米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2021年4月21日水曜日

エモリーMBAプログラムとのシナジーを狙ったUSCPA受験


受験勉強お疲れ様です。

受験生の皆様におかれましては、3rd Roundの出願や、進学先選びなど重要な時期かと思います。是非最後まで悔いの残らないよう、頑張ってください!

MBAプログラムにおいては、1月から続いていた春学期が大詰めを迎え、5月中旬の春学期終了・卒業式に向け、いよいよラップアップの時期に入りました。

意外と知られていないのですが、エモリーMBAには、会計関連科目も多数ラインナップがあります。

今回は、エモリーMBAの授業とのシナジーを狙いながら米国公認会計士(USCPA)取得を目指す方法についてお伝えできればと思います。

 

そもそもUSCPAとは

USCPAとは(U.S. Certified Public Accountant)、米国の公認会計士資格です。

試験は、財務会計(FAR)、企業経営環境・経営概念(BEC)、監査論(AUD)、商法・税法(REG)の全4科目で構成され、全ての試験をパスし、州へ登録することで晴れて米国公認会計士と名乗れます。

会計士というと、「監査法人しかキャリアパスがない」と誤解されることが多いですが、
例えば、米国上場会社のCFOポジションの、USCPA保有者割合は約37%※と、
事業会社の財務セクションにおいても、その会計の専門性を武器にプレゼンスを発揮しています。

エモリーMBAの入学者の中にも、財務コンサルや監査法人出身者など、
毎年数名USCPAホルダーがおり、会計関連の授業におけるグループワークで議論をリードしています。

※ https://www.wsj.com/articles/companies-appointing-fewer-finance-chiefs-with-accounting-skills-11580293801



なぜ米国MBAでUSCPAの勉強をするのか?

1つ目は、専門性の追求です。

MBAのいいところでもあり、悪いところでもあるのですが、あらゆる領域の知識を総花的に習得できるようプログラムがデザインされているため、特定の領域・分野を突き詰めて学びを深めたい方にとっては、履修するコースを工夫したり、MBAプログラム外で自ら目標を課して自学するなどして自ら主体的に動いていく必要があります。

「MBAプログラムの内容もしっかり押さえながら、加えて、会計の専門性も追求したい」という方にとって、このUSCPAはまさにマッチしており、双方の勉強を通じ、学校のカリキュラムとのシナジーを狙えます。


また、2つ目は受験のしやすさです。

日本でこのUSCPAを受験すると、一回の受験ごとに海外受験手数料(約2万円)というよくわからない費用が発生、また、受験会場も限られているのに対し、アメリカで受験するとその費用がかからず、また、日本と比べ受験会場も多いため、受験にあたってのストレスが少ないといえます。


具体的にどう勉強していくか?

以下、科目別の受験およびエモリーMBAで開講されているコースの履修の進め方をまとめた一案です。

上がUSCPAの試験科目、下が、エモリーで開講されているコースのうち、USCPA取得に向けた学習とシナジーが期待できる科目です。



エモリーMBAでは、入学後の1年次秋学期に、複数の基礎科目の履修が義務付けられています。

具体的には、Financial Reporting & Analysis、Economics、Managerial Financeといった財務会計、ミクロ経済、ファイナンス科目です。

これらは、USCPAを構成する4科目のうちの2つ(FAR・BEC)と範囲が重複する部分が多く、授業で学んだことを復習しながら効率的にUSCPA対策を進めることができます。

同様に、1年次春学期以降も、講義で学びながら、その後、自分で復習して理解を深め、その延長線上で科目受験という形で、USCPAの科目合格を狙うことができます。

特筆すべきは、エモリーMBAで教壇に立つ教授陣の中には、実務経験者も多数おり、実務でのエピソードも交えながら講義が展開されるため、学生にとっては、学問領域を超えた、より多角的な視点を得ることができます。


Class of 2021の日本人7名のうち、私も含めた2名が上記の方法で学習を進め、全科目合格しました。また、日本人以外の米国外からきたクラスメイトも同様に、授業とうまく組み合わせて合格を勝ち取っていました。


コロナ禍のMBAでは、従来のような課外活動が制限され、また、外出の機会も減り、自分が自由に使える時間がこれまでになく多い環境にあります。

その中で、MBAプログラムに加えて、会計を力を入れて学びたいという方にとって、参考になれば幸いです。


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