米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2015年4月6日月曜日

South Africa MSM 2015




受験生の皆様、こんにちは!Class of 2015GBSで唯一の日本人女子さやです

 

日本ではもう葉桜の季節だときいておりますが、いかがお過ごしでしょうか

早いもので、今回でブログを書かせて頂くのも最後になってしまいました :(

 

そんな最後のブログはGoizuetaの看板プログラムと言っても過言ではない、South Africa MSMについて書かせて頂きたいと思います

 

去年はインドにて3週間の間、現地に滞在し、インドのビジネスについて企業訪問、官庁訪問、ネットワーキングを通じて体系的に、また個別具体的にも学べました

今年も普段女子一人では行けないところに行こう!ということで、南アフリカ共和国に二週間赴き、現地に滞在し、企業訪問を通じて南アフリカのビジネスについて学びました

 

今回の授業の日程では、南アフリカのヨハネスブルグとケープタウンの二箇所を主に訪問しました。想像以上に気候、食事ともによく、リタイアメント層が世界から特にケープタウンに越してくるということを前々から聞いておりましたが、今回の訪問で納得いたしました

 

まずは会社訪問の中でも読者の皆様にお役に立てそうなものをピックアップしてみました


<Ernest & Young/Vodacom社 訪問>




着いて最初の三日間でErnst& Young (EY)社の南アフリカオフィスを訪問し、南アフリカにおいてビジネスをする上で、必要なビジネス上の慣習、およびアフリカビジネスにおいての人材のRetain方法などを学びました。南アフリカのビジネスを推進する上では忍耐が必要だということをNYC,ロンドンから転籍したEY社員は繰り返し強調しておりました。欧米と違って、アフリカ社会は非常にヒエラルキーが強い社会であり、正しいことを伝えるためには役職が高くないと伝わらない、年長でないと話をしてもらえない、またのんびり気質でレスポンスが遅い。などなど様々な問題点を挙げておりました。また、アフリカにおいての今のメインビジネスはMining BusinessTelecommunication Businessですが、どちらも政府による横槍が激しく、賄賂が横行しており、政治的安定が望まれるとのことでした。Mining Businessにおいては誘拐、ストライキによる暴動などの問題もあり、一人当たり年収2500万円程度支払ってやっと欧米からそこそこ優秀な人材をとれるとのことでした。アフリカ自体は人口増加、Mining Businessの将来などポテンシャルはいくつもあるものの、地元の教育機関、政府と連携して、いかに国自体を盛り上げていくかという長期的な視点が非常に重要になってくるとのことでした










<JSE訪問>


私は金融機関からの派遣であるため、ヨハネスブルグ証券取引所への訪問に一番興奮いたしました!

ヨハネスブルグ証券取引所(JSE)IR部長(Chicago Booth MBA)との懇談会/プレゼンテーション、QAにおいては、JSEはアフリカで唯一無二の上場企業のMarket Capを誇るものの、ここのところ、PEファンドによるBuyoutが増加したため、この5年間で

上場企業数が600社から400社に減ってしまったということでした。

 

またアフリカの各国に証券取引所はあるものの、世界のトレンドにあるように取引所の合併はメリットがJSEにとっては少なく(他のアフリカ各国の証券取引所の上場審査が甘い、そもそもマーケット規模が小さく、シナジーが見えにくいなどなど)、まだまだアフリカの証券取引所のM&Aは先ということでした。

 


 











JSEの売りはWorld Economic Forumにおいて上場企業のコンプライアンス遵守指導部門において一位に輝いたことだと言っておりましたが、それはおそらく政治的に不安定な状態がまだまだ続いているため、投資家をRetainするためにもJSEが自ら審査・コンプライアンス指導を厳しく率先垂範していくことが必要だと考えているからです。更にJSEは南アフリカの鉱業の強さからCommodity DerivativesについてChicago Merchantile Exchange と連携して商品の開発、取引に勤しんでおり、そこが他の證券取引所にはない強みだということでした。世界的にコモディティのPI投資・Prop TradeからInvestment Bankが手を引く中で、JSEの強みがどうしたら発揮されるのか聞いてみたものの、明確な回答は得られませんでした。JSEとしては上場企業数を増やすべく、アフリカ中の優良中堅企業を企業訪問するなどして上場へのアプローチを行っているということなので、今後に期待したいと思いました。日本の金融機関としては規制の面、コスト管理の面、人材の確保の面など様々な問題に加えて、拠点を作ったとしても、得られる果実が少ないため、まだ南アフリカに拠点を作る必要性はなさそうだと個人的には感じました。しかしアフリカ全体では、中国の直接投資が進んでおり、事業会社レベルでは日本企業もサポートが必要になります。そういった観点からは、得られる果実が少なくても、拠点を作る必要が後々必要になるかもしれないため、ロンドンのEMEAチームがあれば常に南アフリカの財界人とのネットワーキングをする必要性はあるかと思いました。余談ではありますが、南アフリカにおいて企業がIPOする際には鐘ではなくアフリカの太鼓を鳴らすことが新鮮でした
 






そのあとは一路サファリへ!なんとジープのバッテリーが途中で亡くなり、あやうくライオンに食べられるところでした(大マジです!) ライオンにシマウマ、象にキリンとまさしくライオンキングの世界でした!!
 








そして後半では南アフリカのスラムに赴き、社会貢献活動に勤しみ、マンデラ大統領について多くを学び、アパルトヘイトミュージアムでは悲しい歴史に涙しました。
 






南アフリカには想像以上のダイバーシティがありました。私は南アフリカに赴くまで、知りませんでしたが、南アフリカはインド系移民が世界一多い国であるそうです。人口の8割が黒人、そしてその他が白人、そして少数の中国人移民が暮らしているそうです。

やはり人種差別の問題は根深いものの、人種間でそれをどうにか変えていこうとアメリカよりもオープンに人種差別について語るんだよと現地のみなさんが口を揃えて言っていたことが印象的でした。

 

 

一緒に旅をしたグループは9割が一年生で、初めは知らない人ばかりでしたが、最終的にはLifetime friendsと言えるくらい仲がよくなりました!

国籍はジャマイカ、ベトナム、インド、韓国、中国、ブラジル、アメリカ、日本と多種多様で、人種も宗教もバラバラなグループでしたが、喧嘩一つなく、そして誰もが誰とでも話し、行動するという素晴らしいメンバーに囲まれた旅でした。

 

 

 
 









このダイバーシティこそがGBSの素晴らしさの源だと思います!それを二年間の締めくくりに南アフリカにて再確認できたことに感謝、感謝です!

 

 

実は最初、GBSは私の第一志望校ではありませんでした。

でも結果的に、GBSに来て、今となっては心の底から良かったと思っております

プログラムの緻密さや教授やスタッフの暖かさ、クラスメートやその家族と触れ合い、Soulmateのようになれたことはかけがえのない財産です

 

さてさて、長くなりましたが、ぜひ読者の皆様の未来のMBA生活が実りあるものでありますよう、願っております

またどこかでお会いできることを願い、結びとさせていただきます。

 

さや