米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2012年3月31日土曜日

大人の社会見学

こんにちは。Class of 2013のKoです。

今日、Class of 2013の日本人4人+その奥さん2人の計6人で、アトランタにあるビールメーカー SweetWater Brewing Companyに見学に行ってきました







SweetWaterとは、アトランタに本社を置くビールメーカーで、アメリカ南部では有名でどこの酒屋にもおいてあります。いわゆる、アトランタの地ビールというやつです。Emory大学から車で10分程度の距離に、工場併設の本社があります。



金曜の夕方5時半にここを訪れました。「金曜夕方に工場見学に来るやつなんていないだろう」なんて言いながら、6人でダラダラと入口に向かうと、何とそこには長蛇の列が。しかも、アメリカらしいロックな感じの生バンドがお出迎えしています



単純な私は、これで結構テンションがあがりました。受付で10ドル支払うと、大きめなグラスと6枚のチケットを渡され、「このチケットを使って6杯飲んでいいわよ!」と言われました。10ドル6杯、これはお得だと思って中に入ると、中は相当な込み具合です。下の写真の先に係員がいて、チケットを使って好きな種類のビールをオーダーできます。







アメリカ人のクラスメート達は 年がら年中 Tシャツ・短パン・サンダルで、正直その斬新な服装センスに度肝を抜かれることもしばしばなのですが、この会場にいた人たちは少し雰囲気が違います。色鮮やかなワンピースを着た美しい女性や、プレスの効いたYシャツを着こなすビジネスマン風の男性もちらほらいて、ここはちょっと小粋なバーのような感じでした。



そうこうしている間に、いつの間にか奥の方で工場見学ツアーが始まりました。ビール片手にツアーに参加すると、案内係のお姉さんもしっかりビールを飲んでます…。まぁ楽しそうだからいいか。



  



工場見学、楽しみにしていたのですが、ツアーのほとんどは案内係の人の一人喋りで、ラインはほとんど見せてもらえませんでした。案内係のトーク30分、ライン見学5分程度。う~ん、まぁいいか。



この頃から徐々に気づきはじめたのですが、入場時に渡されたグラスが、実はかなり大きい。アメリカでは、食事から綿棒まで 何もかもが大量で大きいので、一見してその大きさに気づきにくいのですが、後で「何かこれ、デカくないか?」と思うことがよくあります。今回のグラスもまさにそれです。ビール券6枚もらいましたが、結局3枚しか消費できませんでした。無念です







土産ショップも併設されていて、なかなか楽しめる場所でした。新鮮なビールもおいしかったです。来週は柿ピー持参で来ようかな~、なんて言いながら、ほろ酔いで勉強の疲れを忘れたひと時でした





Ko

Class of 2013


2012年3月28日水曜日

India Trip (Mid Semester Module)

こんにちは。日本ではチラホラ桜が咲き始めて心躍る季節と思いますが、皆さんはいかがおすごしでしょうか。アトランタでは春が終わり、もはや夏です。タイムゾーンの西側ということもありますが、8時頃まで明るいです。春を満喫する暇はなかったです、残念。



さて、今回はMid Semester Moduleという授業の中のIndia Tripについてご紹介します。Goizuetaでは3月頭から中旬にかけて、Spring Breakで春休みとなりますが、その間完全に休みという訳ではなく、Mid Semester Moduleという必修授業があります。このModuleはいくらかの科目を提供しており、各々興味に沿って選択する形になっています。私はその中のIndia Tripという授業を取りましたが、今年は中国、ニカラグア、南アフリカなどもありました。年度によっては欧州、日本などなど随時変更になります。さて、このIndia Tripは17日間に渡ってインドを旅し、インドの経済、文化、哲学を学んで、ほかの国のビジネスがどのような感じか、実地で学ぼうという趣旨で、Goizuetaの目玉授業の一つになっています。総勢34人のメンバが集い、ざっくりですが下記スケジュールでインドを巡りました。



1~8日目:デリー(Taj Mahalなどの観光とCoca Cola India、Suzukiなどの企業訪問)

