こんにちは。2年制MBA Class of 2017のSuchです。
今回は先学期に履修した授業「Leading Groups and Teams」を紹介させていただきます。授業名の通り、いかにグループやチームの問題点に対応し、より良くオーガナイズされた組織を作っていくか、より良い成果を出していくかを学ぶ授業となっています。授業はexperimental learningを基本としており、毎回の授業で様々な実験、毎回違うメンバーでアサインされるメンバーで実際にチームワークを行うことで、様々な発見や問題点を身をもって経験することができます。
私はこれまでの約1年半のMBA生活を通して、段々とグループワークも上手くできるようになったなぁという印象もあるのですが、そのなかでもすごくオーガナイズされたグループと何か上手くいかなかったグループとがあって、そのグループワークの良し悪しを決めたものは何だったのか知りたいと考えていました。これがこの授業を履修した理由であり、実際にこの授業は私に様々な気づきを提供してくれました。以下に何点か、私が参考になった考え方、面白かった授業(実験)を紹介させていただきます。
①Fault Line
これはクラスメイトのなかでも参考になったという人が多かった考え方で、グループメンバーのバックグラウンドや関係性(仲の良さや関係の長さ)の違いによって、メンバー間にFault Lineと呼ばれる情報伝達や共同作業の壁(障害)が起きるというものです。これは当たり前といえば当たり前の考え方だと思うのですが、改めてこの考え方を意識してグループワークを観察していくと、多くのFault Lineを発見し、それに対処していくことができます。MBAでよくみられるFault Lineは、米国人学生 vs 留学生、男性 vs 女性、2 year program vs 1 year programなどです。Fault Lineの発生を防ごうということではなく、この障害を超えられるように情報伝達の仕組みを作る、グループが仲良くなるためのsocial outing(飲み会等)を行うといった対処をしていこうというものです。
②Group Observation
これは実際に他のグループのミーティングを観察したり、自分のチームのミーティングを撮影し後から観察するものです。ミーティングを観察されたり、自分のミーティングの様子をビデオで見るのは何とも嫌なものですが、多くの発見があります。この授業では、先述のFault Lineのような問題点を見つけるだけでなく、各メンバー間の発言回数からうなずきの回数まで細かに分析することで、様々な気づきを得ることができます。チーム全体のディスカッションに全く問題は無いものの、あまり議論に参加していないメンバーやメンバー間のやり取りにも偏りがあることがわかります。また私が観察したグループはクライアント(外部企業)へのコンサルプロジェクトを行っており、クライアントにどの程度プロジェクトへのコミットを要求するかについて、メンバー間の考え方に大きな違いがあることを感じました。この場合、授業ではExternal Team Dynamicsとしてチームの外部要因に対処する必要があると教わりました。
③Politics
これは授業中にロールプレイを行って面白かった概念ですが、メンバー間のPolitics(政治的行動)がいかにグループワークの進行とdecision makingに影響を与えるかについて学びました。ロールプレイでは、それぞれに違うインセンティブを持つ会社役員を演じ、取締役会決議を行いました。それぞれのメンバーが裏で「私の案に賛成してくれたら、あなたに有利になるように動く」というようなPoliticsを行っておりました。私は恥ずかしながら、他のメンバーがどのように動いているか全くわからず、決議結果は自分が働きかけをしたものと全く違うものになりました。このロールプレイの教訓としては、他のメンバーのPoliticsに早く気付き自分も早く動くべきというものです。実際の仕事では、ロールプレイでやったような激しいケースは無いと思うのですが、 自分の仕事を振り返ってみると、事前の根回し等、大なり小なりPoliticsとして動いているようなこともあり、重要な要素であると改めて思いました。
以上、この授業はグループワークというソフトスキルにフォーカスした授業として大変面白かったので、紹介させていただきました。少しでも授業内容の参考になりましたらうれしいです。
受験生の皆様は、年末年始の業務、受験プロセスの本格化とお忙しい時期かと思いますが、どうかお身体に気を付けて頑張ってください。
Such