Class of 2016 の Yuta です。
本日は、GBSを擁するアトランタ市の特徴について、マーケティングデータベースを参照しつつ考察したいと思います。
今回の調査では、GEOGRAPHIC RESEARCH 社の Simply Map 3.0 を参照しました。このデータベースはGBSの学生なら無料で利用可能で、全米各地のマーケティング関連統計を集計して地図上に表示することができます。例えば「各世帯の生乳消費金額」を州ごとに集計すると、以下の通りになります(赤→ピンク→緑→水色→黒の順に消費金額が多い)。州単位だけでなく、郵便番号ごとにきめ細かく地図を分割できることも、このソフトウェアの「売り」になっています。
今回はこの機能を活用して、アトランタ(郵便番号30329)の「生活の質」を、NYC(10003) および ケンブリッジ (MA, 02138)と比較してみます。まずは分析対象の統計データとして(Quality of Life Index) を指定し、3箇所の郵便番号を入力すると、以下の結果が得られました(赤→ピンク→緑→水色→黒の順に生活の質が高い、黄色で囲まれている部分が指定した郵便番号のエリア)。
Atlanta |
NYC |
Cambridge |
以上のチャートから、以下の2点を読み取ることができます。
第一に、Quality of Life Index の全米平均は「86」で水色に相当しますので、今回の調査対象とした3都市は全て平均を上回り、良好な生活環境が期待できそうです。
第二に、とりわけアトランタは際立って高い評価を得ているようです。
次に、上記の分析結果の背景を探るために、より細かいデータを見ていきます。Quality of Life Index は犯罪発生率や気候条件、医療水準、教育水準など、複数の要素を総合して合成された指数であると説明がありましたので、いくつか関連したデータを検索し、一覧表にまとめてみました。
このチャートから、以下の4点を読み取ることができます。
第一に犯罪発生率に関しては、アトランタは自動車窃盗や加重暴行の発生率がNYC, ケンブリッジと比較して相当低く、この点が高い評価を得ている一因になっているとみられます。
第二に気候条件に関しては、アトランタの年間日照日数は若干多めになっています。
第三に医療水準に関しては、医療サービスの物価指数を掲載しました。一瞥して分かる通り、アトランタの医療サービス価格は他の2都市や全米平均を大幅に下回っています。もちろん、これが「安かろう悪かろう」ではないことは、エボラ出血熱の発症者が世界中からエモリー大学付属病院に搬送された事実からも推察できるかと思います。参考までに総合CPI も掲載しておりますが、これだけの大都市で全米平均を下回る物価水準を実現できている点は特筆に値すると考えます。
第四に教育水準に関しては、アトランタは博士号取得率でケンブリッジの後塵を拝するものの、NYC および全米平均を上回る結果となっています。
以上のデータから、「アトランタは犯罪発生率が低く気候条件は良好、医療サービスを含む生活コストは低く、一方で教育水準は高いため、 Quality of Life の観点から高い評価を受けている」と考えます。
いかがでしたでしょうか。以前のブログでも紹介しましたが、GBS では Data-driven decision making を標榜し、直感やイメージではなくデータに基づいた意思決定をするトレーニングを重視しています。今回の分析が受験生の皆様の意思決定に際して有用なデータの一部になれば幸いです。
Yuta