米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2018年6月12日火曜日

Spring Semester & MSM レポート

こんにちは、Class of 2019のTomoです。
現在、2yearプログラムは、夏休み中です。
今日は、先月に終了したSpring Semesterで履修した授業とSemester中にあったMid Semester Module(MSM)について、簡単にご紹介したいと思います。


 1.授業
今学期は、以下の6つの授業(2つがCore、4つがElectiveの授業です)を履修しました。
①IMPCT360 (Core)
前回のブログで詳しく紹介されていましたが、コンサルの手法を学び、実践する授業であり、GBSの目玉授業の一つです。
前学期に学んだコンサルの基礎を活かし、今学期には、実際のクライアント企業からの依頼を受けて、ソリューションを提案する、という実践型の授業です。
私のチームのクライアントは、フィンテック関連のベンチャー企業であり、金融取引における不正防止に関するソフトウェア等を提供している会社でした。
当該会社が米国のAnti-Money Launderingの市場への進出を検討しており、それに対して、レコメンデーションを提案する、というもので、約4か月かけて、クライアントとのミーティングや、チームでのリサーチを行いながら、クライアントに対して、最終プレゼンを行いました。
その後、私のチームは、セレクションを通り、300人以上のAlumniFacultyが集まるコンペティションで、プレゼンを行うことができました。残念ながら、表彰を受けるまでには至りませんでしたが、非常によい経験になりました。

②Leading with Emotional Intelligence (Core)
リーダーシップについての授業です。
チームをリードしていくにあたって、自分の感情をいかにコントロールするか、チームメンバーの感情をいかに考えて導いていくか、自分特有のストレスをいかに把握し、解消していくか等を学びました。
ディスカッションベースの授業で、付いていくのに苦労はしましたが、様々な国の学生のリーダーシップに関する考え方の違いに触れることができました。
授業の中では、日本人は感情を表現するのが不得意で、笑顔の練習をするセミナーに通っている、という半分誤った情報も紹介されていました。

③Project Finance (Elective)
プロジェクトファイナンスのスキームや、メリット・リスク、ファイナンスモデル等について、学びました。
教授が、実際に金融機関でプロジェクトファイナンスを担当していた人で、かなり実務的な内容になっており、現地の政府との交渉にあたって、贈賄防止の観点から気を付けるべきことといったファイナンスの授業とは思えない内容もありました。
複数のゲスト講師によるレクチャーもあり、プロジェクトファイナンスを多く手掛ける弁護士や、金融機関でのプロジェクトファイナンス担当者等の話を聞くこともできました。

④Managereal Accounting (Elective)
管理会計の授業です。コスト分析・配分や、権限の分配、業績評価制度、報酬制度等、会計をいかに企業の意思決定に結び付けるかを学びました。
制度会計には慣れていたものの、管理会計は、より経営の意思決定に直結する考え方で新鮮でした。

⑤Financial Statements Analysis (Elective)
財務諸表分析の授業で、実際の企業のForm 10-Kを使い、事業内容・会計方針・利益構造・財務指標の分析や、フォアキャスティング及びバリュエーションを行いました。
現時点から振り返ってみて、問題のあった企業の財務諸表の分析なので、問題点は比較的明らかであり、実際の企業の現在進行の財務分析とは異なるとは思いましたが、財務諸表分析について、プロセスや着眼点等を体系的に学べたのは、有意義でした。

⑥Corporate Governance (Elective)
Corporate objective, Corporate fraud, Diversity, Executive compensation, Activist shareholder等のコーポレートガバナンスのトピックについて、幅広く学ぶ授業でした。
ほぼ全ての授業が、ゲスト講師によるレクチャーで構成されており、エンロンの破産時の弁護士、ISSスタッフ、女性取締役、元アクティビスト投資家、役員報酬アドバイザー、SECアトランタオフィスのヘッド、Fortune500企業CEOと、幅広い属性のゲスト講師によるレクチャーを受けました。

2.MSM
Spring Break中の2/27から3/10にかけて、参加しました。既定のテーマに合わせて、海外で企業訪問等を行い、各地のビジネスや文化を学ぶというプログラムです。
複数ある行き先の中から、私は、イスラエル・UAEを選択し、エルサレム・アブダビ・ドバイの3都市を訪問しました。
①エルサレム
イスラエルは、現在、ベンチャーの起業が非常に盛んで、毎年800社以上のベンチャー企業が起業されており、ベンチャーキャピタルの総額がアメリカ・中国に次いで3位(日本の約3倍以上)となっています。
実際にイスラエルの経営者とミーティングを行い、イスラエルでの商習慣やビジネスの特徴等を学びました。
また、過去から、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教によって争奪が繰り返された旧市街を訪れ、エルサレムという都市の歴史やそれぞれの宗教において持つ意味を学びました。

②アブダビ
アブダビでは、フェラーリパークとMasdar cityを訪問しました。
フェラーリパークは、フェラーリが世界で初めて建設したテーマパークです。赤というイメージカラーで統一された外観や、スピードをテーマとしたアトラクション等、フェラーリのブランドをいかに消費者に浸透させるか、という観点から、フェラーリのマーケティング戦略を学びました。
Masdar cityは、先端エネルギー技術を駆使してゼロ・エミッションをめざすエコシティです。現在、建設途中ではありますが、太陽光・風力による発電、建物の構造を活かした空冷設備、完全自動運転車等を用いたスマートシティになっています。

③ドバイ
ドバイでは、Dubai Duty freeNakheelを訪問しました。
ドバイは、意外にもオイルマネーによる収入はほとんどなく、産業の中心は観光業であり、しかも全体の25%は空港関連の収入になっています。そこで、ドバイ空港にある世界最大の免税店であるDubai Duty Freeの売り上げも拡大を続けており、ドバイ空港を訪れた観光客に非日常の空間を提供し、いかにショッピングにお金を使ってもらうか、考え抜かれた設計・サービスとなっていました。
Nakheelは、有名なパーム・ジュメイラ(ヤシの木の形をした埋立地に、ホテルや住居棟を建設)やザ・ワールド(世界地図の形をした無数の人工島に、ホテルや住居等を建設)等の建設をしたデベロッパーです。環境に気を使いながら、ラグジュアリーな住環境を提供しており、ドバイを代表する会社といえるかと思います。
また、ドバイは、現在でも、超高層ビルが立ち並ぶ近未来的な都市でしたが、2020年に開催予定の万博に向けて、急速な発展を続けており、中心地では、あらゆる場所で工事が行われていました。


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