米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2017年9月10日日曜日

Goizueta IMPACT

はじめまして!Class of 2019Masaです。

早いもので、MBAプログラムが始まって1ヶ月、一昨日ブロック1(秋学期を構成する3つのブロックの1つ目)が終了しました。このブロック1では必修科目として経済学、DDA(統計学)、マーケティング、ファイナンス、IMPACTの5つを学びました。今回は当校の目玉の1つであるこの「IMPACT」をご紹介したいと思います。

名前だけでは、分かりづらいこの授業を簡潔に言うと「問題解決の手法を学ぶ授業」です。これはコンサルティングの手法を学ぶ授業とほぼイコールです。当校は卒業生の40%弱がコンサルティング業界に進むほど、コンサルタントを志望する学生が多いスクールです。それだけコンサルタントを育てる環境が整っています。コア科目の一つにコンサルの手法を学ぶ授業があるのもその一つの特徴ではないでしょうか。

私はGBSに来る前に9年ほど大手コンサルでコンサルタント(いわゆる戦略コンサル)をやっていましたが、この授業で教える内容は実によく整理されていると思います。(こちらに来る前は当社で社内向け研修講師も担当していましたが、若手向け研修で使いたいと思うくらいです。笑)

ブロック1では、コンサルティングのプロセスの概観を学びましたが、下記にその内容を簡潔に整理してみようと思います。

1.問題の定義
最初のステップは、問題定義です。要は、「クライアントが明らかにしたいことは何か」を定義します。例えば、「電力会社Aは多角化戦略の一貫として、高齢者向け住宅事業に参入すべきか」といったようなものです。

2、問題の分解
1で定義した問いに答えるために「何を明らかにしないといけないか」を洗い出します。上記の問いを例にとれば「どれほど儲かるのか」「(儲かるとしても)多角化のポートフォリオとして適切か」などです。また、「どれほど儲かるのか」という問いも「(そもそも)市場規模はどれほどあるか」「(その市場規模の中で)何割シェアが獲得できそうか」「(そのシェアを前提とすると)どれほどの営業利益が挙げられそうか」など更に分解します。この際にはMECE(問いがダブっておらず、また、漏れが無い状態)かどうかを意識することが大事です。(この1と2のプロセスが問題解決の要諦です。)

3.解き方の整理
2で整理した、問い一つ一つにどう回答していくかの手段を考えます。たとえば「市場規模がどれほどか」を把握するために「参入プレイヤーを整理し、各プレイヤーの高齢者住宅事業セグメントの売上を足し上げる」といったような方法論を整理します。

4.作業の実施
3で解き方を考えたら、実際に作業に取り掛かります。この際、具体的なアウトプットイメージ(どんなグラフを作るのかなど)をプロジェクトメンバー間で整理した上で取り掛かると作業がスムーズに進みます。

5.答えの作成
4で解いた結果を足しあげると、どのような示唆になるのか、結果的に「参入すべき」といえるのか言えないのかを整理します。

6.伝え方の整理
チームの回答が仕上がったら、クライアントへの伝え方を整理します。クライアントの中にもどのような関係者がいて、それぞれの立場や現時点の考えを意識しながらコミュニケーションの方法を整理します。

ざっくりとした内容になってしまいましたが、ブロック1ではこのように問題解決プロセスの概観を学びました。ブロック2以降では、この知識をより経験的に身につけるような内容となっていくと思われます。私にとっては、経験的に身につけてきたこととのFit/Gapを確認していくことが楽しみの1つです。

今回はまじめ一辺倒で面白みのないものとなってしまったので、次回私が更新するときはYutaにならって「ここが変だよアメリカ人(パート2)」にしたいと思います。それまでにネタを集めておきます。

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