米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2014年2月2日日曜日

マーケティング戦略への取り組み

こんにちは、Class of 2015のHenryです。
あっという間に2月を迎え、MBA受験もいよいよ大詰め!インタビューやキャンパスビジットに関して、連日受験生のみなさんから問い合わせをいただいております。
些細なことでも構いませんので、気になることがありましたら、こちらのEmailアドレスまで、お気軽にご連絡くださいね!

ここアトランタでは、先週火曜日(1/28)に異例の降雪に見舞われ、午後から授業が休講になるは、街中で大渋滞になるはの大混乱が起きました。



降雪量は2cmほどしかなかったものの、およそ500万人が昼過ぎに一斉に帰宅し始めたのが原因のようです。特に高速道路では全く車が進まなかったらしく、大学から少し離れたところに住んでいる同級生は、普段なら40分ほどの距離を、10時間(!)もかけて、ようやく帰宅したとのことです。。。
さらに、降雪こそなかったものの、ガス欠のため道路上に放置された車が道を塞いでいたことや、路面の氷が溶けきっていなかったことから、次の水曜、木曜も大学が閉鎖されてしまいました。



ところが、そんな状況下でも止まらないのが、今学期私が履修しているMP Elective、GMSC!!

(GMSCの大まかな概要、プロセスに関しては、こちらの投稿をご参照ください。)


私がアサインされているチームでは、毎週水曜日にチーム課題を提出し、木曜日に教授と打合せをして課題に対するフィードバックを受けたり、次のアクションに向けての意見交換をおこなっています。


しかし、大学が閉鎖されている今週に限っては、教授が電話会議をセッティングし、メールで送られてきた手書きのコメント入りの資料を見ながらディスカッションする形態が取られました。互いの表情が見えない中で携帯越しに8人と話をするのはなかなか奇妙なでしたが、どんな状況でも計画通り進めていく、という姿勢に気持ちが引き締まりました。

さて、そんなGMSCで取り扱ったArticleと、教授やチームメイトと議論した中で、マーケティング戦略立案に関して印象に残ったものを少しご紹介します。
内容はざっくり言うと、顧客洞察力を深め、長期的な視点で物事を考えることの大切さ、についてなのですが、Articleの中で、会社は大きく次の3つに分けられる、との記述がありました。

1.顧客を、彼らの望んでいない方向へ導いてしまう会社
2.顧客の言うことを聞き、はっきりと言葉に表されたニーズ(顕在ニーズ)に応える会社
3.顧客自身は未だ認識していないものの、きっと望んでいるであろう方向へ導く会社


さらには、将来を築いていける3.のような会社ほど、顧客を満足させることに留まらず、常に驚きを与え続ける、しかし現実には、多くの会社が2.に該当し、手に入る商品の中で顧客が何を好むかを知る調査に資金をつぎ込んでいるため、
顕在ニーズを満たす領域から抜け出せずにいる、とありました。

Articleにあったミニバン開発の失敗事例では、
過去にそうしたカテゴリに分類される製品が存在せず、フォードが市場形成に自信を見い出せなかったため、発案者がフォードから離れてしまいました。(後にクライスラーに渡り、後に成功をおさめたそうです。)

フォードの自動車開発のほとんどが既存製品の改良に費やされ、市場調査もそれに準じたものでしかなかったため、当時存在していなかったミニバンが欲しいかどうかなど、いくら消費者に聞いても答えようがなく、新市場を切り開いていけるかどうかの確証を得ることができませんでした。

有名な話ですが、Appleはこうした市場調査はおこなわず、自らトレンドを作り出す、という姿勢でiPodやiPhoneなどを生み出してきたと聞きます。


顧客の言葉の裏に隠された「潜在ニーズ」を探り、その潜在ニーズとウォンツの溝を埋めるための戦略づくりをおこなう、それが私の取り組んでいるGMSCのマーケティング戦略立案プロジェクトであり、日本企業があまり得意としていない部分ではないかと感じています。

こうしたHands-onの授業を通して実企業と協働し、戦略的な洞察力を養う。これこそMBAで経験できる、大きな醍醐味の一つではないでしょうか。