米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2016年12月26日月曜日

授業紹介「Leading Groups and Teams」

こんにちは。2年制MBA Class of 2017のSuchです。

今回は先学期に履修した授業「Leading Groups and Teams」を紹介させていただきます。授業名の通り、いかにグループやチームの問題点に対応し、より良くオーガナイズされた組織を作っていくか、より良い成果を出していくかを学ぶ授業となっています。授業はexperimental learningを基本としており、毎回の授業で様々な実験、毎回違うメンバーでアサインされるメンバーで実際にチームワークを行うことで、様々な発見や問題点を身をもって経験することができます。

私はこれまでの約1年半のMBA生活を通して、段々とグループワークも上手くできるようになったなぁという印象もあるのですが、そのなかでもすごくオーガナイズされたグループと何か上手くいかなかったグループとがあって、そのグループワークの良し悪しを決めたものは何だったのか知りたいと考えていました。これがこの授業を履修した理由であり、実際にこの授業は私に様々な気づきを提供してくれました。以下に何点か、私が参考になった考え方、面白かった授業(実験)を紹介させていただきます。

①Fault Line
これはクラスメイトのなかでも参考になったという人が多かった考え方で、グループメンバーのバックグラウンドや関係性(仲の良さや関係の長さ)の違いによって、メンバー間にFault Lineと呼ばれる情報伝達や共同作業の壁(障害)が起きるというものです。これは当たり前といえば当たり前の考え方だと思うのですが、改めてこの考え方を意識してグループワークを観察していくと、多くのFault Lineを発見し、それに対処していくことができます。MBAでよくみられるFault Lineは、米国人学生 vs 留学生、男性 vs 女性、2 year program vs 1 year programなどです。Fault Lineの発生を防ごうということではなく、この障害を超えられるように情報伝達の仕組みを作る、グループが仲良くなるためのsocial outing(飲み会等)を行うといった対処をしていこうというものです。

②Group Observation
これは実際に他のグループのミーティングを観察したり、自分のチームのミーティングを撮影し後から観察するものです。ミーティングを観察されたり、自分のミーティングの様子をビデオで見るのは何とも嫌なものですが、多くの発見があります。この授業では、先述のFault Lineのような問題点を見つけるだけでなく、各メンバー間の発言回数からうなずきの回数まで細かに分析することで、様々な気づきを得ることができます。チーム全体のディスカッションに全く問題は無いものの、あまり議論に参加していないメンバーやメンバー間のやり取りにも偏りがあることがわかります。また私が観察したグループはクライアント(外部企業)へのコンサルプロジェクトを行っており、クライアントにどの程度プロジェクトへのコミットを要求するかについて、メンバー間の考え方に大きな違いがあることを感じました。この場合、授業ではExternal Team Dynamicsとしてチームの外部要因に対処する必要があると教わりました。

③Politics
これは授業中にロールプレイを行って面白かった概念ですが、メンバー間のPolitics(政治的行動)がいかにグループワークの進行とdecision makingに影響を与えるかについて学びました。ロールプレイでは、それぞれに違うインセンティブを持つ会社役員を演じ、取締役会決議を行いました。それぞれのメンバーが裏で「私の案に賛成してくれたら、あなたに有利になるように動く」というようなPoliticsを行っておりました。私は恥ずかしながら、他のメンバーがどのように動いているか全くわからず、決議結果は自分が働きかけをしたものと全く違うものになりました。このロールプレイの教訓としては、他のメンバーのPoliticsに早く気付き自分も早く動くべきというものです。実際の仕事では、ロールプレイでやったような激しいケースは無いと思うのですが、 自分の仕事を振り返ってみると、事前の根回し等、大なり小なりPoliticsとして動いているようなこともあり、重要な要素であると改めて思いました。

以上、この授業はグループワークというソフトスキルにフォーカスした授業として大変面白かったので、紹介させていただきました。少しでも授業内容の参考になりましたらうれしいです。
受験生の皆様は、年末年始の業務、受験プロセスの本格化とお忙しい時期かと思いますが、どうかお身体に気を付けて頑張ってください。

Such

2016年12月19日月曜日

TAとして働いてみて所感

こんにちは、2-year MBA Class of 2017 のShihoです。
今回は私のTeaching Assistant (TA) としての経験を紹介させていただきたいと思います。
他の課外活動とは少し毛色が違いますが、アプリカントの方から質問されることの多い“授業以外でのリーダーシップ経験”にも該当するかと思います。