9~13日目:林間学校+臨海学校(山地でキャンプ、ラフティング、海辺の宿泊地で休養)

14~17日目:ムンバイ(Tata本社、Bombay Stock Exchange、Aditya Birlaなど訪問、Elephant Caveなどの観光地、世界最大級スラム街のDharavi訪問)



かつてインドに住んでいた友人からその混沌ぶりを聞かされていたため、びびっていたのですが、ホテルやレストランなどは一流であり、ツアーガイドも非常に楽しいおじさんだったので、肩透かしをくらった気分でした。



また、企業訪問は非常に興味深かったです。各ミーティングは1時間程度でしたが、インドの政治・経済の実情を交えながら、スピーカー自らの意見を交えた企業戦略の話など、色々と聞くことが出来ました。個人的に面白かった点は、



(1)インド人は新しいものでもすんなり受け入れる

コカコーラ社曰く、インドの商習慣やインド人の性格的な点は、あまりビジネス上影響なかったそうです。インド人の考え方は独特でタフネゴシエーターだとか、色々聞いていたのですが、コーラやシリアルなどの新しい味もすんなり受け入れ、スムーズにビジネスを展開できたそうです。



(2)インドの実情

インドマフィアの衰退(パキスタンなどに散った模様)でビジネスがやりやすくなり(?)、若年層の爆発的増加により内需がさらに高まる状況にある一方、各州の独立性の強さから、国としてのダイナミックな改革(インフラ整備など)が遅れており、製造業などではロジスティックな問題があったりするそうです。



(3)Suzukiの工場見学

Suzukiがインド自動車市場の約50%を押さえているのは有名ですが、そのSuzukiの工場を見学できたのは、楽しいと同時に日本人として誇りに感じる所がありました。私もメーカー勤務なのですが、Suzukiの先見性の高さと、インド人の求める価格帯で高品質製品を提供できる生産性と技術力に、ただただ感服しました。これは私の勝手な感想ですが、工場で働いている人々も生き生きとしており、Suzukiの一員であることを誇りに思っているかのような表情がみられ、本当に素晴らしい企業は、モチベーションの高い従業員に支えられているのだと実感しました。



(4)世界最大級のスラム街

さらに印象的だったのはDharaviというムンバイの一角にある街です。スラムと聞いていたので内心ビビっていたのですが、衛生面は気になるものの、街の人々の表情は精気で満ちていました。街ではリサイクル産業が盛んで、ぼろぼろの小屋の中でプラスチックを溶かしたり、石鹸を作ったりしていて、何でもありの状況でした。よく火事にならないものです。また、その横をピッチリ横分けの身なりのいい賢そうな子供達が学校に向かう姿は何ともシュールでした。



最後に良かった点ですが、同行したクラスメート達と仲良くなれたことです。今まで接点のなかった2年生ともたくさん話すことが出来ました。それに、英語だけの環境で疲れて日本語シックになった時も、皆が気を遣ってくれて、GoizuetaのCommunityの暖かさを再度実感しました。このIndia Tripはインド経済、ビジネスを学ぶという趣旨ですが、共同生活を通じて、仲間同士で絆を深めるという点も大きかったと思います。ある意味、インドよりアメリカ人を深く学べた旅だったかもしれません。



このような機会は大抵のB-Schoolが提供していますが、皆と親密になれるSmall Schoolで行く旅は、楽しさ倍増、ずっと思い出深いものになると思います。人との繋がりを大切にしたい人にとっては、本当にGoizuetaは最適な学校だと感じた授業でした。







Class of 2013 A

2012年3月20日火曜日

GMSC

Class of 2013のタツです。

ゴイズエタのU.S. News MBA Rankingが、全米23位から19位に上がりました。嬉しいですね。校庭の桜は満開で、アトランタには春が訪れています。







さて今回は、私が2012年春学期でもっとも力を入れている授業、GMSC(Goizueta Marketing Strategy Consultancy)について書きたいと思います。



