米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2012年3月28日水曜日

India Trip (Mid Semester Module)

こんにちは。日本ではチラホラ桜が咲き始めて心躍る季節と思いますが、皆さんはいかがおすごしでしょうか。アトランタでは春が終わり、もはや夏です。タイムゾーンの西側ということもありますが、8時頃まで明るいです。春を満喫する暇はなかったです、残念。



さて、今回はMid Semester Moduleという授業の中のIndia Tripについてご紹介します。Goizuetaでは3月頭から中旬にかけて、Spring Breakで春休みとなりますが、その間完全に休みという訳ではなく、Mid Semester Moduleという必修授業があります。このModuleはいくらかの科目を提供しており、各々興味に沿って選択する形になっています。私はその中のIndia Tripという授業を取りましたが、今年は中国、ニカラグア、南アフリカなどもありました。年度によっては欧州、日本などなど随時変更になります。さて、このIndia Tripは17日間に渡ってインドを旅し、インドの経済、文化、哲学を学んで、ほかの国のビジネスがどのような感じか、実地で学ぼうという趣旨で、Goizuetaの目玉授業の一つになっています。総勢34人のメンバが集い、ざっくりですが下記スケジュールでインドを巡りました。



1~8日目:デリー(Taj Mahalなどの観光とCoca Cola India、Suzukiなどの企業訪問)

9~13日目:林間学校+臨海学校(山地でキャンプ、ラフティング、海辺の宿泊地で休養)

14~17日目:ムンバイ(Tata本社、Bombay Stock Exchange、Aditya Birlaなど訪問、Elephant Caveなどの観光地、世界最大級スラム街のDharavi訪問)



かつてインドに住んでいた友人からその混沌ぶりを聞かされていたため、びびっていたのですが、ホテルやレストランなどは一流であり、ツアーガイドも非常に楽しいおじさんだったので、肩透かしをくらった気分でした。



また、企業訪問は非常に興味深かったです。各ミーティングは1時間程度でしたが、インドの政治・経済の実情を交えながら、スピーカー自らの意見を交えた企業戦略の話など、色々と聞くことが出来ました。個人的に面白かった点は、



(1)インド人は新しいものでもすんなり受け入れる

コカコーラ社曰く、インドの商習慣やインド人の性格的な点は、あまりビジネス上影響なかったそうです。インド人の考え方は独特でタフネゴシエーターだとか、色々聞いていたのですが、コーラやシリアルなどの新しい味もすんなり受け入れ、スムーズにビジネスを展開できたそうです。



(2)インドの実情

インドマフィアの衰退(パキスタンなどに散った模様)でビジネスがやりやすくなり(?)、若年層の爆発的増加により内需がさらに高まる状況にある一方、各州の独立性の強さから、国としてのダイナミックな改革(インフラ整備など)が遅れており、製造業などではロジスティックな問題があったりするそうです。



(3)Suzukiの工場見学

Suzukiがインド自動車市場の約50%を押さえているのは有名ですが、そのSuzukiの工場を見学できたのは、楽しいと同時に日本人として誇りに感じる所がありました。私もメーカー勤務なのですが、Suzukiの先見性の高さと、インド人の求める価格帯で高品質製品を提供できる生産性と技術力に、ただただ感服しました。これは私の勝手な感想ですが、工場で働いている人々も生き生きとしており、Suzukiの一員であることを誇りに思っているかのような表情がみられ、本当に素晴らしい企業は、モチベーションの高い従業員に支えられているのだと実感しました。



(4)世界最大級のスラム街

さらに印象的だったのはDharaviというムンバイの一角にある街です。スラムと聞いていたので内心ビビっていたのですが、衛生面は気になるものの、街の人々の表情は精気で満ちていました。街ではリサイクル産業が盛んで、ぼろぼろの小屋の中でプラスチックを溶かしたり、石鹸を作ったりしていて、何でもありの状況でした。よく火事にならないものです。また、その横をピッチリ横分けの身なりのいい賢そうな子供達が学校に向かう姿は何ともシュールでした。



最後に良かった点ですが、同行したクラスメート達と仲良くなれたことです。今まで接点のなかった2年生ともたくさん話すことが出来ました。それに、英語だけの環境で疲れて日本語シックになった時も、皆が気を遣ってくれて、GoizuetaのCommunityの暖かさを再度実感しました。このIndia Tripはインド経済、ビジネスを学ぶという趣旨ですが、共同生活を通じて、仲間同士で絆を深めるという点も大きかったと思います。ある意味、インドよりアメリカ人を深く学べた旅だったかもしれません。



このような機会は大抵のB-Schoolが提供していますが、皆と親密になれるSmall Schoolで行く旅は、楽しさ倍増、ずっと思い出深いものになると思います。人との繋がりを大切にしたい人にとっては、本当にGoizuetaは最適な学校だと感じた授業でした。







Class of 2013 A