米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2014年1月17日金曜日

アメリカの民主主義とは?(The Washington Campus)

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。Class of 2014のGです。
MBA受験シーズンの中、アプリカントの方々からGoizuetaについてお問い合わせをいただく一方で、気がつけば自分の留学生活はあと僅か。完全燃焼目指してコスモを燃やす今日この頃です。


さて、年明け早々、記録的な大寒波に見舞われたアメリカ東部ですが、そんな中、私は愛する家族をアトランタに残し、体感気温マイナス20度を下回る極寒のDCへと向かいました。アメリカの政治について学ぶためワシントンキャンパスに参加したのです。




ワシントンキャンパスとは、Goizuetaを含む全米17のビジネススクールにより運営されるNPOが提供する政治学習プログラムのことで(詳しくはこちら)、選択科目のひとつとして履修ができます。そもそもは、Ford政権で経済顧問を務めたWilliam Seidman氏が、当時、政策立案過程にビジネスリーダーが関与する機会が乏しかったことに問題意識を持ったことがきっかけとなり、1978年にスタートしました。その後、35年間ビジネススクールの学生に、政府の仕組みと機能、政策立案プロセスへの関わり方、アメリカが抱える課題と、政策がビジネスに与えるインパクトなどについて教えています。プロフラムはDCにおいて5日間の集中講義で行われ、年間を通じて複数回開催されています。


私が参加した今回のプログラムでは下記のトピックについて、政策コンサルタント、議員、ロビイスト、官僚、報道関係者、大学教授など各分野の専門家から、現場の裏話も交えレクチャーを受けました。特に、ソーシャルメディア利用の巧拙が政策よりも大統領選挙の結果を左右したという話が、アメリカの民主主義を考える上で特に興味深かったです。その他には、演習としてチームごとに予算削減、選挙対策シミュレーションゲームを行ったり、連邦議会、議員会館の見学などを行いました。


①アメリカ議会の仕組みと現議会の課題
②大統領の役割
③行政の機能と規制
④ロビイストの役割
⑤予算策定と財政赤字問題
⑥メディアと政治
⑦貿易政策とビジネスの関係
⑧現役議員との対話
⑨課税政策
⑩金融危機と規制
⑪消費者保護
⑫医療保険制度改革
⑬エネルギー政策
⑭中国とのビジネス
⑮ソーシャルメディアと政治


プログラム全体を通して、主にビジネスの視点から、国民(企業)の意思がどのようにして立法に至り、行政を通じてルールが運用されていくのか、そのプロセスと主要なプレーヤー達を直に把握することができるようになっています。私としては、改めて民主主義とは何か、アメリカの民主主義がいかに機能しているのか(or機能していないのか)について、その歴史と今、背景にあるアメリカ人の価値観について理解を深めることができ、大変有意義でした。また、政治的にも経済的にも日本と切っても切れないアメリカという国について、日本側からではなくアメリカの識者の視点から学ぶことができた点も今後のビジネスを考える上で収穫になった気がします。これからGoizuetaで学ばれる方々も機会があれば、是非履修されることをおすすめします。
それにしても、極寒のDCからアトランタに帰ってきて、その暖かさにホッとしました。南部最高!!


P.S. 今年もキャンパスビジットのピークシーズンが近づいてまいりました。私達にできることがあれば、全力でサポートさせていただきますので、どしどし在校生までご連絡ください。お待ちしております!