米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2016年12月5日月曜日

Product&Brand Management, おまけ就活

皆さん、こんにちは、1年制MBAのJungiです。
秋セメスターもいよいよ期末試験の時期になりました。本日は秋に取ったマーケティング関連の2つのイレクティブクラスの紹介とともに、アメリカ国内での就職活動についても少し触れたいと思います。

まず一つ目はダグラス・ボーマン先生のProduct & Brand Management のクラスについて紹介します。このクラスは企業のプロダクトマネージャーの視点に立ち、ブランド戦略の基礎を学ぶ授業になります。特に4つのアサインメントと一つの製薬会社のOTCについてのシミュレーションは非常に勉強になりました。定量分析を多く使うので、改めて、マーケティングは数字ありきだなと思いました。
また、それらの分析をサポートするためのリサーチツールについて、アメリカは本当に進んでいると感じました。
例えば、競合他社や業界のメディアスペンドを期間別、種類別に調べられるStradegyというツールは、自社のメディア戦略を考える上で、非常に役に立ちます。Share of Voice の試算をはじめ、メディアにかける予算を設定する際のベンチマークにもなります。例えば、TVコマーシャル一つにとっても、ケーブルテレビ、地方テレビなど細かいセグメントで、他社のスペンドを把握できる点は流石にすごいと思いました。http://stradegy.kantarmediana.com/
また、Simplymapというツールは、自社商品のターゲット顧客における全米各都市でのセグメント層の分布を下記イメージのようにヒートマップを使って可視化できます。
http://www.simplymap.com/login.html



授業の中身も非常に面白いのですが、なにより、基本チームでの作業になるため、経験者から教わりながら、学んだ内容を実践してみるというやり方は非常に良かったと思います。
 私の場合、以前製薬会社でマーケティングを担当していたクラスメイトとの共同作業を通じて、授業で学んだクラスター分析、コジョイント分析、回帰分析などを如何に実践で使うか、練習することができました。
二つ目はIntegrated Marketing Communication (IMC)というマーケティングでのコミュニケーションに特化したクラスで、顧客にどのようにメッセージを効率よく伝えるかがテーマになります。
トラディショナルメディアであるTVCMやプリントから、デジタル、プロダクトプレイスメントなど、様々な活用手法の基礎を学ぶことができました。また、メディアエージェンシーからゲストスピーカーが複数来るため、アメリカでのマーケティングのやり方について、いろいろと興味深い話を聞くことができました。Product & Brand Managementと違い、定性的な内容が多い一方で、前々から興味がありました、コミュニケーション戦略でのKPIの設定の仕方や、予算の設定と管理などの定量的な内容もあり、マーケティングを基礎から勉強さらたい方には、非常に役に立つクラスではないかと思います。

最後にアメリカ国内の就職活動について、少し触れます。これはあくまで個人の意見になりますので、ご参考程度に見て頂ければと思います。
MBA生にとって、アメリカで就職する2つの重要な手段として、
1)学校のキャリアセンター 2)National Black MBA Associationがあります。
前者はMBAを積極的に採用したい企業が直接キャンパスに来て、リクルートをする方法で、後者は恐らく全米で、アメリカ国内の就職を対象にした最大のMBA生向けキャリフォーラムになります。今年は第38回目のNBMBAA Conference and Expoがニューオーリンズで開催されました。
http://www.nbmbaa.org/

留学生にとって、アメリカで働く最大の難関はビザにあります。H1ビザの申請をサポートしてくれる企業がある事が大前提になりますが、今年の就活状況を見る限り、このようなビザスポンサーを提供している企業、特に事業会社はそんなに多くはありません。こちらアトランタには、本拠地を置いている世界最大級の飲料メーカーC、航空会社のD社、物流のU社がありますが、皆今年はビザスポンサーを提供していません。そもそも応募すらできない事になります。
積極的にビザのスポンサーを行っている業界の一つとして、コンサルティング業界がございます。エモリーでもBig4と呼ばれているPwCEYKPMG、デロイトをはじめ、アクセンチュア、ATカーニー、ベインなど名だたるファームが皆リクルーティングをしに来ます。MBA取得者には初年度から高額な年俸(平均10万ドル以上)を提示してきます。

もちろん、金融と並んで、MBA生のトップ2人気就職先業界になりますので、競争は熾烈です。枠が限られているため、アメリカ人の学生だけでなく、世界中から集まっているエリート留学生とも競いあう事になります。入社した後は、基本アメリカ国内のクライアントが中心となるため、ファームによっては、ネイティブ並みの英語力を求められます。
私の中国出身の同級生は, 最終面接で英語が完璧ではないという理由で落とされました。
私自身も、ボストンに本拠地を構える戦略系ファームから面接の機会を頂き、ボストンへ飛びましたが、結果は。。。

アメリカで働くことは、現状では物凄く厳しい。しかし、一方でオファーをすでに頂いている留学生の同級生も10人近くいます。ほとんどは2年制プログラムで、サマーインターン先からのオファーになります。インターンできる分、アメリカで働きたい方には、2年制プログラムは有利かもしれません。


長くなりましたが、参考までにニューオーリンズや、ボストンの写真を掲載して、今回の投稿を終わりにします。


グループアサインメントの後は、同級生の奥さんの手料理をご馳走になる。ブラジル家庭料理を初めて食べました。
このような文化のふれあいも最高です。

 

B社ボストンオフィス、建物がレトロすぎる。