米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2015年2月8日日曜日

Emoryに進学して良かったと思うこと。

Class of 2016 のぐっさんです。

2月に入り、多くの方々がキャンパスビジットにいらして頂いておりますが、Emoryを受験して頂いている皆様に、改めて私なりのセールスポイントをご紹介することでEmory進学への思いを強めて頂ければ幸いです。

1.プログラムについて
MBAのプログラムに期待するものは人それぞれかと思いますが、私の中で最も優先度の高いものとしては、日本で行っていた業務を英語で同水準以上に行うという点があります。私の場合、バックグラウンドが証券会社でのIPOコンサルティングだったのですが、派遣元の投資銀行業務がなかなか上手く海外展開出来ていなかったので、その状況を打破すべくMBAでの経験を通じて、自分の知識を1段、2段とベースアップして行くことを目標としております。Emoryと言うとやはりマーケティング志向の方が多いかと思うのですが、流石全米のTOP20のスクールだけあって、ファイナンスやアカウンティングの科目も非常に充実しているというのが実感です。
この春学期の選択科目としては、ファイナンス、アカウンティング、アントレ系の授業を中心に取得しているので、いくつか私なりの所感を述べさせて頂きます。

■ファイナンス
・Applied Valuation: このクラスでは、とある未上場企業に対してValuationの提案をするというものであり、まさしく私が業務で行っていたことであり、それをアメリカで実際の企業に対して出来るというのは貴重な機会です。自分自身は10年間この業務を行っているので、自分なりのフレームワークはもっておりましたが、一度それをゼロベースにした上でValuationの手法を再確認することで、今までの自分になかった視点を得ることが出来ております。また、リサーチに関する指導が手厚いことも特徴として挙げられます。私の場合、英語での業務経験が殆どなく、日本にいる時も海外の情報ソースへのアクセスがネックとなっておりました。しかし、Emoryで度々リサーチに関するコーチングを受けることが出来たので今では迅速に必要な情報を入手し、今まで以上に一歩踏み込んだ考察を加えることが可能となりました。現在のところは、まだ日本語と同水準でValuationが行えるとは言えませんが、着実に一歩一歩とレベルアップしており、春学期が終わるまでにはそうなっていることが期待出来そうです。

■アカウンティング
・Financial Statement Analysis: その名の通り、財務諸表を分析するクラスなのでが、そこで扱うケースは非常に興味深いものがあります。例えば、今週の宿題ではボシュロム(コンタクトレンズでお馴染みの会社です。)を扱っているのですが、CEOの強烈なリーダシップの元で達成されてきた業績の背後にあった不正な会計処理についての分析を行っております。知らず知らずのうちに自分自身がそういう取引を行ってしまったり、またそういう取引を行う企業への関与を避けるためにも、この様なケースを学べるクラスが存在するというのはEmoryのアカウンティング教授陣の面白さかもしれません。なお、それ以外にも財務分析をする上でベースとなる様々な指標についての解釈や活用方法も、日本で得ている以上に深いレベルで学べておりファイナンスバックグラウンドの自分にとっても満足の出来るクラスです。

・Managerial Accounting: こちらは所謂管理会計のクラスとなります。授業では、管理会計におけるコストの扱い方を初歩から順々に追っていくことで単なるCVP分析等の手法の解説にとどまることなく、その情報をベースに如何にして意思決定を行うかということに重きが置かれております。教授は学生の学びに対するコミットメントが強く、要求水準も高いのですが、既存のケースに+αで質問を投げかけ、より深い洞察を学生に促しております。

上記の様に、今学期は財務会計・管理会計の授業を同時に取っておりますが、同時に学ぶからこそ両社の差異が見えてくることで、アカウンティングに関する知識が一層深いものになってきております。

■アントレ
・Entrepreneurship: 上記のクラスとは異なり、Evening(18時半開始、21時15分終了)のクラスであり、1・2年のフルタイムに加えて、Evening MBAの学生が多く在籍しております。アトランタでアントレというと、あまりピンとこない方が多いかと思いますが、EmoryにはCharles F. Goetzというアントレの分野では有名な教授がおり、当教授が教鞭を執るこの授業はWait Listが出る程の名物授業になっております。授業では、起業のプロセスをビジネスアイデアを立案するところから始まり、段階を追ってエグゼキューションに至るまでを授業で追っていくことになります。授業の中では、成功事例だけでなく、どういう失敗事例があり、如何にしてそれを防ぐかという点もしっかりとカバーされているので、毎回授業を受ける度に、”このノウハウを●●のCEOとシェア出来ていればもっとスムーズに上場出来たのに・・・”ということばかりで、授業で得た内容は私にとっては最高のナレッジになっております。

以上が、春学期における私の体験談ですが、マーケティング系を一切取っていない珍しい学生ではありながらも、他の皆に負けないぐらいビジネススキルは格段に向上していると自負しております。

