお伝えしましたが、先学期はGMSCという、実際に企業が抱える経営課題に対してソリューションを提案するという、コンサルティングプロジェクトの授業を受講しました。

GMSCについては過去にも多くの投稿がありますが(Class of 2013タツ, 2014Rocky, 2015Henryなど)、今年も数名の日本人が受講しました。

私がアサインされたプロジェクトは「大手Coffee Provider がB2C マーケットに本格参入するに当たり、最適なマーケティング戦略を提案する」というものでした。
飲料・食料品業界で働いた経験者はいない中で、多少苦戦する部分もありましたが
モチベーションが高く、優秀なチームメイト6名と協力して課題解決に取り組んだこの経験は
大変貴重なものとなりました。


GMSCで得られる知識・経験
GMSCでは、企業の抱える課題に対しての問題設定に始まり、リサーチ手法の検討方法、実際の調査手法、調査したデータの分析、そこから導かれる仮説設定、そしてそれらを伝えるプレゼンテーションと報告書提出と、問題発見から解決に至るまでを通して体験することができます。

理論で「知る」機会は多くても、それを「チームで」「実際の米国大手企業が抱える経営課題を通して」「体験する」機会はすくないので、とてもよい経験になりました。

Projectでは、実際にクライアント企業のHeadquarterを訪問して役員からヒアリングを行ったり、教授・チームメイトの人脈を駆使してインタビューを行うなど、その真剣度は高いです(それら予算は、クライアント企業から支払われます)。

このような経験ができるのは、Fortune500の企業が本拠地を置く米国都市第3位(1位ニューヨーク2位ヒューストン)アトランタにあるEmoryの大きなアドバンテージだと感じます。

また、純ドメの私にとって、ミーティングの中で自分のpresenceを発揮するのに苦戦する場面もありましたが
自分なりにできることを工夫し、多国籍チーム(アメリカ3人、インド2人、コスタリカ1人、日本1人)のアウトプット最大化にどう貢献できるか考えながら実践するというとても貴重な経験をすることができました。

世界的な大手コンサルファームやウォール街、世界的食料品メーカー等でインターンを獲得した
私のチームメイトも「非常によい経験になった」と言っていましたがキャリア志向やバックグラウンド、国籍によらず、何らかのtakeawayを与えてくれるプロジェクトではないかと思います。


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本プロジェクトは3回のプレゼンテーションを行うのですが、最後に行われるコンペティション(アトランタ周辺企業のVice President以上であるExecutiveに行うプレゼン。)後には表彰Ceremonyがあり、私のいるチームは幸運にも「Best Paper Runner-Up」を受賞することができました。









最後に一点、告知です!

6月1日、AGOSで模擬授業が行われます。

Investment Bankingという授業で教鞭をとるProfessor Kevin Crowleyは、実際にウォール街で働いた
元Investment Bankerで、Emoryの人気授業の一つになっています!

まだまだ志望校も決まっていない人も多いと思いますが、
・アメリカのMBAの授業はどんなものなのか考えてみたい方
・勉強の気分転換をしたい方
・MBAの授業で話される英語のスピードを体感してみたい方
などなど、皆さんぜひご参加ください!
https://www.agos.co.jp/onlineservices/modules/agendax/?op=view&id=3767&on=20150601

いっこー

2015年5月11日月曜日

欲しがり続けた2年間―Goizueta MBAを振り返って

みなさんこんにちは。Class of 2015のGucciです。
私がこのブログに投稿する時は毎回こんなことを言っている気がしますが、本当に時間は飛ぶように過ぎるようで、私たちClass of 2015は明日卒業式を迎えます。

初めてアトランタにやってきた時のことが昨日のことのように思われるほどにあっという間の2年間でしたが、じっくりと思い返してみると、私のMBA生活はこれ以上望むことがないほどに幸せなものだったと、胸を張って言えるなという思いに至りました。

