米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2023年8月21日月曜日

Goizueta Advanced Leadership Academyについて

皆さん、こんにちは。Class of 2023のA.K.です。

今回は、わたしが2年生のSpring semesterに参加したGoizueta Advanced Leadership Academy(略称GALA。動画はこちら。)について、ご紹介したいと思います。

日本人でこのプログラムに参加したのは、わたしがおそらく歴代2人目というレアケースですが、とても貴重な、充実したプログラムなので、今後もっと参加者が増えてほしいなという想いも込めて、書きたいと思います。

(1人目のco2020のKeiさんの体験談はこちらです。GBSのリーダーシッププログラムの全体像もわかるので、是非ご参照ください。→http://goizueta-japan.blogspot.com/2020/03/goizueta.html)



GALAは、リーダーシップをより高いレベルへ引き上げるための実践プログラムです。セミナー、ゲストスピーカー、コーチング、英領ヴァージン諸島でのセーリングトリップを織り交ぜた充実したカリキュラムとなっています。

MBAで自分のリーダーシップを最大限に伸ばしたい、ここでしか出来ない強烈な経験をしたい、と考えている方には、GALAはおすすめのプログラムです。


 概要は、以下の通りです。

・例年、Spring semesterに開講。取得可能単位は、1単位。(2yearの場合、2年生のSpring semesterに受講可。)

・定員は、約20名。エッセイで事前に選抜されます。

・週1コマの授業 および ヨットに乗り込み洋上での1週間のチームワーク(3月上旬のSpring break中に実施) で構成されます。

・授業では、セーリングの基礎知識を学ぶセミナー、チームビルディングのためのワーク、ゲストスピーカーの講義が行われます。授業外では、プロのコーチによるリーダーシップを高めるためのコーチングを受けることができます。

・セーリングトリップでは、アサインされた生徒5-6名 + 教授/スタッフ/アラムナイ1名 + インストラクター1名でヨットに乗り込み、ヴァージン諸島にて、1週間セーリング(エンジンは使わず風の力で)します。

・トリップ中は、毎日課題(日々難易度が上がり、とてもやり応えがあります)が出題され、4つのヨット間で競い合います。

・一日の流れは、6時頃起床、6時半頃朝食、8-15時が課題、15-16時がアクションレビュー(反省会)、その後フリータイム、18時頃夕食、夕食前後に次の日の課題が出題され、夕食後に作戦会議、22時頃就寝、という流れです。

・船長、操縦士、ナビゲーター、エンジニア、コック、という役割を日々ローテーションさせて、全員が全役職を経験します。食事はすべてヨットの中で作って食べます。夜は沖に錨を下ろして船で寝るので、下船することはありません。(厳密にいうと、一晩だけGALA参加者全員でディナーをする日があるので、その時だけは下船します。)



わたしは、このGALAに、“グローバルかつ様々なバックグラウンドを持つメンバーで構成されるチームを率いるリーダーシップ力を身につけたい”、どんな環境下で、どんな人とチームになっても、自分らしくチームに貢献できるという自信をつけたい”MBA2年間での自分の成長を実感し、より高みへと引き上げたいという目的をもって参加し、結果的に、これらの目的に適う経験や、それ以上のかけがえのない経験ができたので、本当に参加してよかったと感じています。

もともとGBS入学前からGALAには興味を持っていて参加したいと思っていましたが、入学後のOnboarding中に行われるThe Leaders Reaction Course(略称LRC)という米軍基地での体験型リーダーシッププログラムで、リーダーシップを取る以前に全くチームに貢献できない無力な自分に非常にショックを受け、MBA生活の出だしは本当に悪夢のようで、当時は、こんなわたしがGALAになんて本当に参加できるのか”と不安になりました。その一方で、こんな自分がMBAでいかに成長できたのかを最も実感できるのはGALAに違いない、と改めてGALAへの参加を強く決意し、その後のMBA生活で自分なりのチャレンジをしていたように思います。

