米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2014年10月10日金曜日

<エッセイ対策> Why Emory を改めて考えてみる 

ブログをご覧の皆様こんにちは。Full Time MBA 1年生のKokoroと申します。日系投資銀行において5年程の実務経験を積み、2014年夏より社費にて留学させて頂いています。

最近2014年版のEconomistのランキングが発表されており、Goizuetaが世界17位(昨年19位)全米13位(昨年13位)となりました!自分が所属するビジネススクールが世界的に評価を上げている、というのはとても嬉しいことです。
http://www.emorybusiness.com/2014/10/09/full-time-mba-program-gains-two-spots-in-rankings-from-the-economist/

さて、Emoryに来てから4ヶ月弱が過ぎ、アトランタは冬の足音が聞こえてくる季節になりました。Class of 2017を目指して受験勉強をされている方々にとっては、スコアメイクを継続しつつ、且つ2nd Roundへの出願も睨んだエッセイの作成にも力を入れる必要が出てくる、まさに勝負どころかと思います。

明示的に問われているといないとに関わらず、エッセイ及びその後のインタビューのプロセスにおいて伝えるべき大切なメッセージの一つには"Why this school?"があるかと思いますが、以下のような理由により答えを作成するのが容易ではないものと思います。

a)プログラム(大学)毎の差が見出し難い
私もEmoryのプログラムしか把握していないのですが、どのプログラム(大学)においても通り一遍のクラスが用意されていて、卒業生やホームページ等から情報を収集すればするほどどこも同じに見えてきてしまいます。

b)アドミッションとの情報の非対称性
StrengthContributionについてはある程度の作話や誇張も可能ですが、"Why this school?"(或は"Why MBA?")についてはある意味で正解があるとも言えます。つまるところ、大学の実態やアドミッションの認識にそぐう形の回答を用意する必要がある、ということです。(会社にて採用の面接官をされた経験がある方には、面接者の志望動機と実際の業務内容の乖離を心良く思わなかったこともあるのではないでしょうか?)

そこで今回は、
    私が受験生時代に考えていた”Why Emory?”が、この4ヶ月でどの程度実現できた/今後実現できそうか、また実態と合致していたか
    Emoryのプログラムの全体感を把握し、大学外での活動も一定程度経てきた中で改めて”Why Emory?”を述べるのであればどのようになるか、
2点につき投稿させて頂きたいと思います。
(以下に掲載のものについては、出願に際してアドミッションに思いを伝えたものから心の中に留めていた本音まで色々と混じっていますし、”Why Emory?”の問いに対する回答としては範囲が広すぎる感もあるかとは思います。この点ご理解頂いた上、Emoryへの出願に向けて、少しでも参考になれば幸いです。)

  “Why Emory?”の達成度合い/実態との合致度合いについて
 以下、達成度合い/実態との合致度合いについては、主観的に5段階評価を付しています(5:達成できた・合致していた〜1:当初の思いに方向性の相違があった)

1.    Emoryの人柄及び雰囲気が学習/学生生活に適していると感じた」
評価5
出だしから大分抽象的な内容ですが、私自身昨年(2013)11月にEmoryにキャンパスビジットをしており、その中で接した学生の方々の雰囲気と、授業見学の際に感じた教授の人柄に惹かれEmoryに大いに魅力を感じました。アトランタの都市全体で見ても、所謂”Southern Hospitality”(南部の歓待)の雰囲気が漂っており、とても居心地がいいです。私のグループメートにニューヨーク出身の男性がいるのですが、彼曰く、「アトランタの人間は、北部より明らかに親切でフレンドリーと感じる」とのことでした。

2.    「『この人の下で働きたい』と思ってもらえるような、リーダーシップ能力を構築する」 評価4
 この点については、ストラテジーの授業において様々なケーススタディを取り扱う中であり得べきリーダーシップ像に巡り合うことができたのみならず、Management Practiceのクラスにおいては一般的な問題に対する理論的且つ普遍的な解決方法を学ぶことができました。今後、グループワークやElectiveをこなす中で、これらのスキルを発揮し研鑽していきたいと考えています。

