米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2017年3月26日日曜日

IMPACT360 -Healthcare- に関して


こんにちは、Class of 2017Yuichiです。

製薬会社からの社費派遣の私は、前回のHealthCare関連施設のまとめに続き、今受講中のIMPACT360 Healthcareに関して綴りたいと思います。IMPACT360は、今年から名称改定されたMP Electiveの総称です。私は、HealthCareを選択しました。チームメイトは、製薬会社出身の私含め6名で、MD/MBADual Degreeの生徒が4名、Tec系企業経験のある1名で組んでおります。

Client: Metaclipse Therapeutics Corporation (Emory発のBiotechnology company)

Objective: クライアントが開発中の新薬のマーケット調査、競合品調査、アライアンスパートナー探し、ファンド探し、理想的薬価レンジの選定、の以上5点が主な目標


具体的な内容としては、クライアントが開発中Phase2-3Immunotherapy drug(日本でも免疫チェックポイント阻害薬のオプジーボが高薬価でマスメディアなどが取り上げている領域なのでご存知な方も多いと思いますが、そのオプジーボと類似で少し作用機序が異なる薬)で、トリプルネガティブ乳がんという乳がん患者の10%ぐらいの方が患う最もアクティブで進行が早く、他臓器に転移しやすいタイプの乳がんで現在、これといって有効的な新薬がないいわゆる“アンメットメディカルニーズ”へお届けできる可能性がある薬に対する上記5点の提案案件です。

実施する事は、問題点の定義、②Issue Tree 調査作業スケジュールの決定 ④Logic Pyramid作成 最終提案事項決定 スライド作成 プレゼンテーション というのがおおまかな流れです。

その間に、我々のプロジェクトは月に2回程度デューデリジェンスとしてクライアントとの面談をクライアントの事務所で行っています。また、それに加え週2回の授業と週1~2回のチームミーティングで進捗などを確認していきますし、その都度チームメイトと最終的な落としどころの検討を重ねるので、かなりの経験を積むことができます。現在、我々は上記のに取り掛かっており、様々なコンサルの資料などを読み漁っております。中身としては、アメリカの医療制度を授業でならいつつ、その薬剤のポジショニングから、ターゲッティング(乳がん治療ガイドラインでいう1st Line5th Lineのどこで使用して頂けそうなのか?そこから逆算し、年間何人の患者が治療への適応があり、そこから薬価をいくらにすべきか)セグメンテーションなど、いわゆるSTPから4P(われわれのプロジェクトでChannelの検討はOut of scopeなのでPlacePは検討してませんが)などをリアルワールドで検討する事ができますし、当然答えがない中での提案ですので、そこに責任を持たなくてはいけないので、議論には慎重ですし調査には時間をかなりかけます。今後、入学される方は、このIMPACT360を受講した方々へ連絡を取り実際に各プロジェクトで何を行ったのか直接聞く事で、最も自分に適したプロジェクトを選定できると思いますし(毎年クライアントとその依頼事項は変わるので多少内容は異なりますが)、当然来年以降受験をお考えの方々へは確実にインタビューやエッセイのネタになると思います。


以上、IMPACT360 Healthcareの概要に関してでした。
HealthCare関連授業に興味をお持ちで何か疑問な事があれば手軽にご連絡ください。

2017年3月22日水曜日

アメリカに持参して良かったもの〜子育て家族編〜

Class of 2018Takuです。
3月も下旬に入り、当校を含めアメリカのビジネススクールでは続々と合格発表が行われているかと思います。合格を勝ち取った皆様、本当におめでとうございます!長い受験生活で心身ともにお疲れかと思いますので、入学までの間少し自分にご褒美を与えるなどしてリフレッシュしてくださいね。
また、ウェイトリスト対策等に引き続き力を注いでいる方もいらっしゃると思います。受験生活を納得のできる形で締められるよう、是非最後まで頑張ってください!
当校に関して質問などがございましたら、遠慮なく日本人会メーリングリストまでご連絡いただければと思います。