 

それでは、ここからは、わたしがGALAに参加してよかったと思う理由(どんな経験ができたのか、何を得られたのか、等)、をご紹介します。


◎毎日、目覚めてから眠りにつくまで、とにかく学びの宝庫。

ミッション前夜のチームミーティング(翌日の行動計画を立てます)、当日の計画実行(トラブル対処)、ミッション後のアクションレビューまで、リーダーシップに関しても、チームワーキングに関しても、学ぶことばかりです。エンジンなしでの航海で、自然をもろに相手にしているので、計画通りに実行できた日はまずありませんでした。

たとえば、特に興味深かったのは、チームをシャッフルする日があったのですが、そこで他チームのメンバーとワークすると、チーム毎にチームワークのスタイルが全く異なっていて、それがチームの結果にも作用していることを知りました。わたしのチームはほぼ毎日1位を取っていた常勝チームだったので、チームワークが上手く機能している自負はありましたが、他のチームの話を聞くとそれぞれにスタイルが異なり、チームの不和が生まれたり、個々の能力は高いのに上手く結果が出ないチームになっていたりして、チームワークが上手く機能する形と機能しない形を目の当たりにすることができました。

 

◎充実度の高いアクションレビュー

毎日のミッション後、1時間程アクションレビューをします。ここでは、ヨットの上で起こった出来事の反省はもちろんのこと、実ビジネスの世界にも展開して議論します。ヨットの上で起こる様々なトラブルやその対処については、意外にも実ビジネスにも類似するものが多く非常に感心しましたし、GBSがリーダーシップ教育にGALAを織り込んでいる理由がよくわかりました。

もちろん個人へのフィードバックも、チームメンバー、教授、インストラクターから毎日受けることができます。ヨットという狭い空間でのチームワークであり、お互いを高めるために行う本気のフィードバックなので、本当に有難いです。そんなところまで見ていてくれたんだ”と感激してしまうようなコメントをもらうこともあり、思わず涙したこともありました。

 

◎自分が目指したいリーダーシップ像の具体的なビジョンを持つことができた

  これは素晴らしいチームメイトに恵まれたおかげです。わたしのチームメイトは皆、それぞれに尊敬すべきところを持っていたのですが、中でもあるチームメイトが本当に素晴らしいリーダーシップを発揮していて、“私が目指したいリーダーシップはまさにこれだ!”と明確なビジョンを持つことができました。これはわたしにとって、とても大きな収穫でした。

 

◎カリブ海をヨットで航海するという特別な経験

  最後は、なんといっても、ヨットでのカリブ海の航海を、異国のメンバーに囲まれながら行うという特別な経験です。英領ヴァージン諸島は、米国人にとっては割とポピュラーなハネムーン先ですが、日本からわざわざ訪れない場所かと思います。そんな場所をヨットで航海する、なんていうのは、とても貴重な機会ではないでしょうか。加えて、わたしにとっては異国の人と1週間寝食を共にするというだけでも非常にドキドキで、不安もありましたが、日々互いの成長を感じ、リスペクトしあい、語り合ったり、笑い合ったり、満天の星空を一緒に見上げた時間は、一生忘れないだろうと思います。ヨットでシャワーが浴びられず、海に飛び込んでお風呂がわりにしたのもいい思い出です。

  また、そんな特別な経験を一緒にできたチームメイトも特別な存在です。卒業式の日に、チームメイトが手紙を書いてきてくれていて、心が通じていたことが改めてわかって、とても嬉しかったです。



ぜひ皆さんにも実際に経験して感じていただきたいので、敢えて具体的なことはあまり書きませんでしたが、GALAの魅力は伝わりましたでしょうか?

GBSのLeadership programやGALAに興味を持ってくださる方がいたら、ぜひGBSに来て、参加していただけると嬉しいです。 

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