GBSのコアの授業の一つに、Process & Systems Management (PSM) というオペレーション関係の科目があります。
2-year MBAプログラムでは一年目の秋学期に履修する科目で、同じ内容が春学期にはEvening MBAの学生向けに開講されています。
(1-yearプログラムのコアでも同じ科目がありますが、インストラクターが違う教授なので内容もだいぶ違うものになっているようです。)

私は2016春学期のEveningの授業と、2016秋学期の2-yearの授業でTAを務めました。
春学期のときは先輩に教えてもらいながらという感じだったのですが、この秋学期は経験者ということで、私ともう一人のチリ人のクラスメイトがTAチームのリーダー的な位置づけとなり、総勢12名のTAたちと一緒にTA業務、例えば授業に出席して出欠確認と学生の発言を採点、課題に関する質問メール回答と課題の採点、試験監督と採点、試験前のレビューセッションなどを行いました。

アルバイト程度のお給料というインセンティブはあるものの、どの学生もTAと並行して自分の授業や試験、就職活動があるのでそちらを優先したい気持ちがあり、12名もいるのにスケジュール調整に難航したり、普通の授業でのグループワークとはまた違った苦労を感じました。
教授と他のTAの間に立って調整するという、中間管理職的な難しさも経験しました。

行けると言っていたのにやっぱり行けないとか、分担した採点が期日までに終わらないとか、自由すぎるクラスメイトに驚かされることも多々ありましたが、この責任感の違いが価値観の違いなのかもしれません。。
とは言え、逆にシフト外のメンバーが手伝ってくれたこともあり、無事にすべての業務をこなすことができました。
特に、採点の時にランチが提供されると言うと名乗りを上げる人が多かったり、適切なインセンティブって大事だなと思いました(笑)

個人的には、レビューセッションの際に理解してもらえるように英語で説明するというのが本当に難しく感じました。
あとからもっとこう説明すればよかったと思うことも多くありましたが、人前でのプレゼンが苦手な自分にとっては良い経験になりました。
また、採点作業は一つの部屋に数名のTAが集まって行いましたが、お昼休憩中などに色々話したり、今まで接点のなかったクラスメイトと交流できたのもよかったです。
学期末には自分のテスト勉強もままならないのに人のテストを採点したり、拘束時間が長いので結構大変なのですが、終わってみると達成感は大きいです。
私は1つでもいっぱいいっぱいなのに、2つや3つのクラスのTAを掛け持ちしているクラスメイトもいて、できる人はできるんだな~と感心しました。

アプリカントの皆さまは受験プロセスもいよいよ大詰めを迎えているかと思いますが、寒いので体調にはくれぐれも気をつけて、悔いの残らないように頑張って下さい!

2016年12月16日金曜日

印象に残った言葉(授業関係編)

 こんにちは、Class of 2017Kenです。夏が過ぎ去っても、つい最近まで暑さを感じることが多かったアトランタですが、今月上旬からはすっかり冬模様となっており、先週は最低気温がマイナス5度に達する日もありました。また、街中の至るところに装飾を施されたクリスマスツリーやイルミネーションを見かけることができ、否が応でもこれから佳境を迎えるクリスマスシーズンに向け期待が高まってしまうような雰囲気になっております。
 さて、今回は、前回の私の投稿(201671日)の続編として「印象に残った言葉(授業関係編)」と題して、これまでの学校生活におけるクラスメイトの発言(言動)から特に印象に残ったものをやはりランキング形式で紹介していきたいと思います。

第3位:「私の経験ではこの結果は支持できない」
 こちらは、とあるアサイメントにおけるチームメイトの発言になります。課題内容としては、「授業で学んだフレームワークを適用して粛々と定量的な分析を行う」だけの課題だと思われるものでした。しかしながら、チームミーティング前に個別に分析を行って得られた結果に対して、そのチームメイトは納得がいかなかったらしく、自発的にいくつかのアサンプションを設定し、自身の満足する回答案を作成し、我々に提示をしてくれました。ミーティングにおいて、彼女からの説明を受けた(私を含めた)他のチームメイトは、当然のようにそのアサンプションの必要性について質問・議論をすることとなり、その際に上記の発言がなされました。結局、彼女にその課題の趣旨を理解してもらうことにより事態は収束したのですが、その日のミーティングは当初の予定を2時間超過するものとなり、正直に言えば、「これから大変なことになるな」と憂鬱な気分になったのを良く覚えています。
 
