皆様、新型コロナが話題を席巻する中、いかがお過ごしでしょうか。
エモリーの隣には日本のニュースでもよく聞くCDC(疫病研究機関)があり、先日トランプ大統領も訪問されたようです。エモリーでも春学期残りの授業全てオンライン、かつ、通常の卒業式は中止、となってしまい、残り2カ月あったはずののMBA生活が、なんだかもう終わってしまったような感じがしております。何はともあれ、健康は大切なので、健康には注意して過ごしたいものです。
さて、今回は、Goizuetaにおけるリーダーシップを学ぶ機会について、説明したいと思います。
似たような内容について、ShigeさんのLeadership Courseについて、という以前のブログがあるのですが、アップデートがありますので、そちらを適宜参照しつつ説明していきたいと思います。
まず、現在、GoisuetaにはLeadership Certificate(詳細はこちらのEmory website)があります。ある要件を満たすとCertificateを取得できます。要件は、主に以下のように、①授業、②体験型プログラム、③エッセイ、から成ります。Certificateを取得する流れの中で、リーダーシップに関する基礎的な知識を①授業で学び、それを②体験型プログラムを通して実践し、③エッセイを通して反省するという中で包括的にリーダーシップについて学ぶことができる仕組みになっています。
①授業と③エッセイについてはまぁいいかなと思うので、本稿では②体験型プログラムについて詳細を説明いたします。ただ、念のため、授業について触れると、Advanced Leadership の授業は、ジェネラル Keenという軍隊上がりの教授がレクチャーをしてくれます。Wikipediaの記載がかっこいいです。ハイチの地震の際に陣頭指揮を執った方で、それらの経験を踏まえてレクチャーをしてくれるので、非常に迫力があります。
②の体験型プログラムについては、以下の四つがあり、このうち二つの取得が必須です。
・Leader's Reaction Course (LRC)
・Leadership Coaching Fellow (LCF)
・Goisueta Advanced Leadership Academy (GALA)
・Impact Coaching Fellow (ICF)
私は、後半二つのGALA, ICFを行いましたのでこれらについて説明します。なお、LRCとLCFについては、Shigeさんのページに記載がありますので、そちらをご参照ください。
ICFについて
まず、Goisuetaでは、1年生の春学期にImapct 360というHands-onプログラムがあります。こちらやこちらのブログに説明があります。ICFは、このプログラムに参加しているチームのコーチングを行うというものです。この辺はShigeさんのLCFというコアチームへのコーチングと似たところがあります。
個人的には、このプログラムの特長は、セメスターを通して、我々にもプロフェッショナルコーチなるものがつく事です。私の場合は、Emoryでモチベーションについて研究している心理学の先生が私のコーチをしてくれています。 実際に打ち合わせに参加して、私の発言を評価してくれ、「次のフェーズで効率的にチームが動くために今必要なことは何か」「チーム員の学びを最大にするための質問は何だと思うか」など、実際に私に対してコーチングを行いつつ、私のコーチングスキルを高めてくれます。こういったプロフェッショナルな人にある一定期間を通してアドバイスをもらえるというのは、Emoryならでは、本プログラムならではの良さだと思います。MBA卒業後は部下を持つ方も多いかと思いますが、その際の接し方においても、非常に参考になるかと思います。
GALAについて
GALAは、2月末から3月上旬にかけてあるMid Semester Module (MSM)というものの中の一環として選択可能です。動画はこちら。MSMについては、国内MSM、海外MSMなどがあり、こちらやこちらのブログに詳細があります。いわゆるJapan TreckもこのMSMの一環です。
GALAは、決められたチームでヨットに乗り込み、1週間セーリング(風の力で動くやつ、エンジンなし)で航海しながら、リーダーシップを養うというプログラムです。説明が難しいので以下箇条書きに特徴を述べます。
- エッセイなどで事前に選抜された約20人が参加し、5-6人を1チームとし、4つのヨットに割り振られます。
- プログラム前、およそ1カ月かけてチームビルディングを行います。
- プログラム中は、毎日課題が出題され、4つのヨット間で競い合います。
- 課題の内容はGoizuetaとのNDA契約のため、ここでは公開できません。笑。ただ、しっかり練られた課題でcomfotable zoneから抜け出すには十分なものです。
- その課題を解決するにあたっての試行錯誤やチーム内トラブルなどを通して、リーダーシップを学びます。
- 一日の流れとしては、6時半頃朝食、8-15時が課題、15-17時がアクションレビュー(反省)、その後、晩御飯、と同時に次の日の課題が出題され、夜の間に作戦会議、就寝という流れです。
- ワンピースのように、船長、操縦士、航海士、エンジニア、コック、という役職があり、毎日異なる仕事を行います。なお、コックがいることからわかるように、ご飯はすべてヨットの中で作ります。夜は錨を下ろして船で寝ます。僕は気持ちよかったので、ヨットのデッキの上で星を見ながら寝ました。
- 場所はカリブ海なので温かいし海もとてもきれいです。
- ヨットには、学生のほかに、リーダーシップの授業を執り行う教授が1名が配置され、些細な行動などをチェックしています。その日のアクションレビューの場で、「なぜこの場でこういう行動をしたのか」など、振り返りを助けてくれます。各艇1人教授がつくことからもエモリーが本プログラムに力を入れていることがわかるかと思います。
雑多ですが、イメージはつきましたでしょうか…。
ヨットの上で起こる問題はとても些細なことなのですが、アクションレビューでは、それを実ビジネスの世界に展開して議論しました。その類似性の多さに少し感心しました。(ヨットでもビジネスでも、風向きが変わると計画を立て直さなければなりませんし、遠くを見すぎていると自分の居場所を文字通り見失ったりします)。リーダーシップとして学んだことは、ビジョンの共有などとてもシンプルなことなのですが、PDCAを毎日回した濃縮された一週間の中での実体験だったので、学びは非常に大きかったように思います。
また、未だにドメスティックな私にとっては、アメリカ人と一週間寝食を共にするというだけでも非常にout of confortable zoneだったので、そういうところに飛び込む度胸はついたかなと思います。また、そんなアメリカ人とも最終的には何でも言い合える仲になれ、非常に貴重な友人を作ることもできました。個人的には、こういったプログラムの類の中で、Goizuetaの中で一番充実感のあったプログラムでした。なお、こういったプログラムは他校にはないとのことなので、興味がある方はぜひGoizuetaに来て、参加していただけると嬉しいです。
以上が、Leadership Certificateについての簡単な説明と、その中の体験型プログラムであるICFとGALAの説明になります。
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goizueta_jp_student@googlegroups.com
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