米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2017年2月6日月曜日

The Washington Campus: ワシントンキャンパス集中講義

こんにちは、Class of 2017Cozyです。
今、アトランタはAtlanta Falconsがあと少しのところでSuper Bowl制覇を逃し、悲鳴に包まれています。

さて、私は1月初旬にビジネスリーダー育成のための公共政策を学ぶ科目(Public Policy Education for Business Leaders)である、ワシントンキャンパス集中講義を受講しましたので本日はその内容を簡単にご紹介します。ワシントンキャンパス集中講義はThe Washington Campusと呼ばれる組織によって運営されており、この組織は、エモリー大学、テキサス大学オースティン校、カリフォルニア大学バークリー校などの複数のMBAスクールが共同出資してできた機関で、場所はワシントンDCにあります。

印象に残ったこと

1. TPPに関わるレクチャー、同級生との議論について
あるレクチャーの中でスピーカーがTPPについては、実質的に日本との自由貿易協定であり(TTP参加12カ国中、アメリカと日本で貿易総額の85%を占めているため)、日本との2国間での見直しが必要と述べていました(実際、トランプ大統領は就任直後にTPPからの離脱の大統領令に署名しています)。私は、日本はアメリカから説得されて交渉の場にのり、長い年月をかけてようやく批准するところまできたのに、アメリカはあっさり反故してしまうのかと感じましたが、それに対しては悪びれる様子もなく、未来に向けて良い貿易協定を築いていこうというスタンスでのスピーチだったのある意味でアメリカらしさを感じました。その後、アメリカ人同級生にもTPPについて話を聞いてみましたが、「実際のところ、もともと反対のアメリカ人が多いと思う。ただし、本当のところ、TPPが何かを分かっていないアメリカ人が大多数だと思う」とのことでした。この議論を受けて、そもそも私自身、TPPについてよく分かっていない状態で、アメリカが勝手に交渉の土俵から降りたと(半ば批判気味に)判断するのは早計であると気づかされました。政治はセンシティブなテーマでなかなかアメリカ人同級生にもその意見を聞く機会がこれまでなかったのですが、真の意見に触れられる機会となり、非常に良い経験となりました。

2. Capitol Hill(国会議事堂)、議員事務所訪問
集中講義の中に、国会議事堂や議員事務所を訪問する日が設定されており、この日はアメリカ人の政治へ関わることへの障壁の低さを感じることができました。印象に残った出来事の1つはSenate(上院)の議会を見学したときの光景です。この日はある法案の投票が行われていたのですが、国会議員が出入りするための入り口のドアを開閉していたのがどう見ても10代くらいの若い子達でした。なんで10代の子ども達が議会場にいるのかなと不思議に思い、あとでアメリカ人の同級生に聞いてみると、これはPagesと呼ばれる16歳以上の子どもが議会の中でボランティアをする制度があるとのことで、若い世代に政治教育の門戸が開かれていることを感じた瞬間でありました。また、アメリカ人の同級生の1人は自分の出身の州の議員と面談する機会を事前にアポイントしていて、会ってきたと教えてくれました。一有権者として思いを伝えるだけというくらいの感覚で議員と11で面談してくる同級生がいるという現実を目の当たりにして、アメリカ人の政治へのアクセスのしやすさを感じることができました。

公共政策という分野はMBAに来る前までは、身につけたいと思っているビジネススキルのスコープの中に入っていませんでしたが、教育を受ける機会を享受することができて、企業(=ビジネス)と公共政策の関わり、アメリカ人同級生の考え・行動に触れることができて自分にとっては大きな刺激となりました。Goizuetaの中でオフキャンパスの教育機会を検討している方の参考になれば幸いです。

2月になり、受験も大詰めのところかと思いますが、アプリカントの皆様におかれましては、くれぐれも身体には気をつけて最後まで乗り切ってください。

Cozy

 The Washington Campus Consortium Members

同時期に参加した日本人同級生と

DCでは観光もできます!写真はワシントンモニュメントのライトアップ 

Capitol Hill(国会議事堂)