第2位:「安い方が絶対に良い」
 こちらは、マーケティング系の授業における教授と学生のやり取りになります。教授から、「原則として価格が低いものが好まれる傾向はあるが、あまりに価格が低い商品はその価格が安いという理由だけで避けられる(ことがある)。特に高価格帯で展開される電化製品や自動車などについてその傾向が見られる」との示唆があり、個人的には「安かろう、悪かろう」の感覚だなと何となく納得をしたのですが、その学生は「そんなことはない。(クオリティやブランドに違いがなければ)安い方が絶対に良いと感じるはずだ。」と主張しました。その後の教授とのやり取りにおいては、彼は教授が提示する事例を悉く否定し、全く賛同できないという姿勢を貫き、最後は教授が一歩引く感じで次のトピックに移りました。その学生が比較的所得の低い地域の出身であり、経済的に余裕のない人々の生活を間近で見てきたことなどが彼の意見形成に影響を与えていることが予想されましたが、普段のその学生の大人しい印象と相俟って、その様子は今でも鮮明に覚えています。

第1位:「もっと質問はないの?」
 こちらは、チームで行った企業研究のプレゼンテーションでの1コマになります。いわゆるポスタープレゼンテーションの形式で行われたのですが、イブニングクラスであったこともあり、当日はワインやチーズなどが振舞われ、さながら雰囲気は立食形式のパーティーのような感じになりました。勿論、私を含めた多くの学生が、凡そ授業内容とは関係のない話題で盛り上がっていたのですが、開始後1時間程度が過ぎ去った頃に教授が各ボードをまわると宣言し、個別に説明を行うことが求められました。いよいよ私たちの順番となり、チームメイトの1人が全体のサマリーを簡単に説明し、その後に質疑応答が続くかと思われたのですが、教授は簡単な質問をしただけで、「ありがとう、よくわっかたよ」と言って、次のボードに移ろうとしました(併せて、ワード形式でより詳細なレポートを提出しているため)。自分は、安堵のため息をついたのですが、次の瞬間にチームメイトの1人である南米出身の女性が「もっと質問はないの?」と言い、教授を引き戻し、説明を始めました。彼女も教授が個別説明を求める旨のアナウンスがあった時は決して前向きな感じはなかったこともあり、この積極性(「やるとなったら、いつも一生懸命な感じ」)にとても驚きました。彼女は、普段からとても明るく、同じくチームを組んでいたもう一人の南米出身の女性とともに、多くの名シーンを作ってくれ、講義内容には退屈さを感じることが多かったこのクラスの履修について後悔しなくて済むようにしてくれました。

 今回は、心に残った言葉(授業関係編)として、これまでの学校生活を振り返ってみました。残すところ、後5ヶ月弱の学生生活となりましたが、最後まで更に印象深いシーンに出会えるよう、ラストスパートをかけて行きたいと思います。

 皆様におかれては、いよいよアプライも佳境を迎えている最中であると思われますが、この冬を乗り切られ、無事希望の進路に進まれることを願っております。では!

Ken



         先学期に交換留学生として来られていた皆さんの送別会です!
         

2016年12月5日月曜日

Product&Brand Management, おまけ就活

皆さん、こんにちは、1年制MBAのJungiです。
秋セメスターもいよいよ期末試験の時期になりました。本日は秋に取ったマーケティング関連の2つのイレクティブクラスの紹介とともに、アメリカ国内での就職活動についても少し触れたいと思います。

まず一つ目はダグラス・ボーマン先生のProduct & Brand Management のクラスについて紹介します。このクラスは企業のプロダクトマネージャーの視点に立ち、ブランド戦略の基礎を学ぶ授業になります。特に4つのアサインメントと一つの製薬会社のOTCについてのシミュレーションは非常に勉強になりました。定量分析を多く使うので、改めて、マーケティングは数字ありきだなと思いました。
また、それらの分析をサポートするためのリサーチツールについて、アメリカは本当に進んでいると感じました。
例えば、競合他社や業界のメディアスペンドを期間別、種類別に調べられるStradegyというツールは、自社のメディア戦略を考える上で、非常に役に立ちます。Share of Voice の試算をはじめ、メディアにかける予算を設定する際のベンチマークにもなります。例えば、TVコマーシャル一つにとっても、ケーブルテレビ、地方テレビなど細かいセグメントで、他社のスペンドを把握できる点は流石にすごいと思いました。http://stradegy.kantarmediana.com/
また、Simplymapというツールは、自社商品のターゲット顧客における全米各都市でのセグメント層の分布を下記イメージのようにヒートマップを使って可視化できます。
http://www.simplymap.com/login.html



