米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2006年10月22日日曜日

ニコラス・バレリオ三世のデリバティブ講座



Professor Nicholas Valerio IIIは、ゴイズエタのファイナンスの有名教授です。今回は、彼の”Derivative Asset Analysis”という授業についてのレポートします。



この授業の日本語名は”デリバティブ概論”が適当かと思います。春学期に開講される”Advanced Derivatives”への導入とファイナンス選考でない学生にデリバティブの基礎を教えることを目的にしています。教える内容は、先物取引市場の概要から始まり、オプションの価格モデル、裁定取引、先物の価格モデル、デリバティブの活用方法といった感じです。この授業ではケースは使用せず、講義ノートと板書が中心になります。全体の半分を受講した現在の感想ですが、基礎から丁寧に教えてもらえるため、ファイナンスバックグラウンドの無い自分でも、十分に理解できる内容となっていると思います。デリバティブの知識が多少ある方は、Advanced Derivatives からの受講で十分だと思います。



Valerio教授は、自らヘッジファンドを運営していた経験も有り、自分のマーケットでの経験談を交えてくれるので、とても聞きやすい講義となっています。先日は、バイオ関連株を相場に逆張りして空売りして利益を出した話をしていました、相場をどのように考え、判断したのかを詳しく話しをしてくれたので、参考になりました。(自分がまねできるとは、到底思いませんでしたが、、)



ゴイズエタの先生は、アカデミートラックとティーチングトラックのいずれかの契約をしています。アカデミートラックの先生は、論文など学術的な成果で評価され、ティーチングトラックの先生は教えている授業に対する学生のフィードバックで評価されます。傾向として、アカデミートラックの教授の授業は、教えている知識の本質の理解に注力する事が多く(直感的理解の育成)、ティーチングトラックの教授の授業は、教えている知識の実ビジネスでの活用に注力する事が多いと感じてます。このValerio教授は、DIA(Decision and Information Analysis)のPatrick Noonan教授と並んでティーチングトラックで評判の良い先生です。



最後に、一年生のコアのFinanceの授業は秋学期か春学期に受講する事になりますが、例年の傾向では秋学期のFinanceはアカデミートラックの先生、春学期のファイナンスはティーチングトラックの先生が教えています。自分が受講した秋学期のFinanceでは、Wall Street出身者が多く受講していたこともあり、とてもマニアックな議論が交わされてました。ファイナンスバックグラウンドの無い自分には少し厳しい内容でしたが、おかげで多くのことを学ぶ事ができた授業でした。ただ、ファイナンスはあまり興味ない方は、春学期受講の方が効率が良いかと思います。ご参考まで、



Class of 2007 西崎 建太