さて、本日は「アメリカに持参して良かったもの〜子育て家族編〜」と題してブログを執筆したいと思います。
合格が決まると、いよいよ渡米準備を始めることになります。このブログをご覧になっている方の中にも、もうそろそろ準備しなきゃと考えている方も多いのではないでしょうか?
私の場合、妻子連れ渡米かつ初めての海外生活ということで、留学前には(主に妻が)色々な情報をリサーチしていました。その中で日本からの持参物を確認していったわけですが、今振り返ってみて持ってきて良かったものを少しご紹介したいと思います。特にお子様連れでの渡米を検討されている方にとって渡米準備の一助となれば幸いです。

Slingbox
せっかく子供が教育テレビに慣れ親しんできた頃なのに、これから2年間も見れなくなるのは(親的にも)辛い・・・。そんなあなたに朗報です。このSlingboxを使えば、Web回線さえあればどこでも日本のテレビが見れるようになります。仕組みとしては、日本でレコーダー(ブルーレイ等)にSlingboxを接続しておき、そこで受信した番組をスマホやタブレットで視聴するというものです。遠隔でレコーダーを操作するので録画もOKです。我が家では日本の実家にSlingboxを置かせてもらい、そこから飛ばす電波をアメリカのiPadで受信し、さらにそれをApple TVでテレビに映すことで、日本のテレビ番組を視聴することができています。
「せっかくアメリカに来たのに日本の教育テレビなんて・・・」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、特に渡米してアメリカ生活に慣れる頃までは教育テレビに本当に助けられました。やはり子供にとっては見慣れた番組の方が安心感があるようです。(余談ですが、渡米後約8ヶ月がたった現在、我が子は教育テレビに加えてディズニー映画にどハマりしています。脳内では良いバランスで日本とアメリカが融合しているようです)月額料金などはありません。設置方法など詳しくはWebサイトをご確認ください。(http://www.slingbox.jp/product/slingplayer.html

・絵本
ニューヨークなどの大都市には紀伊国屋書店など日本の書籍を扱うお店が存在しますが、アトランタで日本語の本を購入することはほぼ不可能です。Amazon.co.jpで海外発送するという方法もありますが、配送料を考えるとあまり頻繁には利用できないと思います。よって、特にお子さんの本などについては渡米前に買い込んでくることをお勧めします。

・おもちゃ
日本で使い慣れたおもちゃを持ってくるのがベストだと思いますが、アメリカのおもちゃも質は高いです。Emory近辺のお店(Targetなど)でもたくさん売っています。レゴブロックはアメリカの方が安価なような気がしますが、男の子大好きトミカ・プラレールはお目にかかれません。もちろんアンパンマンもいません。ただしトーマスのおもちゃやシルバニアファミリーシリーズはよく見かけます。

・オムツ関係
心の平静のため、最初のうちは使い慣れたものを使った方が良いです。よって、日本からある程度の量を持参すべきと思います。アメリカで購入することになった場合、日米で扱っているオムツの種類に違いがありますので、渡米前に一度ご確認ください。ちなみに我が家では現在ハギーズとパンパースにお世話になっています。
一方でお尻拭きに関しては日本と同レベルのものを購入できますが、時折妙な香料が付いていたりするので購入時は注意が必要です。我が家は現在アメリカで購入したものに使用していますが、特段問題は生じていません。

・お風呂グッズ
住居にもよりますが、ユニットバス型の家がほとんどですので、可動式のシャワーヘッドは必須です(アメリカで購入可能)。また手桶は近くの量販店でもIKEAでも見かけませんので、日本から持参することを強くお勧めします。(ちなみに最寄りの無印良品はニューヨーク店です)。お風呂用おもちゃはアメリカの方が種類が多く、楽しそうなものが多い印象です。

・食事グッズ
乳児用の冷凍用の離乳食小分けパック、矯正箸はアメリカでは購入が難しいので、必要であれば持参しましょう。ただしアメリカでは離乳食は手作りよりも既製品を購入するのが一般的なようです。また、お子さんをプレスクールやデイケアに預ける場合、学校によってはお弁当の持参を求められます。アメリカのお弁当グッズはお世辞にも使い勝手が良いとは言えず、種類も少ないので、日本で準備してくる方が良いと思います。