授業の中身も非常に面白いのですが、なにより、基本チームでの作業になるため、経験者から教わりながら、学んだ内容を実践してみるというやり方は非常に良かったと思います。
 私の場合、以前製薬会社でマーケティングを担当していたクラスメイトとの共同作業を通じて、授業で学んだクラスター分析、コジョイント分析、回帰分析などを如何に実践で使うか、練習することができました。
二つ目はIntegrated Marketing Communication (IMC)というマーケティングでのコミュニケーションに特化したクラスで、顧客にどのようにメッセージを効率よく伝えるかがテーマになります。
トラディショナルメディアであるTVCMやプリントから、デジタル、プロダクトプレイスメントなど、様々な活用手法の基礎を学ぶことができました。また、メディアエージェンシーからゲストスピーカーが複数来るため、アメリカでのマーケティングのやり方について、いろいろと興味深い話を聞くことができました。Product & Brand Managementと違い、定性的な内容が多い一方で、前々から興味がありました、コミュニケーション戦略でのKPIの設定の仕方や、予算の設定と管理などの定量的な内容もあり、マーケティングを基礎から勉強さらたい方には、非常に役に立つクラスではないかと思います。

最後にアメリカ国内の就職活動について、少し触れます。これはあくまで個人の意見になりますので、ご参考程度に見て頂ければと思います。
MBA生にとって、アメリカで就職する2つの重要な手段として、
1)学校のキャリアセンター 2)National Black MBA Associationがあります。
前者はMBAを積極的に採用したい企業が直接キャンパスに来て、リクルートをする方法で、後者は恐らく全米で、アメリカ国内の就職を対象にした最大のMBA生向けキャリフォーラムになります。今年は第38回目のNBMBAA Conference and Expoがニューオーリンズで開催されました。
http://www.nbmbaa.org/

留学生にとって、アメリカで働く最大の難関はビザにあります。H1ビザの申請をサポートしてくれる企業がある事が大前提になりますが、今年の就活状況を見る限り、このようなビザスポンサーを提供している企業、特に事業会社はそんなに多くはありません。こちらアトランタには、本拠地を置いている世界最大級の飲料メーカーC、航空会社のD社、物流のU社がありますが、皆今年はビザスポンサーを提供していません。そもそも応募すらできない事になります。
積極的にビザのスポンサーを行っている業界の一つとして、コンサルティング業界がございます。エモリーでもBig4と呼ばれているPwCEYKPMG、デロイトをはじめ、アクセンチュア、ATカーニー、ベインなど名だたるファームが皆リクルーティングをしに来ます。MBA取得者には初年度から高額な年俸(平均10万ドル以上)を提示してきます。

もちろん、金融と並んで、MBA生のトップ2人気就職先業界になりますので、競争は熾烈です。枠が限られているため、アメリカ人の学生だけでなく、世界中から集まっているエリート留学生とも競いあう事になります。入社した後は、基本アメリカ国内のクライアントが中心となるため、ファームによっては、ネイティブ並みの英語力を求められます。
私の中国出身の同級生は, 最終面接で英語が完璧ではないという理由で落とされました。
私自身も、ボストンに本拠地を構える戦略系ファームから面接の機会を頂き、ボストンへ飛びましたが、結果は。。。

アメリカで働くことは、現状では物凄く厳しい。しかし、一方でオファーをすでに頂いている留学生の同級生も10人近くいます。ほとんどは2年制プログラムで、サマーインターン先からのオファーになります。インターンできる分、アメリカで働きたい方には、2年制プログラムは有利かもしれません。


長くなりましたが、参考までにニューオーリンズや、ボストンの写真を掲載して、今回の投稿を終わりにします。


グループアサインメントの後は、同級生の奥さんの手料理をご馳走になる。ブラジル家庭料理を初めて食べました。
このような文化のふれあいも最高です。

 

B社ボストンオフィス、建物がレトロすぎる。












  

2016年12月2日金曜日

GBS study abroad option:ウィーンへの夏季短期留学

こんにちは、class of 2017Hinaです。
GBSには様々なStudy abroad optionsがありますが、今回のブログでは、私が7月の3週間参加したVienna University of Economics and Businessの短期留学プログラムISUWU (International Summer University WU) について紹介します。

