米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2016年8月27日土曜日

新入生の視点から見たGBS

皆様こんにちは。
Goizueta Business School1年目のRioです。今回は新入生から見た学校の特徴や、渡米前後で自分に生じた変化、アトランタに対する印象などについて触れたいと思います。

我々1年生は6月20日前後から渡米し、まずは約1か月PMELという語学研修プログラムを受講しました。かなりインテンシブなプログラムで大変ですが、英語力の向上には役立ったように思います。8月からはアメリカ人も合流し、8月8日からMBA本科の授業が始まったところです。 Block1-3の間は必修授業が毎日詰め込まれていて、大量の課題に追いたくられながらもなんとかやっています。
Class of 2018の2年制MBAには6名の日本人が入学しており、男女3:3という構成で、バックグラウンドも銀行2、メーカー2、インフラ2と非常にバランスが取れています。

学校の特徴についてはすでに様々な媒体で紹介されているのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、GBSはDiversityをCore Valueの一つに据えて、これを尊重しています。学生に占める外国人比率が比較的高いということもあり、学校側は外国人留学生に対して様々な配慮をしてくれています。GBSでは例年60名程度を3セクションに分け、そこで6人一組のチームを10ずつ、計30チームほどを作るのですが、インターナショナルが2、アメリカ人が4という構成を極力保つようにして、留学生がチーム内で孤立しないようにしています。いくら留学生が孤立しない配慮をしているといってもアメリカ人がマジョリティという状況下で議論するのは本当に大変なことに変わりはありませんし、ネイティブ同士の会話が始まると何を言っているのか全然わからなくなって辛いこともしばしばです。しかし、クラスメイトはナイスガイばかりですし、彼らは口を揃えて外国で学位を取ろうとする我々のチャレンジを賞賛してくれ、それが心の支えになって本当に助けられています。

ビジネススクールでは公式非公式を問わずソーシャルイベントが頻繁に催されるのですが、アメリカ人に混じって話の輪に入っていけるかが最初のハードルです。言葉が完璧でなくともそれを乗り越えられるほどコミュニケーションに秀でた人ならば格別、私を含めた普通の人はぜひ何かスモールトークのネタを用意しておくことをお勧めします。これはアドミッションオフィサーなどとコミュニケーションを取る際にも、記憶にとどめてもらいやすいという点で有効だと思います。たとえば私は関西出身なので、京都や奈良で撮った写真などをスマホに入れておいて、それらを見せながら日本の話をしたのですが、こういう小ネタを用意していたのが結構役に立っています。

渡米前後の変化についてはまだ目に見えて変わったものはないですが、良くも悪くもおおらかになりました。大事な書類の入った郵便が間違ってお隣に配達されたり(日本だと郵便局長が菓子折り持って謝罪に来るレベルです。笑)、某ネット通販最大手で注文した配送品の箱が潰れていたりといったこともたまにあります。ちなみに私の住むアパートには宅配ボックスもあるのですが、そこに収まらないような大きい配達物はドアの前に置いていくというルールで(盗られないか心配でしたが)日本のように何日の何時頃に再配達します、といったことはないようです。家に不具合が出たと管理事務所に連絡すると借家人が不在でもメンテナンスの人が入ってきて修理するのも衝撃的でした。お店に行けばお客さんがついていない係のレーンは私語したりスマホをいじったりしてますし、問題が起きて係に文句を言っても「自分の業務範囲外だ」とか「仕事が多すぎてどうしようもないんだよ」とか普通に言いわけしたり、家具を購入して搬入する際に足で運搬具を押したり客に手伝ってくれとか平気で言うのを見ていると、アメリカ人はもう少しきちんとしたほうがいいんじゃないだろうかと思いましたが、いちいち腹を立てていたのではこっちが持たなくなりますし、彼らも悪気がないので仕事がすんだあとイエーイとか言ってハイタッチしてくるのを見るとなんだか憎めないところもあります。逆に日本人はもう少し肩の力を抜いてもいいのではないかと思うようになりました。チームメートで日本に住んだ経験のあるアメリカ人も認めていましたが、日本の顧客サービスは世界一だと思います。とはいえ、ビジネススクールのクラスメートたちは、日本人に負けず劣らず勤勉ですし、エスタブリッシュメントと一般人の意識の差が日本以上に大きいということなのかもしれません。

アトランタの魅力ついてもいろんなところで触れられていますが、日本の都市でいえば仙台とか福岡くらいの規模かな、という印象です。田舎ではないが都会すぎず、生活費もニューヨークやサンフランシスコと比較するとはるかに安く、住みやすいところです。食事についてはアメリカの地方都市なのでものすごく美味しいものを食べたいという向きには限界はありますが(とはいえまだまだ未開拓なので探せばあるとは思いますが)、アメリカはそもそも外食がかなり割高なこともあって皆基本的に自炊しているのでさほど気にならないとは思います。日本食はなかなか買えないですが、韓国、中国系スーパーにいけばそれなりに揃っていますし、学校近辺は治安もよく、女性の一人歩きも全く問題ありません。南部らしく愛想の良いフレンドリーな人が多いですし、気候もHotlantaとか揶揄されていますが、朝晩は涼しくて過ごしやすく、関西人の感覚からするとこんなもんで暑いの?という感じです。冬がそんなに寒くならないのもうれしいポイントです。(それよりもビジネススクールの教室の空調が寒すぎて困ります…笑)
というわけでアトランタは派手さこそないですが、実利を取るという意味では狙いどおりで改めて良い選択をしたなと思っています。

というわけであまりとりとめもないお話になってしまいましたが、これを機に読者の皆様にも多少なりともGBSに興味を持っていただければ幸いです。