先週木曜日に"卒業まで残り50日パーティー"が催され、卒業の足音が着実に大きくなってきました。本ブログへの投稿もこれが最後かと思うと、感慨もひとしおです。
そんな中、本日はすっかり慣れ親しんだアトランタでの思い出を噛みしめるように、大手食料雑貨店のPublixが主催する「Georgia Marathon and Half Marathon」に参加し、ハーフマラソンを完走してきました(一緒に参加したClass of 2016のHazyはフルマラソン!)。Downtownにあるオリンピック記念公園を出発し、キング牧師ゆかりのエリア、ジミー・カーター元大統領の博物館、お洒落なVirginia Highlandを周ったあと、Piedmont ParkからMidtownの高層ビル郡、Georgia Techを駆け抜けてDowntownに戻ってくるという、アトランタの名所いいとこ取りのコースを走り、とても濃密な時間を過ごすことができました。これからエモリーにいらっしゃる方々も是非チャレンジしてみてくださいね!
ということで、前置きが長くなりましたが、前回のデータ分析に関する授業紹介に引き続き、今回は、過去に履修された先輩方の多くが絶賛されているにもかかわらず、一度も本ブログに登場したことのなかった(!)
「Advanced Competitive Advantage」という授業を紹介します。
ちなみに、このAdvanced Competitive Advantageが含まれる「Organization & Management」の分野では、現在、下記のような授業が提供されています。
- Leading and Managing Change
- Negotiations
- Business Ethics
- Entrepreneurship
- Applied Entrepreneurship
- Multinational Firms and Strategy
- Social Entrepreneur and Impact Investment
- Washington Campus
さて、最後のセメスターにMBA総仕上げの意味も込めて履修しているこの授業は、その名の通り、種々の競争環境の中で競合優位を築いていくための戦略を学ぶ授業です。教鞭をとるKEVIN P. COYNEは、元マッキンゼー アトランタ支店のトップで、現在は個人事務所を運営しつつ、この授業を担当しています。
授業スタイルは、以前のブログ(Why Emory を改めて考えてみる)でKokoroが触れていた、「理論の習得⇒ケースを通じた実践」が体現されたものになっており、2コマ連続の授業の前半はその前の週に出されたチーム課題をベースとするディスカッションで、後半はその週に課される課題に取り組むための理論がレクチャーされる、という構成です。そのため、既に学んだものを振り返る・定着させる⇒新たな理論・考え方を学ぶ⇒自ら手を動かす・考える⇒・・・というサイクルを毎週繰り返していくため、効率のよい学習ができるという特徴があります(その分、他の授業と比べると負荷は高めです)。
授業では、「巨人が弱者を圧倒する時の戦略」「柔能く剛を制す時の戦略」「競合コストの推定の仕方」、「パテント・マネジメントの重要性」など、毎回実践的で興味深いトピックが展開されていきます。例えば、大手半導体メーカーがいかにして低価格な製品を提供するメーカーを退けているか、や、格安航空会社が提供する低価格サービスの源泉はなにか、複数の人気アイドルグループがどのような差別要素をもってそれぞれファンを獲得しているか、などを深堀してきました。
そして何より、この授業の最大の特徴は、脳に汗をかくくらい自らの頭で考えて、自分なりに納得のいく答えを導き出そう、というマインド・セットが磨かれる、ことにあると感じています。初回の授業で教授から渡された読み物の中に、こうありました。
「毎年たくさんのMBAホルダーが世に出ていくが、誰もが同じように戦略の授業を学び、フレームワークが頭に入っている。しかし、理論やフレームワークとはあくまでツールでしかなく、緻密な分析や、業界に関する深い理解だけでは戦略立案とは呼べない。戦略とは、競争環境にさらされた自身の立ち位置をより優位なものにしていくための首尾一貫した概念であり、他者が気づかないような深い洞察力が求められるものである。」
確かにこの2年間のMBA生活で、エンジニア・バックグラウンドである私は、とても吸収しきれないほどの新しい学びと経験を身につけることができました。しかし、何もそれが本当に特別なことではなく、私がアクセスできるようなリソースには、他にも同じようにアクセスできる人が世界中にゴロゴロいるということを肝に銘じなければなりません。そうした群雄割拠な実ビジネスの環境下で、他者がまねできないような非対称性(あるいは個性)を常に追い続けられるよう、意識していきたいと思う所存です。