プログラム概要
各授業は1週間で終了し、3週間で3科目を受講します。7月のプログラムでは6科目がオファーされ、参加申込書をプログラムオフィスに提出する際、受講希望する3科目を連絡するという形でした。月~木が授業、金曜にプレゼン又はテストで終了となります。
私が受講したクラス(International Strategic Management, Sustainable Business, International Marketing) はいずれも最終課題がプレゼンでしたが、毎週異なるメンバーとチームを組んで、ディスカッションするのは有意義な経験でした。
モダンなデザインの校舎。各棟は著名な建築家によるデザインだそうです。

Diversity
Graduateのプログラムには約50人が参加しており、日本人は私を含め4名、その他はアメリカ・中国・オーストラリア・ヨーロッパ各国など、多国籍なメンバーが参加していました。尚、同時期に開催されているundergraduateのプログラムには約100名が参加していました。

留学して良かった点
1. アカデミックプログラム
1週間毎に異なる科目を学ぶというプログラムの性質上、コンテンツも受講するクラスメイトも毎週変わるため、新鮮な気分のまま3週間を過ごせました。また、授業のマテリアル、進め方共に満足でした。

2. プログラムスタッフ
67名のスタッフがアサインされており、困ったことがある際はすぐ連絡がとれるようになっていました。レスポンスも早かったです。
                                                           
3. ウィーン生活
市内中心部のシュテファン寺院近くに3週間滞在しましたが、徒歩で観光・買い物が楽しめる便利な立地でした。ウィーンは鉄道網が発達しているので、市内の主要観光地には電車で行けます。また、治安も良く、街も清潔でした。食べ物も美味しいです。

4. ウィーン以外の観光
プログラムは毎週月~金で完了するため、週末は近隣の観光地を旅行するクラスメイトが多かったです。ザルツブルグ・プラハ・ブダペスト・ブラチスラバが人気でした。

ISUWUは学業だけではなく、生活面も充実していたので、他国のプログラムで学んでみたいという方には是非おすすします。

観光客で賑わうシュテファン寺院
















2016年12月1日木曜日

英国MBAと米国MBAにおける国際性の違いについて

はじめまして、イギリスはAlliance Manchester Business School (AMBS)から交換留学生として来ておりますYujiです。

私の所属しておりますAMBSのFull-time MBA programmeは9月にコースが開始し、翌々年の3月に修了となる18ヶ月のコースです。(イギリスのMBAとしては比較的長めで、1年ではIntensiveすぎると考えるアプリカントの選択肢として有力です。)初めの10ヶ月間でコア科目と3つのプロジェクトを終えた後、続く6ヶ月間は、個人の志向によってSummer InternshipやElective courseの履修、6ヶ国へのstudy tourなどフレキシブルに選択できます。その中の選択肢のひとつであった、International Exchange Programmeを利用して8月より12月までGoizueta Business SchoolのMBAに参加しています。

今回GBSを交換留学先として選択するにあたり、UKのMBAとUSのMBAの違いを体感したかったというのが一番の理由です。個人的に、最も大きく異なり、MBA生活に多大なインパクトを与えた要素としては、クラスの国際性が挙げられます。AMBSでは95%以上がInternational studentで構成されており、出身地域を挙げると北アメリカ、ラテンアメリカ、ヨーロッパ各国、中東、西アジア、東南アジア、アフリカなど、世界中30ヶ国以上から学生が集まっています。GBSに来て最も驚いたことのひとつはアメリカ人比率が非常に高いことと、International studentsの国籍の種類が少ないことでした。(Two-Year MBA Class of 2017で35%がInternational)4ヶ月という限られた経験ですが、Internaitonal比率の高さ、低さにはそれぞれに良い点があると感じました。

言語
AMBSでは圧倒的大多数のクラスメートが英語を第二言語として話しており、ネイティブ英語を耳にする機会というのは必然的に減ってしまいます。将来、様々な国においてビジネスに関わったり、様々な国籍のメンバーが入り交じった環境下で仕事をする場合に、多種多様な訛りに慣れていることは大きなアドバンテージになると思います。反面GBSでは、言わずもがなアメリカ語に触れる機会が圧倒的に多く、当初は聞き取りに非常に苦労しましたが、一種のスタンダードに触れることができました。(ちなみにマンチェスター人はマンチェスター訛りが非常に強く、いわゆるQueen’s Englishとはまったくちがいます。)また同時に、広義での英語でのコミュニケーションスキルを大きく見直す機会にもなりました。

