受験生の皆様、卒業生の皆様、そして興味を持ってブログを読んで頂いている皆様にとって、2013年も素晴らしい一年になることを、在校生一同 祈念致します。
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ゴイズエタビジネススクールのセメスター交換留学プログラムを使って、2012年秋学期(9~12月)をフランスのHEC Paris School of Managementで過ごし、この年初にアトランタに戻って来ました。
パリでは素晴らしい学校、新しい友人、美しい街並みに囲まれて、アトランタに負けず劣らず最高の経験をすることができました。人脈も増え、欧州文化の多様性を身をもって理解することもでき、欧州MBAならではのビジネススキルを得ることもでき、まさに良いこと尽くしでした。交換留学は、本当におすすめのプログラムです!
アメリカ・ヨーロッパ双方のビジネススクールを経験した人は多くはないと思うので、今日は、アカデミックな面について、米・欧のビジネススクールの違いに関して私が感じた違いを記したいと思います。
(セメスター留学の制度概要やパリでの生活については、こちら ← の過去ブログをご覧ください。)
私がHECに行って一番最初に感じた、Emoryとの決定的な違いは・・・
昼休みが2時間もあること...!フランス人、どれだけ昼飯の時間大事なんだよ!
(Emoryは、選択科目になると特別な昼休みはありません。授業の組み方次第で自分で昼休みをつくるか、あるいは授業に軽食を持ち込んでつまむか、どちらかです。)
と、どうでも良い話はさておき、以下にまじめに米・欧のビジネススクールの違いを記します。特に近年は欧州のMBAも人気なので、受験生の方の中にも、アメリカMBAか、ヨーロッパMBAが迷われている方もいらっしゃると思いますので、判断の一助になれば幸いです。
(なお、以下では、私のEmoryでの体験をアメリカMBAとして、HECでの体験をヨーロッパMBAとして一般化して記します。一口にアメリカMBA・ヨーロッパMBAと言っても学校によっていろいろな違いがあることは重々承知しておりますが、ブログ読者の皆様に米・欧間のMBAの違いを分かりやすく理解して頂くために敢えて一般化していることを、ご理解下さい。)
アメリカのMBAは2年制プログラムが主流(注:Emoryには1年制プログラムもあります!)ですが、ヨーロッパのMBAは1年~1.5年が主流です。私が交換留学をしていたHECは、16か月のプログラムでした。ヨーロッパのMBA学生は、限られた短い時間の中で、ビジネスで使えるスキルを身につけ、就職先を探さなければなりません。そのため・・・
① ヨーロッパのMBAは実践的なスキルを身につけることに重点が置かれている印象を受けました。例えば、M&Aの授業ではM&Aにおける準備書類に至るまで細かなプロセスを、エクセルモデリングのクラスでは高度なエクセル機能の詳細な使い方を、具体的にレクチャーしてもらいました。
アメリカのMBAでは、ビジネスの本質を理解するために、例えばリーディング課題として学者が書いたアカデミックな論文を相当量読むことを要求されたりするなど、アカデミックな面と実践的な面をバランスよく学ぶことが推奨されている感がありますが、ヨーロッパは少し違うと感じました。
② ヨーロッパのMBAの課題やテストの負荷は、アメリカに比べて軽めに感じました。短期間で就職先を探さなければならないヨーロッパMBAの学生には、アメリカMBAと同量の課題やテストを課すことは、現実的に難しいのでは、と思います。私は社費派遣で仕事を探す必要が無いので、ヨーロッパでは予想以上に自由な時間を持つことができました。
US MBA |
EU MBA? |
2. 学生プロフィール・授業スタイルの違い
EmoryのMBAの平均年齢は28歳ですが、HECは30歳を超えています。このように、一般的に、ヨーロッパのMBAは学生のビジネス経験に重きを置くために、平均年齢が高い傾向があります。また、ヨーロッパのMBAはアメリカほど授業中のディスカッションに重点を置いていない印象を受けました。
これらの背景のため・・・
① ヨーロッパのMBAは、学生たちがより成熟して、落ち着いている印象を受けました。授業中には、ビジネス経験豊富な学生たちが、実体験を交えていろいろな話をしてくれるため、学生から多くのことを学ぶことができました。
EU MBA |
US MBA? |
また、アメリカのMBAでは非アメリカ人比率が30~40%の学校が普通だと思いますが、HECの非フランス人率は85%にも及び、クラスの多様性は想像を上回るものでした。例えば、Geopoliticsの授業で教授が中東の話をした時に、「おれイラン人なんだけど・・・」と中東情勢を語り出すイラン人学生がいたり、ノルウェーの話題になった時に「ノルウェーは近いから大体分かるよ」と言って手を挙げるスウェーデン人がいたりと、非常に興味深い話を多々聞くことができました。
アメリカのMBAでは中東人、ヨーロッパ人は珍しいので、この多様性はヨーロッパのMBAならではのものだと感じました。
② 欧州のMBAは、アメリカほどグレーディングに占める授業中の発言の割合が高くなく、かつコールド・コール(手を挙げてないのに指名されて発言を求められる)されることもほとんどないため、リラックスして授業に臨める環境にあると感じました。また、上述のように課題自体も少なめのため、一つ一つの課題に時間をかけて取り組むことができます。
一般的に日本人のMBA学生は、帰国子女でない限り英語で苦労する人が多いと思いますが、発言がそれほど重視されないこと、課題をじっくり時間をかけてできることから、英語が苦手な日本人でも高成績を取りやすいと感じました。
ぶっちゃけた話をしますと、私の交換留学中の成績は、Emoryの成績よりもだいぶ良かったです。HECはヨーロッパのトップスクールのため、学生のレベルは決して低くないどころかもしかしたらEmoryより上かもしれませんが、グレーディング基準や環境の違いで、日本人にも成績が取りやすかったようです。
簡単に書きましたが、私が感じた米・欧MBAの違いは、上の通りです。
まとめるなら、
− アメリカMBAは、よりコンペティティブでインテンシブな環境で、スキルと理論をバランスよく学ぶことができる!
− ヨーロッパMBAは、実践的なビジネススキルを、より多様かつ成熟した学生の刺激を受けながら学ぶことができる!
当然ながら、アメリカとヨーロッパのどちらが良いかは人それぞれです。しかしながら、正直なところ どっちも良いな~、というのがほとんどの人の感想ではないでしょうか?
そう思った受験生の方は是非、ゴイズエタビジネススクールに来て、交換留学プログラムを通じて両方経験してみてください!欧州だけでなく、アジア、南米など、いろいろな選択肢があります。
最高の経験になること、間違いなしです!!
Ko
Class of 2013