・風邪薬
アメリカの市販薬は良く効くと言われていますが、やはり日本で使い慣れたものがあった方が安心できると思います。特に掛かりつけのお医者さんがいる場合などは事前に良く相談して多めに処方してもらうことも手なのではないでしょうか。生活に慣れるまでは風邪もひきやすく、かつ病院にも行きにくいと思いますので、ここは結構重要なポイントです。その他、熱さまシート・スポーツドリンク粉末・座薬・子供用イチジク浣腸等はアメリカではほぼ購入できないと思っていた方が良いです。
また、アメリカでは温度単位として華氏(F)が用いられることから、風邪を引いた際の検温用として日本での体温計(摂氏(C)表示)を持参されることをお勧めします。

・体重計
アメリカでは重量の単位としてg/kgではなくlb(ポンド)が用いられます。よって、お子さんの体重管理をされたい方は日本からkg表示の体重計を持参されることをお勧めします。



以上、思いつく限りで日本から是非持ってきた方が良いものをリストアップしてみました。インターネットで検索すると過去の留学経験者(学校・学部問わず)の経験談がたくさん出てきますので、ご自身の家族構成と照らし合わせながらご覧いただくと良いと思います。個別に準備面で不安な点などがございましたらいつでもご連絡ください。

Taku

2017年3月14日火曜日

私の履修科目 - Spring Semester編

こんにちは、Class of 2018CYです。

先週、3rd roundの結果が発表になりました。私も去年3rdで出願したのですが、あれからもう1年経ってしまったかと思うと本当に感慨深いです。
このブログをご覧の方でWaitlist対策をされている方、4th roundに出願されている方もいらっしゃると思いますが、最後まで諦めずに頑張ってください。キャンパスビジットやメール・スカイプでのご質問など、できる限りサポートさせていただきます。


さて、今回は私の履修している春学期選択科目から一部をご紹介したいと思います。


-Marketing Channel Strategy and B2B Marketing

春学期の履修科目に分類されていますが、実際は冬休み期間の1ヶ月で終了する短期集中クラスです。この授業は顧客への価値提供を最大化させるための販売ルート(チャネル)戦略をテーマとしています。例えば、メーカーの立場では小売に直接販売するのか卸や代理店を経由するのか、小売の立場では店舗販売かオンラインか、さらにオンラインの場合は自宅配送かストアピックアップか等、チャネル毎に提供できる価値が異なります。フレームワークを用いたチャネル別のバリュー・マージン・価格分析を通じて、最適な販売チャネルのつくりかたを学びます。他にもマーケティングシミュレーションや各分野からゲストスピーカーが5名も招かれたりと短期間ながらも充実した内容となっています。


-Financial Statement Analysis

財務諸表の分析に特化したクラスで、セメスターの前半は各社の有価証券報告書から隠れた不正会計や業績の悪化などを読み解いていきます。後半は、財務諸表の数字に基づいたキャッシュフロー分析や将来の収益予測を学びます。ほぼ毎回新しい有価証券報告書を読んでいかなければならないので非常に負荷が高いのですが、秋学期の必修科目に駆け足で学んだ会計知識を改めて理解し直す良い機会になっていると思います。ちなみに、毎回授業の最後はIlya Dichev教授のジョークで締められます。正直なところ7割は意味がわからない、3割はオヤジギャグですが、教授が嬉しそうに言うので後からジワジワ来る面白さがあります。意外と?他の学生からも好評のようです。