グループワーク
AMBSは実践での学びを大変重視しておるため、グループワークやプロジェクトワークが基本で個人ワークの比率は圧倒的に少ないです。様々なバックグラウンド、文化、価値観を持った人々が混在する環境下でグループワークを進める必要があります。よって組織マネジメントにおけるチャレンジが多く、どのように組織をまとめ、目標に向かって進めていくかについて考える機会に恵まれています。GBSでは、学校としての文化が大変オーガナイズされている印象があり、そのせいもあってかグループワークも比較的円滑に進んでいるように感じました。組織での作業効率性を追求する環境としてはAMBSよりも適していると思いました。

以上、今回は2点のみの言及とさせていただきますが、海外留学ならではの国際性という要素において、UKとUSの間で大きな違いを体感することができたのは非常に貴重な経験であったと思います。間もなく秋タームも終了となりますが、交換留学を選択して本当に良かったと思っています。

以上が、私が個人的に感じたGBSでの経験です。私と同じくGBSへの交換留学を考えている方々、あるいはUSとUK、欧州のMBAを幅広く検討しているアプリカントの方々の一助となれば幸いです。

2016年11月21日月曜日

MBA生の共同生活



こんにちは。シンガポール国立大学(通称NUS)ビジネススクールから交換留学で来ていますMayuです。NUS MBAは、17か月を基本とするプログラムで、最後の4か月は米国・欧州・アジア等の提携校での交換留学を選択できるため、8月からGoizueta Business School(GBS)にお世話になっています。

あと1か月ほどでMBAを(恐らく)卒業ということで、MBAで学んだことは何かということを最近よく考えます。授業、グループワーク、インターンシップと、それぞれ貴重な学びとなりましたが、個人的にはクラスメイトとの共同生活も大きな学びの一つでした。私は、NUS3人(台湾、タイ、日本)、GBSで1人(中国)とルームシェアをしていますが、大人になってからの共同生活も意外に良いものだなと感じています。

他国の学生との共同生活ってどんな感じだろう?と思われているアプリカントの方もいらっしゃると思いますので、エモリーでの生活をご紹介しつつ、私なりに大人の‼MBA生だからこそ味わえる共同生活の良さをお伝えしたいと思います。

1. プライバシーは守りつつ、一緒に楽しむときは楽しめる
MBA
生は30歳前後の学生が多いので、お互いの生活ペースを尊重しつつ、楽しむときは一緒に楽しむというバランスの良い関係性が築きやすいです。基本的に騒ぐということはありませんし、自室にいる時は個人の時間を尊重してもらえるのでストレスは少ないです。特に、現在私が住んでいるHighland Lakeではバス・トイレはそれぞれの部屋に付いており、キッチンとリビングだけをシェアするという形式なので、自分のペースを作りやすく、大変快適です。
一方で、余裕があるときは、ふらっとリビングに出ておしゃべりをすることもよくあり、学校、仕事、恋愛、ちょっとした愚痴などなど色々な話をお茶を飲みながら気軽に話すことができます。こないだは、一緒にアメリカ大統領選挙の開票をリビングで見たりもしていました。この距離感は、大人ならではの良さかなと思います。

2. 深い話ができる
多くのMBA生は、数年の社会人経験を経て、自分なりの考えを持ってMBAに来ているので、個人的な印象ですが、結構真面目です。なので、真面目なトピックに真面目に答えてくれます。もちろん、学校でもそういった話はできますが、ルームメイトだと会う回数も多いので、より深い話がしやすいです。特に、私は英語で苦労しているので、パーソナルな話を取り留めもなくできる環境は大変ありがたく、家族、宗教、お互いの国の話など、ルームメイトとの会話から多くを学びました。でも、話せば話すほど、国の違いはあれ、考えていることはそこまで変わらないなとも感じました。(アジア人同士だったからかもしれませんが。)

3. 生活・文化のちょっとした相違点を発見できる
一緒に生活をしていると、小さな発見をすることが多いです。例えば、食事を例にとると、野菜・果物を意識的に摂っているな、とか、原材料に結構注意しているんだな、とか。中国の子は、小さいころから商品の原材料をチェックする習慣が身についており、自然なものを使っているか必ず確認すると言っていました(そうでない中国人もいるよ、とは言っていましたが)。あと、日本人は余ったご飯を冷凍しますが、台湾・中国では冷蔵することが多いそうで、冷凍することに驚いていました。このように、生活の中でちょっとした相違点を見つけられると、ネタとして盛り上がりやすく、とても楽しかったです。

