新年明けましておめでとうございます。今年も読者の方々に楽しんでもらえるような記事を書くべく、在校生一同頑張って参りますので、どうぞよろしく願いします。
ここ最近はキャンパスビジットをされる受験生の方も増えてきました。お会いしていると、昨年の今頃は自分も受験活動真最中で寿命を削りながらもがき続けるハードな日々だったなあと嫌な思い出が蘇ります。ハードな日々といえば、この8~12月の約半年も負けず劣らずハードでした。そんなハードな秋学期は基本的にコア(必修)科目を履修していたのですが、いくつか個人的に興味深い授業がありました。以前の記事ではMarketingのコア科目を紹介しましたが、今回はStrategyのコア科目である「Leadership and Organization Strategy」について書こうと思います。
この授業は組織戦略、チームマネジメント、リーダーシップの在り方に関する総論的授業です。Brad Kilally教授が教鞭を取っており、全体的によくオーガナイズされた授業ということで評判でした。内容は下記3つの観点で構成されており、テキストと実在の企業(Dell, Wal-Mart, P&Gなど)のケースをもとに、各自分析して授業で議論するというスタイルで進められました。3つの観点について説明しますと以下のような感じです。
#1. 企業の強み分析
企業戦略を検討するための材料として企業の強み、つまり差別化要因を見極める手法を主に学習しました。具体的には5フォース分析、ARC分析
といったフレームワークや、垂直/水平統合などの概念を活用し、差別化の要因を外部/内部の両面から評価するというものです。その要因は低価格、高品質、企業文化、人材活用など多岐にわたりますが、それらの要因分析手法を、議論を交えながら学びました。
#2. チームマネジメント
組織戦略を効果的に実行するためのチームの在り方について学びました。いわゆる信頼関係の重要性やチームワーク構築のポイント等です。
#3. リーダシップ論
#2と強く関連する所ですが、リーダーとして意識すべきこと、部下の能力発揮を促進するための心得などを学びます。例えば、権限執行のスタイルの分類(authoritativeとかdemocraticとか)、権威が人間のモラルをいかに低下させるかといった話です。ケースとしてはWorldcomなどがあり、掻い摘んで言うと「下手な振る舞い方をすると部下の能力・モラルが落ちて大変なことになるよ」という内容でした。失敗から学ぶ系が多かったのですが、欧米は成功から学ぶスタイルが主流と聞いていましたので個人的にちょっと意外でした。
ただし、これら3つの観点で構成されているものの、#1の企業分析フレームワークを活用するための授業がメインで7割くらい、その他は3割といった比重でした。また、2,3は1に比べるとソフトスキルの範疇が大きく、概念的には理解できても実践は難しい分野だと思います。自身の経験/個性だけでなく、状況、相手の個性に応じて、正解が変わってくる世界なので、むずがゆさを覚える同級生も結構いるようでした。
いずれにせよこの授業は分析→戦略決定→実行といった流れと上記の各軸を合わせて学ぶ構成で、この構成を意識しながら学習している感覚が持てたので、本当によくできた授業だなあと感心しました。正直、個人的には日本の大学の授業では考えられないレベルだと思います(サボりの多い典型的なダメ学生だったから気づかなかっただけかもしれませんが・・・)。またInternational Studentへの配慮なのか、授業の内容はちゃんと電子ファイルにまとめて配布されるので、リスニングがダメな私には本当に助かりました。
反面、宿題(読み物)が多い、コールドコール(教授が無作為に指名して答えさせること)がある、試験が難しいなど、その負荷の高さも随一であり、テストの後はこんな気分でした。
これもMBAの醍醐味なのでしょうが、今学期はこうならないことをただただ祈るのみです。
Class of 2013 A