GMSCは、20年以上続いている当校の看板授業であり、春学期の1月~5月にかけて行われる選択制、実企業コンサルティングプログラムです。クライアント企業は実際にゴイズエタにお金を支払ってコンサルティングを依頼していますので、学生も教授も真剣そのもの。5月初旬の最終提案提出(100枚程度)と顧客企業向けプレゼンに向けて、6-7人構成のチームベースでプロジェクトを進めていきます。



実際、どのようなクライアントのどのような案件を担当するかについては、クライアントのニーズと、自身のチーム割り当てによって大きく異なります。例えば今年は、下記のような案件依頼がありました。



◆(情報通信大手)中国・インド・ロシア・韓国の4ヵ国のうち、どの国がもっとも魅力的なマーケットで、その国においてどのような戦略を打つべきか

◆(保険大手)米国内の未開拓法人マーケットに、どのような商品・サービスを、どのようにして提供するか

◆(食品大手)ブラジルに事業進出する際に、どの顧客層に対して、どの店舗を、どの場所に、どの価格帯で、どのようにオープンするか



過去のクライアント企業には、Coca-Cola、Delta航空、GEやIBMといった米国大企業のほか、SAPやFujitsuなどの外資系企業、Georgia-PacificやThe Southern Companyなどのジョージア州地元企業が名を連ねます。http://www.goizueta.emory.edu/gmsc/about_previous_clients.html



担当企業とチームが決まりますと、そこからがプロジェクト開始です。私のチーム(国内製造業大手)の例では、週1回の授業と週2回の教授/TAとのミーティング、週1回の顧客との電話ミーティング、そして週2回のチームミーティングをベースとして、毎週月曜日に課題を提出しています。こうしたインテンシブなプロジェクトですので、決して楽ではありません。各ミーティングへの事前準備としての個人ワークにも相当の時間をとられるため、他の科目とのタイム&スケジュール調整も求められます。



加えて、インターナショナルの学生には特有の問題も生じてきます。例えば、ネイティブ&インド人の議論がヒートアップすると、私は議論についていくことすら困難になります。スラングまじりのくだけた英語と、インドなまりの英語が自分の頭の上を飛び交うような状況です。英語でのコミュニケーション力を高めるにはいいと思いますが、無力感と焦燥感に耐えながら、気を張ってネイティブの英語にしがみ付く根性が求められます。



また、問題解決に対するアプローチ手法の違いも私を悩ませます。完成形をある程度決めてから動き出す日本型のトップダウンアプローチに執着していると、米国型のボトムアップアプローチにおいては「プロジェクトがゴールに向かって順調に進んでいる」と感じることができません。ストレスや苛立ちを感じることもしばしばです。



もちろん、こうした文化的側面でのストレスを感じることが、大きな学びにもなります。米国型のボトムアップアプローチは時間と労力こそかかりますが、自由な発想が生まれやすいことも事実です。私はこれまで、「自由な発想」は幼少時に受ける教育や生まれつきの才能、一種のひらめきに拠るものが大きいと思っていたのですが、新しいアイデアというのはむしろ、地道なデータに基づく分析と、議論の積み重ねから生まれるものだと考えるようになりました。



さらに、週末に自宅でミーティングをしたり、顧客調査を共に企画/実施したりする中で、チームメイトとの仲は大変深いものになります。今週末には、アトランタの日本風居酒屋「庄や」でのチームディナーを予定しており、これは今から楽しみにしています。文化の異なる人々とこれほどまでに多くの時間を学内外で共有できる授業は、恐らくGMSCをおいて他にはありません。





このようにGMSCでは、実践を通じてマーケティングやファイナンスなどの理解を深めると同時に、多国籍グループにおけるチームマネジメントを、実体験を通じて学ぶことができます。実は、GMSCは私がゴイズエタへの進学を決めた大きな理由の一つでもあります。どこのビジネススクールもそれなりの体験系授業は備えているのですが、GMSCほど実践度の高いプログラムが用意されている学校は少ないと思いました。



マーケティング、コンサル系のキャリアプランを考えている方、なんでもいいから挑戦したいという方、ゴイズエタ入学後はGMSCをぜひご検討ください。



私も、5月の最終プレゼンに向けてもうひとがんばりです!









タツ

Class of 2013