2.生活環境について
これも皆が口を揃えて勧める点ですが、私からも再度アトランタの良さを述べたいと思います。
■安全性・利便性
Wikipediaなどでアトランタと検索すると、あまり良い印象を抱かれないかと思いますが、皆さんの生活圏内は非常に安全な場所であり、家族連れの方々にも安心できると思います。車で5分も走れば、至るところにチェーンの大型スーパーがあり、そこを中核としたショッピングエリアが数多くアトランタにはあります。私は東京の杉並区に住んでおりましたが、そこでは駅前に1・2件しかなかった様な大型スーパーがアトランタでは至る所にあり、日本より遥かに便利な状況です。

■食事
数多くある日系レストランに加えて、韓国・中国といったアジア料理から、ステーキハウス・イタリアンなどありとあらゆるジャンルのお店が数多くあり、外食先には事欠きません。私は今週、2回中華料理屋、1階日系居酒屋に行きましたが、日本人に安心できる味付けでとても楽しく食事が出来ました。その一方で、所謂アメリカ的なハンバーガー屋も数多くあり、昨日も新規開店したハンバーガー屋でランチをしてきました。
自炊する場合にも、上記のスーパーでは色々な食材がリーズナブルな値段で手に入りますし、日本人や韓国人向けのスーパーも車で20分程の所にありますので、日本と変わらぬ味をご家庭で楽しむことが出来ます。

■教育
7歳の息子が、昨年の8月から現地校の1年生として小学校へ通っております。朝は7時45分に始まり、午後2時半に帰宅する毎日ですが、学校を嫌がることなく元気に過ごしております。全く英語力ゼロの状態で渡米した長男ですが、学校や日本人の友人たちのサポートのお陰で日本に居た時以上に楽しく通学しております。

■医療
日本人医師のクリニックがありますので、風邪を引きやすいお年頃のお子さんがいる方には安心して頂けると思います。私自身は日本人医師のいる歯科にも通院しているのですが、日本より技術が高く、一回の通院で処置が終わる場合が殆どなのでここぞとばかりに昔治療した歯を総点検してもらっております。

■エンタメ
メジャーなプロフェッショナルスポーツは全てあるので、シーズン時には本場の凄さを間近で体験することが可能です。私はまだメジャーリーグしか行っておりませんが、是非近々NBAでも家族で見に行こうとしております。
また、その他ではアトランタ水族館やコカコーラミュージアムに加えて、ストーンマウンテンなどの観光地や少し車を飛ばせば隣のテネシー州にも様々な観光地がありますし、飛行機であればフロリダやニューオリンズ等の米国人にも人気の観光地へも抜群のアクセスを誇ります。

3.日本人コミュニティについて
実際生活する迄はあまり意識することはなかったのですが、やはり米国で生活を始めると日本人コミュニティの存在というのは非常に支えとなっております。MBAに通う学生だけでなく、Emory病院に勤める日本人医師の方々も含めたコミュニティがあることで家族も含めてアトランタ生活を満喫出来ているのだと思います。
MBAに来ているということで、勿論他の国から来た学生・家族との関わりも重要なのですが、Emoryの場合はその比重が絶妙だと言えるのではないでしょうか。
私の場合も、セットアップ開始時には現Class of 2015の方々に非常にお世話になり、その後も2015・2016共に、家族ぐるみで多くの方々と楽しい時間を過ごすことが出来ました。こういった、心の安らぐ場所があるからこそ、チームワークや多くのホームワークを無事にこなすことが出来たのだと思います。
私は別のプログラムに参加しますが、来月にはミッドセメスターモジュールで日本人学生がホストとなって、Japanトレックがスタートします。多くのMBA生が日本を訪れることで、一層と日本に対する関心が高まると思います。また、学業面においても、多くの日本人が成績優秀者に名を連ねており、学校全体として日本に対してポジティブなイメージがある中で、MBA生活を送れるというのはとても幸せなことと感じております。歴代の方々が築きあげてきたこういった好循環を我々も継続していきたいと切に思っておりまして、まさにこれから進学先を決めようとされている皆様と共にEmoryのブランドを高められればと思っております。

最後に・・・・

アプリカントの方々におかれましては、インタビューや合格発表などまだまだ気の休まらない日々が続くことと思われます。私自身も毎日受験先からの連絡を待ち、一喜一憂する日々でした。最終的に進学先が決定するまではなかなか落ち着かないかと思いますが、今この時期を悔いの無いように過ごして頂ければ、進学してからも迷いなく、皆様ご自身にとっての最高のMBAライフがおくれると思います。兎に角勉強しまくる2年間、ソーシャル重視の2年間、家族との時間を大事にする2年間、過ごし方は自分次第ですが、20代後半から30代にかけてのこの時期を自分次第で如何様にも過ごせるこの2年間はMBA受験で努力された皆様へのご褒美だと思います。

日本では寒い日々が続いているかと思いますが、風邪に気を付けてこれからの時期お過ごし下さい。一人でも多くの方々と、半年後にお会い出来ることを楽しみにしております。