米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2017年9月18日月曜日

ケーススタディとレクチャーの違いについて

こんにちは! Class of 2019のShigeです。

Class of 2020をご予定されており、Goizueta Business Schoolをご検討されている方、ぜひお気軽にGBS日本人会までご連絡ください。TOEFLのscoreやGMATのsocreなどが揃っていないと、なかなか学校へのアプローチに気が進まない事があるのはとても理解できます。
しかし、来年自分が入学する大学がどんなところか?本当にそこが行きたいところなのか?を理解する事は、スコアと同じくらい大切です。ぜひGBSのカリキュラムをご理解いただき、この学校へ行くんだという気持ちとともに、モチベーションへ繋げていただければ幸いです。

11月から12月にかけて、今年もWebを通じての説明会等を予定しております。詳細は別途ご連絡いたします。


さて、本日は授業の形式についてご説明したいと思います。MBAの授業には大きく分けてケーススタディ形式とレクチャー形式があります。
それぞれがどんなものなの?という疑問を、可能な限り解決できるようお伝えできればと思います。

GBSの授業割合
GBSの授業形式はコア授業はケース40% レクチャー60%程度です。選択授業になると、自分で選ぶ事ができ、やろうと思えばケース100%等も可能です。実際には選択する授業は授業科目や教授で選ぶ事が多いため、形式は成り行きになる事が多くなります。

GBSのコア授業第1ブロックではマーケティングがケース式、エコノミクスがレクチャー式のため、そのイメージで進めます。

ケーススタディ形式
授業前
・事前にケースを読みます。ケースとは、ある事業の経緯・発生した課題・取り巻く状況・選択可能なオプションがひとまとめになっている文章です。少ないものでA4 2ページ、多いもので20ページ(参考のグラフなども含めて)あります。
参考ケースの例: https://hbr.org/product/Honda-Today/an/692044-PDF-ENG
(有料ですが、実際に授業で使ったものと同じものです)
・ケースはハーバードビジネスレビューが多いですが、Kellog, Insead, Emoryの物もあります。
・ケースを元に、自分ならどうするか?を事前に考えます。
(ケースにもよりますが、ここまで2時間〜3時間くらいかかります)

授業中
教授の質問に対しては基本的に手をあげて、コールされた人が答えます。コールのタイミングを(※)で表します。
・ケースの概要を説明(※)
・選択可能なオプションの利点/欠点を整理を行います。オプション列挙(※)、利点/欠点の整理(※)
・顧客のセグメント分け(※)、セグメントに対する評価軸の設定(※)
・評価の実施(※)
・評価に基づいてオプションの方向性を決める
・決まったオプションの方向性から顧客・自社・チェーンのメリット/デメリットを精査(※)

合間に、生徒側から質問・意見が出て、議論が進みます。
(ex. セグメント分けの場合は、多くはどの価値ベースで分けるか?などに対して議論になります)
授業で利用されるケースには、そのケースでフォーカスすべきポイントがあります。教授は、ケースのオプション選択に向かっての流れを作りつつ、特定のトピックについて新しい知識を生徒に与えてくれます。

授業後
・当日の流れの中で、自分の意見と大きく違ったところで授業中に解決できなかった部分は、教授へ質問へ行きます。その他、他の生徒と解釈についてもう少し話をすることもあります。

なお、ケースには「マーケティングケース」「ファイナンスケース」などそれぞれあり、レクチャー形式の授業でもチーム課題としてケースへ取り組むこともよくあります。
※ファイナンスケースとは、オプションを検討する際にファイナンス的な視点での分析が必要となるケース


レクチャー形式
MBAのレクチャー形式では、内容の理解に重きがおかれ、先生が説明したことの解釈について質問・議論が生まれます。Wall Street Journal などの記事を使い、授業内容と現実世界の動きを関連させて勉強することも多くあります。
授業前
・授業用のスライドが事前に共有されるため、印刷・確認
・WSJなどの記事と共に"〜〜についてどう思うか?"という質問が学習用ポータルで共有されるため、それを事前に読み回答を考えます。
授業中
・課題があればその解説、チーム課題であれば発表から始まる。
・課題の説明後、スライドを用いて教授の説明のもと授業が進む。
・ほとんどのスライドで生徒からの質問等が行われる。
(各国の学習状況とバックグラウンドの違いにより、質問内容は低レベルなものから高レベルなものまでさまざまですが、基本的に"全員に対して有益であること"という前提があります)
・事前課題(WSJ等)と関連するところまで授業が進んだところで、事前質問に対するディスカッション
授業後
・レクチャー形式の授業は比較的課題がよく出る傾向にあります。
・教科書等は"参考資料"としてページが示され、読んでくる事が推奨されます。

なお、GBSではレビューセッションという授業が平日夜や土曜日に行われます。自由参加の授業で、その日までに行われたレクチャーのうち、自習後の不明点等を教授に直接質問したり、課題の詳しい解説が行われたりします。



ケースの授業が好き、レクチャーの授業が好きと個人の好みは様々です。私はMBAに来る前は100%ケースで授業が受けたいと思っていたタイプでした。実際に受けてみると、教科によりけりだと感じています。
ケースの授業は楽しいのですが、結局は体系的な学習のため別途教科書を開く必要があります。また、ケースでは、背景や不要な情報も把握する必要があるため、1ケースあたりに学べるコア要素が薄く感じます。マーケティングは不要な情報の割合が低いためケースの学習効果が高いのですが、ファイナンス等だと「結局大切なのはIncome Statementだけ」等にもなりえます。
ちなみに、GBSのコアでは、ファイナンスやアカウンティングではレクチャーで全体像を学び、その後課題でケースに取り組む形になっています。いいとこ取りですね。


さて、9月にさしかかり、ますます寒くなってまいります。体調にはくれぐれもお気をつけくださいませ。

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