3.    「投資銀行マンとして、顧客に対して訴求力を持って提案するに足るコーポレートファイナンス知識を得る」: 評価45
 本稿執筆時(1年次の10月上旬)においてはまだコア科目のみの受講に留まっており、特に金融系の科目(ファイナンスやアカウンティング等)については今までの実務経験で得た知識を大きく拡充するところまでは至っていないのが現状です。ただ、実務をより俯瞰的に捉えた理論については基礎的な箇所であっても抜け漏れがあったことに気付かされる場面が何度もあり、また来年の1月以降に用意されているElectiveのラインナップを見るに、今後大いにコーポレートファイナンス知識を深める余地がありそうだと感じています。

4.    「サバイバルスキルとしての英語力を身に付ける」 :評価3
 (至極当たり前のことですが、)アメリカ(やその他日本国外)のMBAは英語を学ぶ場所ではなく、英語力を前提にして経営を学ぶところです。日々の受講やアサインメントをこなす中でListeningReadingの力は高まっていくのですが、NativeとのスムーズなコミュニケーションやグループワークにおけるContributionにはまだまだ道のりが遠いようです。(もちろん完全に自らの努力不足に起因するところでもあるので、心がけ次第ではかかる能力を向上させる土壌は当然あります。)

纏めると、自らが思い描いていた目的意識については概ね達成できた、或は達成できる土壌があり、後は自らの心がけ次第、といったところでしょうか。

  改めて”Why Emory?”を考えてみる
 上記①にて記載させて頂いたものを除き、4ヶ月弱の経験を踏まえ、改めて”Why Emory?”を考えてみました。一応実体験に基づいているので、筋違いと見なされる”Why Emory?”ではないと考えています。

1.    「天才を生み出す教育システムが整っているアメリカにおいて、多様な人種の学生と切磋琢磨することで世界的に通用する自らの長所を見出し、これを以て今後の人生の武器とする」
 私自身本留学以前の海外経験は希薄であり、海外で教育を受けるのはこれが初めての機会です。Emoryでの学習を経る中において、アメリカの教育には個を伸ばす要素が多分にある、と実感させられる機会が多々ありました。教授は学生の意見を求め、その考えを受け入れ、尊重し、そして発展させます。(この場で日米間の教育の是非を議論する気はないですが、)右へ習えの教育を受けてきた私にとってこれはとても新鮮な環境であり、今までの知識や経験を生かしつつ捻り出した考えが受け入れられるのは心地いいものでもあります。 また、私の所属するClass of 2016には多様な国/地域を出身地とするInternational studentの割合が43%を占め、これはアメリカのMBAトップスクールでは屈指の高さではないかと思います。
 かかる環境に身を置くと否が応でも自らの存在意義を見出す必要が生じ、これは翻って、今後の社会人生活において何を強みとして生きるのかの発見に繋がると考えています。

2.    「各科目において理論の基盤をまずは身に付け、それを現実世界に応用するというプロセスを経ることで、経営に纏るトピックを効率的に学ぶ」
 様々なビジネススクールがケーススタディの豊富さを前面に押し出しているものと思いますが、Emoryはどちらかというと理論の習得⇒ケースを通じた実践、のフローを律儀にこなすスタイルを採っている印象があります。これについては向き不向きや考え方の差異が関係するところかとは思いますが、個人的には、理論学習を通じたフレームワークの習得を先行させることで後のケースの理解がかなりスムーズになっており、Emoryの教育方法にフィット感を抱いています。

3.    「世界最大級のハブ空港であるアトランタ国際空港のアクセスの良さを利用し、留学期間を通じた経験の最大化を図る」
 噛み砕いていうと「長期の休暇を利用した旅行がし易い」ということなのですが、全米各地のみならず、世界の多くのところへのアクセスが良いというのはかなり大きなメリットかと考えています。もちろん学期期間中の勉強がMBA生活の中心ではあるのですが、休暇中に経験の幅を広げるに足る良好な航空拠点がある、というのは”Why Emory?”として述べるに値するだけのトピックかと思います。

以上、留学前には意識して考えることのなかった、ある種事後的な”Why Emory?”でした。若干抽象的な感はありますが、(エッセイやインタビューにおいて利用するかどうかはさておき、)”Why Emory?”に対する回答の一つの切り口としてご覧頂けると幸いです。

長文にはなりましたが、少しでも受験生の方の為になればと考え寄稿させて頂きました。今後の受験プロセスに臨むにあたり、何かしらのヒントを掴んで頂けたらと思います。

もちろん百聞は一見に如かず!キャンパスビジットを検討されている場合にはgoizueta_japan2015@googlegroups.comまでご連絡ください。皆様のお越しを心よりお待ちしております。