米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2012年10月26日金曜日

スモールスクールのメリット


Class of 2014のTEDです。 

もっとも過酷と言われる1年生秋学期のBlock2のテストが終わり、あとはマーケティングのエッセと統計のチームプロジェクトを残すばかりです。

さて、今回はゴイズエタの最大の魅力ともいえる「スモールコミュニティ」について書いてみたいと思います。この記事を読んで実際にどんなに素晴らしい学校なのか確かめたくなった方は過去ログを見てみてくださいね。

 <キャンパスビジットについて>
http://goizueta-japan.blogspot.com/2012/10/emory-goizueta-business-school_7.html



さて、スモールスクールの魅力は何か、と考えると意外と難しいものです。 「small school」や「collaborative culture」という言葉で止まらずに、そこから具体的にどのようなメリットが得られるのか私も相当考えました。MBA的に言うと、Big Wordで思考停止せずに"So What?"を考え続けろ、ということになります。


今までの学校生活を振り返っての私の結論は、『自分の従来のスタイルに拘らず、様々な方法でチームに貢献しようと試みることでリーダーシップスキルを磨ける』ということです。 というのは、150人のクラスサイズ(さらに3クラスに分割されます)、半年間固定のスタディグループ(全コア科目を通じて同じチームです)が作り出す安全な環境下では、失敗を恐れずにチームへの貢献の仕方を試行錯誤することができるからです。 


仮に、クラス毎に異なるチームを自分で組む必要があったら、しかもクラスサイズが大きくてほとんど初対面のメンバーだったら。きっと自分がもっとも得意とするスタイルや分野で勝負して、自分のプレゼンスを高めようとするはずです。

これはとても重要なことですが、自分の強みを伸ばせても、弱みを克服したり、まだ見ぬ強みを発見したりすることは難しくなってしまいます。

試行錯誤した結果として上手くいかなくても、半年間一緒にいるメンバーだから、そのチャレンジの価値を認めてくれる。どんなときも温かくサポートしてくれる。だから安心して間違いを犯せる。これが「small school」や「collaborative culture」の具体的なメリットのひとつだと思っています。


具体的なエピソードを紹介したいと思います。

①はじめてのパワーポイント

私のチームにJというアメリカ人がいます。ファイナンスバックグラウンドでマネジメント経験がある彼はチームのリーダー的な存在として、全体のコーディネートする能力に長けています。そんな彼があるチームプロジェクトで「今回のパワポは俺が作る!」と言い出しました。彼はパワポの経験が皆無だったため最初は私が作ろうとしていたのですが、そのときはJに任せることにしました。


結果的に美しくないパワポ(笑)が出来上がったのですが、周囲のメンバーからどのような構成が効率的かなどのレクチャーを受けたことで非常に多くのことを学んだとJは言っていました。 定量分析で貢献できる彼が敢えて苦手なパワポで貢献しようとした。そしてそれを認めサポートするチームの雰囲気が、このエピソードに表れていると思います。


② Be Myself

さて、次は私の経験です。

Block1の初めての大きなチームプロジェクトは非常に不満足な結果に終わりました。 Gradeは悪くなかったのですが自分が許容するクオリティには遥かに及ばないものでした。 「きっと仕事の中で同じことが起きていたら“俺がやる”といって自分でやっていただろうな」という後悔の念ばかりが残ったのを覚えています。 

考えてみれば、日本では何ごとも自分で手を動かして進めたい自分が、アメリカ・英語環境ということでチームのフォロワーという立場でしか貢献しようとしていないことに気づきました。

そこで、開き直って、日本でやってきたやり方を貫こう、と考え方を変えました。 これは個人的には大きなチャレンジです。 時間にルーズなアメリカ人の予定を調整してミーティングをセッティングし、タスクを割り振り、できて来たものを統合して。。。

結果的にこれは上手くいきました。 チームに必死で着いて行くよりも、むしろ自分のペースで引っ張った方が楽だと感じるほどです。 もちろん失敗して恥ずかしい思いをしたり、チーム課題に悪影響が出る可能性もあったはずですが、あのときに一歩踏み出せたのはゴイズエタの「small school」や「collaborative culture」のおかげだと言わざるを得ません。失敗してもあのメンバーなら受け入れてくれるだろう、という安心感のパワーは非常に大きいものですよ。


個人的な考えを長々と書いてしまいましたが、少しでもスモールコミュニティの魅力を感じていただけたのであればブロガー冥利につきます(笑)


TED