米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2019年1月21日月曜日

実例:Negotiations


こんにちは、Class of 2019Buです。受験生の皆さんは引き続き大変な時期かと思いますが、最後まで気を抜かず頑張ってください!もしエッセーや面接のトピックで悩まれていたり、キャンパスビジットを検討されている方は、本ブログの過去の投稿(左上のBoxから検索するとスムーズ)が非常に参考になるかと思います。または、本投稿の終わりに記載しているメールアドレスにお気軽にご質問いただければと思います。

さて、昨年1224日のマロンのブログにてNegotiationについて紹介されていましたが、それに関連した内容をお話ししたいと思います。私もNegotiationの授業は受講しましたが、アメリカに住んでいると、幸か不幸かそこで学んだノウハウを実践する機会は枚挙にいとまがありません。以下に、私が実際に体験したほんの一例を、Negotiationの授業での学びも少し交えながら、ご紹介したいと思います。GBSやアトランタの紹介とはあまり関係なくて恐縮ですが、今後のアメリカ生活への心づもりや、(日本ではなかなか経験できない)英語でこのような交渉を経験できるというプラスの観点で、少しでも参考になれば幸いです。

○ケース1:インターネット回線の値上がり
アトランタに来てすぐに某社と月40ドルくらいのプランのインターネット回線を契約。その後1年間は順調に使えていたが、1年後突然何の通知もなく月90ドルに値上げ。すぐさま連絡したところ、実は今まではキャンペーンで安かっただけで、このたびそれが切れたため値上がりしたとの由。そんな話聞いていない、事前通知くらいすべきだ等、様々な主張をしたうえで、最終的にはその上司に対して価格の交渉をすることに。
ここで、Negotiationの授業で学んだBATNABest Alternative to Negotiated Agreement)という考え方が非常に役立ちました。すなわち、交渉にあたり次善の代替案(プランB)を事前に整理しておくことが重要ということです。私の場合、他社への乗りかえを代替案としてシグナルしつつ交渉していった結果、月90ドルから月50ドルまでは何とか下げることができました(実際、代替案をシグナルしたことがどれくらい効いたのかはわかりませんが)。代替案を考えるというのは交渉では当たり前ではありますが、事前に整理しておくべきポイントの確認、そしてそれを交渉の中でどう活用していくのかという観点で、授業が役に立ったと感じました。

○ケース2:住居のメンテナンスの土足問題
これは誰しも早い段階で直面する問題だと思いますので、簡単にご紹介したいと思います。言わずもがな、アメリカでは家の中でも土足が基本なので、いくら日本人が住んでいる家といえど、住居のメンテナンスの人たちは平気で土足で入ってきます。彼らは断固として靴を脱いではくれません(安全上の理由もあり)。それに対して、特に私の場合は赤ちゃんもいるため、不潔な土足では家の中に絶対に入ってほしくない。ということで、メンテナンスの人たちとの間で毎回交渉することになります。今でこそ慣れましたが、初めのころは必死でした。
解決策としては、スーパー等でもらえるplastic bagを足につけてもらうというのが一般的です。後から振り返る形になりますが、ここでもNegotiationの授業で学んだことを見出すことができます。授業では、いくつかのタイプのNegotiationを学びますが、その中の1つにIntegrative型というものがあります。これは、簡単に言うとゼロサムのように誰かが得をしたら誰かが損をするというものではなく、Win-Winとなるような合意(全体のパイを大きくする)を目指そうというものです。今回の例ですと、メンテナンスが家の中に入るにあたり、靴を履いたままにするOr脱ぐという二者択一で議論するのではなく、お互いのInterest(メンテナンスは靴を脱ぎたくない、私は部屋を汚したくないというInterest)をある程度満たせるような解決策を見出すように交渉することが重要だということです。ここではplastic bagを足につけてもらうというのがその解決策となります。なお、どうすればそのような合意形成ができるのかというTipsについてもNegotiationの授業で学ぶことができます。

ここであげたのはほんの一例(しかも比較的マイルドな例)で、さらに実際には、交渉というより一方的にひたすら主張しなければならいような問題にも数多く直面します。例えば、スーパーでの買い物の際、値札と請求額が異なっており修正を依頼するということもざらにありますし、ネットで購入した商品が届かないOr届いたけど不良品ということも何回か経験しました。こういったケースでは、こちらから間違いに気づき、こちらから積極的に主張していかないと損してしまいますのでご注意ください。日本のように「弊社のミスで間違って請求してましたので、XX円返金させていただきます」なんてのは、余程のことがないと無いと思います。いずれにせよ、アメリカで生活していると、交渉力や注意力が身につくのは間違いありませんので、ぜひポジティブに捉えていただければと思います(笑)。

Negotiationの授業の魅力も少しながら紹介させていただきましたが、実際の授業ではさらに深く広い内容を学ぶことができますので、もし興味があればぜひGBSへ入学して授業を受講していただければと思います。おススメです!


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