今回は、私がこの2年間ですることのできた素晴らしい経験のうちのいくつかを、みなさんに紹介させて頂ければと思います。


1. Japan Tripの企画・運営

このブログの以前の記事のうちのいくつかでも紹介されていますように、毎年春学期のちょうど中間、2月末から3月上旬にかけてMid-Semester Module(MSM)という集中学習期間があります。そこでは学生は海外研修旅行(5種類)とアトランタのキャンパスでの集中講義(5種類)の中から1つを選んで受講するのですが、今回、香港と日本へのトリップが開催され、その企画・運営を私を含む6名の日本人学生が行いました(Class of 2015:MAT、Class of 2016:Akira、Ikko、TE、SH)。

最初の3日間を香港で過ごした後、9日間を日本で過ごしました。4都市(東京、名古屋、京都、広島)を訪れ、いくつかの企業への訪問も行いました(ソニー、コカコーラジャパン、ユニクロ、トヨタ)が、外国人のクラスメイトたちに日本を紹介するという経験は非常に貴重なものでした。彼らの新鮮な驚きや感動から、自分の母国についてたくさんの新たな発見をすることもできました。

私がこのトリップの企画・運営に携わって最もよかったと思うことは、たくさんのクラスメイトと本当に強い絆を築くことができたことです。教授1名、日本人6名を含む総勢49名で行われたこのトリップは今年のInternational MSMの中で最も大所帯で、その企画・運営は多くの調整を要し決して簡単なものではありませんでしたが、約2週間を共に過ごし、参加者全員がかけがえのない仲間になりました。

日本(人)のプレゼンスを高める、日本(人)のファンを増やすというのはビジネススクールに入った当初から私がやりたいと思ってきたことで、このトリップ以外でも様々な形で自分なりに努力をしてきましたが、今回、たくさんの参加者が「I love Japan!」「今までで最高の旅だ」「一生ものの旅をありがとう」と言ってくれ、この目標は達成できたのかなと思っています。

以前の記事にもありますが、このところJapan Tripは1年おきに行われており、毎回日本人学生が企画・運営を担当しています(このようなMSMはJapan Tripのみで、他はほとんど教授主導で行われます)。本当に素晴らしい経験になりますので、みなさんもGoizuetaに入学されましたら是非Japan Tripに携わって頂ければと思います。

広島・宮島の旅館にて

なお、昨日卒業イベントの1つである祝賀・表彰セレモニーが行われましたが、その場で、Class of 2015のJapan Trip企画・運営メンバーであるMATと私が、おそらくこのトリップの件が評価されたのか、「International Ambassador Award」という賞を頂くことができました。
また、Japan Tripには携わっていませんでしたが、GBS日本人紅一点のさやも同じ賞を受け取っており、日本人のプログラムに対する貢献が認められていることを非常に誇らしく思いました。



2. GMSCでの経験(履修時/Leadership Team)

こちらもこのブログで今まで何度も紹介されていますが、GMSCとはGoizueta Marketing Strategy Consultancyの頭文字を取ったもので、コカコーラやGEを始めとする名だたる実際の企業に対し、マーケティング戦略上のコンサルティングをMBA学生のチームが提供するというものです。

こちらの記事でも書きましたが、私は1年目の春学期にこの授業を履修しました。非常にインテンシブで多くの時間を割かなくてはならず大変でしたが、チームメイトに恵まれ、多くの学びとアメリカの有名企業と共にプロジェクトに取り組むという貴重な経験に加え、最後に行われるプレゼンテーションコンペで最優秀賞を獲得することができました。

2014年 GMSCプレゼン最優秀賞受賞後、チームメイトと

GMSCは1年目にこれを履修した2年生MBA学生からなるLeadership Team(LT)にて運営されています(もちろん教授はFaculty Adviserとしており、授業を行います)。私は、素晴らしい経験をさせてもらったことに対して何かお返しをしたい、また、授業とは異なる文脈で国際的なメンバーとともに何かを作り上げるという経験をしたい(最後のプレゼンコンペは、学校行事の枠を超えた、とてもプロフェッショナルな雰囲気を持っています)という思いから、今年のLTへの参加を志望し、幸運にもメンバーとなることができました。