私は、幸運にもルームメイトは全員MBA生で、年齢もそこそこ近く、落ち着いたメンバーだったので共同生活は良いことづくめでしたが、MBA生同士ではない場合もありますし、相性はあるので、私の経験は一概には言えないかもしれません。しかし、一緒に生活をすると、やはり距離は縮まりますし、英語を話す機会も増えるので、お勧めです。大人になってからの共同生活は不安もありますが、大人ならではの楽しみ方もあると思いますので、私の経験が参考になれば幸いです。

2016年11月14日月曜日

交換留学生(オランダ)から見たGBS

 ブログをご覧の皆様、こんにちは。
 オランダのRotterdam School of Management, Erasmus UniversityRSM)からの交換留学でGoizueta Business SchoolGBS)に現在お世話になっているTakuです。
 
 私が在籍しているRSMのプログラムは4つの学期で構成された1年制のMBAです。RSMでは、8月以降の最後の学期(Term4)を、RSMに残留し選択科目をとるか、或いは交換留学に行くかが選べます。交換留学先は、米国のみならず、欧州、南アフリカ他、世界各国のビジネススクールがありますが、このたび私はGBSを選択し、この秋学期に受け入れて頂いています。
  RSMMBAプログラムは、この秋学期で修了となるので、私はMBAの締めくくりとなる思い出深い時間をGBSで過ごしています。(なお、RSMの卒業は20173月。)
 
 GBSにおける私の履修科目は4科目、在籍期間は約4か月と限定的ではありますが、欧州MBAと米国MBAを比較検討している方のために、私の独断と偏見で相違点に関する所感を、徒然なるままに述べたいと思います。プログラム選択の一助になると幸甚です。

【教授・生徒構成】
 RSMの生徒は97%が世界各国から集められており、英語を母国語とする生徒はごく僅かです。教授陣も欧州(蘭・仏・独が多い)や南ア出身者が中心となっています。
 一方GBSは教授も生徒も、当然ながら大半が米国人のため、英語力という点では米国の方が鍛えられるのではないか、と思います。実際、RSMからこちらに移動してきた当初は、驚くほど英語が聞き取れず苦労しました。使われる表現など、欧州で触れてきた英語とはかなり違う印象を受けました。
 ただ、Diversityという観点では欧州プログラムが勝っており、世界中に人脈を広げたいと思っている方には欧州や他のプログラムが良いかもしれません。
 また、欧州MBAの方が一般的に年齢層は高めといわれますが、GBSで授業を受けている限りにおいてはあまり気になりません。たしかに学部生も入ってくる授業もありますが、EMBAの生徒も混在したりしているので、一概に言えない気もします。

【充実した設備】
 GBSRSMに比べて、学部含めて生徒数が多いこともあり、各種設備は非常に充実していると思います。特に図書館は蔵書数、利用できるデータベースなど、非常に便利です。Emory大学にない蔵書についても、Georgia工科大から手当できるようであり、この点は素晴らしいネットワークだと思いました。RSMでも学部の図書館が利用できましたが、英語の書籍に関しては断然米国MBAの方が充実しており、勉強や参考図書には事欠かないと思います。(日本の書籍についても、平家物語などの古典や、少ないながら宮部みゆきなど現代小説もあったりしますので、暇つぶしも可能です。)
 学校のジムも綺麗で規模も大きく、各種筋トレマシンをはじめ、トレッドミル、プール、テニスコートなど盛り沢山のため、体力作りも楽しんで行えます。私は、特にフリークライミング施設を大いに利用させていただいています。

【日常生活】
 オランダでは自転車生活が基本である上、公共交通機関が発達しているため、自動車が無くても生活に支障はありませんでしたが、やはり米国は自動車大国のため、自動車の所有が不可欠だと感じました。買い物のためのバス路線を学校が提供してくれていますが、本数が限られているため多少不便に思います。(日本人交換留学生は、GBSの日本人在校生皆様のご協力により、適宜買い物に行くことができ、大変助かっています。)
 日用品などはオランダよりも種類が豊富で、説明も英語表記のため全く支障なく、羨ましく思いました。オランダでは、英語表記の説明がない物が多く、特に医薬品では苦労させられていたので、現地生活への適応のし易さという点では欧州よりも米国に勝負ありという気がします。ちなみに日本食も豊富で、たくあんやオタフクソースも手に入るほど充実しています
 特に医療について、オランダは診察をはじめ、医薬品の処方にも色々と手間がかかる一方、GBSは学校の医療施設がスムーズに利用できる点は、非常に便利で羨ましく思いました。
                                                             以 上

