米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2016年1月6日水曜日

Leading with Integrity

 こんにちわ。KAJIです。私は色々な事情があって他の生徒より半年早く、先月末に卒業して日本に帰国いたしました。今回は私の学校生活で最も印象に残ったクラスであるLeading with Integrityについて紹介させて頂きます。本クラスは2年目唯一の必修授業となっていることからも、カリキュラム内においてのその重要性が伺えます。自身のMBA受験を思い出すと、受験生の皆様はまさにエッセイ、インタビューの練習を行われているところだと思いますが、今回の内容が少しでも役に立てば幸いです。

 MBAでは往々にして明確な結論がないことを議論する機会があります。本校ではManagementにおいてIntegrityはFinanceやAccounting、Strategyと同等に重要な要素と位置付けており、本クラスも全生徒が受講を義務付けられています。Integrityは直訳すると誠実であること、道徳的な規範を持つこととなりますが、当スクールでは「外部からの強いプレッシャーや(個人の)リスクに直面しても、個人の信念や我々が共有する価値観を順守して行動すること」と定義し、素晴らしいリーダーになるために必要且つ重要な要素と位置付けています。
 クラスの内容としてはゲストスピーカー、ケース、またそれぞれの生徒の実体験に基づいて、様々な組織でのIntegrity、Ethicsにまつわるを議論行いました。教授、ゲストスピーカー、クラスメイトとの対話の中でLeadershipにおけるIntegrityの重要性を腹に落ちるまで議論すること、また自身のIntegrity、Ethicsへの価値観を他者と相対的に評価することで、自己認識を深めることが目的となっています。
 またクラスの最終プロジェクトではチームに分かれて、チームメイトの内一人のEthical dilemmaの実体験をCaseとして書き上げ、それについて議論します。私のチームは米系投資銀行の中国支店で勤務していたクラスメイトの実体験について扱いました。内容としてはそのクラスメイトは投資銀行でコンプライアンスマネージャーとして勤務、そのときに親友で同社に働いているトレーダーが自身の取引をすることは認められないにも拘らず、親戚の口座を使って自身の利益になる取引を行っていることを発見します。その不正取引をしている友人は社内で大きな後ろ盾を持っている可能性があること、中国におけるguanxi(上司や政府など権力者と関係を築くことによって、物事が簡単に進めることができる)の重要性、トレーダーグループでは上司含めた暗黙の了解の中で同様の取引が横行している可能性があることなど、議論を複雑にするバックグラウンドがありました。
 議論の内容は多岐にわたりました。「親友の後ろ盾によって自身の社内での立場が危ういものにならないか?またリスクにどう対処すべきか?(どのように誰に報告するか?)」、「中国にある米系会社という中で考慮すべことは?例えば、アメリカ人を巻き込むことで中国的価値観を超えてEthicalな決断を優先できるのではないか?」、「親友であるという点は判断に影響するか?」、「コンプライアンスマネージャーでなければどうか?」等様々な観点でチームでの結論を議論します。異なるバックグラウンド(文化面、キャリア面共に)を持つチームメイトと自身の価値観によって答えが左右される内容を議論することで、無意識に当たり前と考えていた自身の価値観、Integrityへの考え方を自己評価することができ、Integrityの重要性について改めて見直す良いきっかけとなりました。また決まった答えがないからこそ、一つの答えを出すにはチームメイト一人一人を理解する必要があり、Diversityとは文化等のバックグラウンドを超えて一人一人の価値観の多様性、またそれを認め合うことだと気付かされた良い機会でもありました。

 海外MBAでは知識習得だけでなく、自身の無意識に当たり前になっていることを見直すことを通じて、人間力をレベルアップできる良い機会であったとと考えています。答えがないことを考え抜き、チームメイト一人一人と向き合った機会を与えてくれたこのクラスはこの一年半の中でもベストクラスの一つでした。