-Managerial Accounting

いわゆる管理会計のクラスですが、セメスター前半では財務会計との違いやコスト計算手法といった知識の習得で終わらず、それらをどのように経営判断に使うのかを毎回ケースを用いて学びます。後半は組織論を扱う予定なのですが、General Managementの観点からも学びがありそうですし、前半の内容とどのように繋がっていくのか楽しみにしています。担当のKarl Schuhmacher教授は昨年GBSに来たばかりの若い教授なのですが、学生からの質問にも丁寧に答えてくれますし、毎回75分間ずっと熱意を持って教えてくれます。余談ですが、教授はドイツ出身の爽やかイケメンで一時GBS女子学生の中で話題騒然となりました。


ちょうどセメスター後半に入ったばかりのため、前半までの受講内容からのご紹介になりますが、GBSにはどんな授業があるのかご参考になれば幸いです。

2017年3月5日日曜日

GBSの必修科目について

こんにちは、Class of 2018のIchiです。

先日キャンパスビジットされた方とお話する中で、1年生の秋学期(必修科目)について振り返る機会がありました。

今回は私にとって特に印象的だった必修科目の教授についてご紹介させていただきます。


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■Finance 担当 J.B. Kurish教授 (愛称JB)
*公式な経歴はこちらをご参照ください。

米国Yale大学でMaster、Illinois大学でPh.D.を取得。Wall Streetの投資銀行などを経て2006年からGBSの教壇に立つ。
大変エネルギッシュな講義が人気の教授です。GBSはコアクラスが3つあるので、教授は1日で3回同じ講義することになりますが、3回も同じ授業をしているのが信じ難いほどの熱量です。
また、レビューセッションをTA(Teaching Assistant. 主に2年生の学習担当者。)に任せる教授もいる中で、JBは週末早朝のレビューセッションも自ら教鞭をとり、普段の講義のような熱さで学生からの質問に丁寧に答えていきます。積極的に発言をしたり質問をする者を中心に沢山の学生の名前を覚えていることや、試験前には多くのオフィスアワー(教授のオフィスで質問できる時間)を設けてファイナンスの初学者でも困らないようにする姿勢が学生から好感をもたれている理由だと思います。

ちなみに昨年の最終講義では、過去に学生から貰ったという特注のTシャツを着てきました。私たちの学年だけでなく、先輩方の代から慕われていることが垣間見れました。


■Data & Decision Analytics 担当 Jeffrey L. Rummel教授

(呼び名はJeffまたはProf. Rummel)
*公式な経歴はこちらをご参照ください。

米国Rochester大学でMasterとPh.D.を取得。2009年からGBSの教壇に立つ。毎年コアなファン層が形成されており、「エレクティブ(選択科目)でProf. Rummelが担当の授業は全部履修した」という2年生が一定数いるというのはよく聞く話です。
またそのようなコアなファンではなくても、彼が好きだという同級生は少なくありません。
前述のJBと同じく、教えるのが好きですし、レビューセッションでは自ら教鞭をとります。学生とのインタラクティブなやりとりを好む姿勢や、難しい講義でも身近な題材に置き換えて分かりやすく説明する点、そして誰よりも講義を楽しんでいることが伝わってくる点が学生に好感をもたれる理由だと思います。

ちなみ大学主催のゴルフコンペで急に欠員が出た時には、学生たちを誘って一緒にゴルフをしていました。このような距離の近さも彼の魅力の一つです。
(ゴルフは全く経験のない私ですが、ゴルフができたら良かったな…とそのときは後悔したものでした。)

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上記の2人の他にもMarketingのHamilton教授なども大変人気で、秋学期の最後には同級生たちがそれぞれ自分の好きな科目の最終授業の写真を撮ったり、それをFacebookに投稿しているのが印象的でした。
私はMBAに入学するまで、各校の強みや特徴は選択科目であらわれるものだと思っていましたが、教授の魅力やそれによって縮まる教授と学生の距離はGBSのひとつの特徴だと思いました。


今回は私の個人的な印象を綴った投稿になりましたが、少しでもGBSの中の雰囲気をお伝えできたら幸いです。

引き続き受験に取り組まれている皆様はお忙しいことと思いますが、季節の変わり目ですのでどうかお体に気をつけてください。
皆様にとって納得のいく受験生生活になることをお祈りしています。