末筆ではありますが、このたびの交換留学の期間中、GBSならびにEmory大学の関係者の皆様には学校生活のみならず日常生活に至るまで多大なるご支援、ご指導賜りましたこと、この場を借りてお礼を述べたいと思います。ありがとうございました。GBSの秋学期も、残すところあと僅かですが、大いに学び、遊び、当地を離れるまでGBSの皆様との良き思い出を作っていきたいと思います。

なお、GBSに関するご質問につきましては、ゴイズエタ日本語サイトの「コンタクト」の欄より在校生メーリングリストへご連絡下さい。また蛇足ながら、Rotterdam School of Management, Erasmus Universityについても、併せて御贔屓賜りますと幸甚です。

2016年10月29日土曜日

「Entrepreneurship(アントレ)」について

ブログをご覧の皆さん,こんにちは1年制MBAYoshiです。


今日は私が現在履修中のゴイゼッタでも人気授業の一つ「Entrepreneurship(アントレ)」について話をさせて頂きます。なお,過去のブログでもゴイゼッタのアントレについて紹介しているので是非ともこちらも参照してみてください。

エモリーで学べるアントレプレナーシップ
http://goizueta-japan.blogspot.com/2015/12/blog-post_66.html

Entrepreneurship」のクラスは主にProfessor Charlie Goetzが教鞭を取っています。上記ブログ内で教授の紹介がありますので,教授紹介はそちらに任せますが,常にハイテンションで声がとても大きく,エネルギーに満ち溢れた教授です。
そして,このアントレクラスのゴールは学生同士で起業アイディアを持ちより,実際の投資家にプレゼンを行い,優秀なアイディアには実際にファンディングがなされ,起業できるという,まさにビジネススクールならではの体験ができる授業です。講義の内容は実際の起業に向けて,生徒とのディスカッションを通じ,起業家としての心得から始まり,優れたアイディアの条件,典型的な失敗例,ファイナンシャルモデリング,ファンディング方法,法務と実に多岐に渡る内容をカバーしており,自分もアメリカで起業できるような気に少しだけなります。
また,このアントレのプロジェクトはこれまでMBAで得た知識や経験を総動員して取り組むことが要求される,実に実践的なクラスです。自分たちのビジネスの競争力の源泉は何なのかをマイケル・ポーターの5 Forces Analysisの観点から議論し,マーケティング戦略の立案においてはSTPプロセス (Segmentation, Targeting, Positioning)をチームで共有,プロジェクトのIRRNPVを計算する等,MBAで学んだことがそのまま活かされます。
様々なバックグラウンドを持つ人々が集まるMBAの学びの場において,半年前のチームミーティングでは個々の知識や経験に基づいた自由奔放(時にはカオス)な議論がなされることが多かったのですが,私を含めて1年制プログラムの友人達はまだ在籍半年足らずながらも,ビジネスで必要とされる重要なフレームワークや共通言語を既に取得し,同じメンバーでミーティングをしていても,議論に深みを感じとることができます。私自身についても,半年前は英語で議論する際には必死で喰らい付くような状況だったものが,今では多少の余裕をもって議論に臨むことが出来ており,MBAで学んだ全てをこのアントレのクラスではまさに「腕試し」できる絶好の機会なのでは無いかと思っています。

なお,私のチームは当プロジェクトに際し,当初より健康・食事管理アプリの開発について議論を進めてきましたが,議論がどうにも煮詰まらず,また市場に似たようなアプリも多数存在したため,2週間後のプレゼンのドラフト提出を控えて,別のビジネスアイディアに変更となりました。日本人の感覚からすると,2週間前に振り出しに戻ることは考えられない事態ですが,チームのアメリカ人は皆,何故か余裕の表情です。このダメなアイディアはバッサリと切り捨て,次のアイディアに取り組む切り替えの早さがアメリカでベンチャー企業が次々と生れる競争力の源泉なのかと密かに思うYoshiでした。