LTでの仕事は、想像した以上に量が多く、またミーティングでの議論も内容がアカデミックなものではないためテンポが速いなど、思ったよりもずっと負荷の高いものでしたが、5月7日(木)に無事今年のプレゼンコンペを終えることができ、チームメイトたちと成功を祝いました。LTメンバーであったことによって、1年生を中心とした今年の履修者との親睦をより深めることもできました。

Goizuetaの看板授業に2年間を通して携わる機会を得られたことで、意識も能力も高い人たちとともに国際的な環境で共に働くということについて、量的にも質的にもこれ以上ないほどに学ぶことができました。

2015年 GMSCプレゼンコンペ終了後、LTメンバーと


3. 2年間通算での成績優秀者への選出

昨日の卒業祝賀・表彰セレモニーにて、2年間通算での成績優秀者(学年の上位20%)として表彰して頂くことができました。成績優秀者に選出されると、世界中のビジネス関連の大学・大学院の成績優秀者および博士課程修了者の協会である、Beta Gamma Sigmaへの入会を招待されます。Beta Gamma Sigmaについては、Wikipediaで簡潔にわかりやすく紹介されています。
 

私は、渡米してきた当初から、せっかく海外留学しているのだから、勉強だけして時間を過ごすのではなく、もっと幅広い経験をしたいと思い、様々なパーティーなどのイベントを始め、できるだけ多くのことに首を突っ込むことを心掛けてきました。上で述べた2つの活動もその例に含まれるかと思います。

とはいえ、勉強もMBA留学の目的の1つであることには間違いないので、勉強もおろそかにすることのないよう、自分なりにできる限り高いパフォーマンスを目指し頑張ってきました。いわゆる「Study hard, play hard」の実践を心掛けたと言ってもいいかも知れません。両方を一生懸命やろうとしたときに時間が足りず寝不足に陥るなど、苦しいときもありました。

この選出は全く期待も想定もしていなかったので、非常に嬉しい驚きでした。また、先程述べたような姿勢で取り組んだ結果のことなので、私にとってはより価値あるものになりました。



改めて、私のMBA生活は、最高に幸せな2年間でした。もちろん辛い思いをしたり悩んだりすることもありましたが(主に英語力について)、いつも後には素晴らしいことが待っていました。私は、自分がこのような経験ができたのは、頑張っている人を認めサポートする雰囲気のあるGoizuetaの環境と、そこで出会った最高の仲間に恵まれたからというのがもっとも大きな要因に他ならないと確信し、心から感謝しています。

ただ、もし何か1つ、私がしたことでこのような経験に結び付いたものがあるとすれば、それは「欲しがり続けた」ということです。
母国語の通じない、異国の地での生活で、守りに入りたくなることはたくさんあります。そこで私が心掛けたのは、「2年間というこの限られた時間の中で、できるだけのことを得たい」という気持ちを常に持ち続けるようにするということです。「あれも欲しい、これも欲しい」と欲張ることによって、自らをComfort Zoneから一歩踏み出させていたように思います。


今MBA留学を考えている方、それに向けて準備を頑張っている方には、是非Goizuetaをあなたの選択肢に入れて頂ければと思います。Goizuetaには、あなたの夢や目標を実現するための、最高の環境があります。
英語がうまく使えなくても、海外に住んだことがなくても全く問題ありません。必要なのは、行動を起こすことだけです。あなたが行動を起こせば、周りは必ずサポートしてくれます。それがGoizuetaが誇るコミュニティーです。

私が在校生としてこのブログに投稿するのは今回が最後になります。私の投稿はいつも長くなりがちでしたが(今回は特に長いですね。。。)、最後まで読んで頂きありがとうございました。

Goizueta Business SchoolとGBS日本人コミュニティーの今後の益々の発展を心より祈ります。


最高の2年間に感謝を込めて

Class of 2015
Gucci