Class of 2013のTomoakiです。
さて、私事で恐縮ですが、僕は日本にいたとき、働きながらMBAに通っていました。
Bond大学というオーストラリアにあるMBAの通信教育なのですが、日本にいてもきちんとMBAの資格をとれる優れたカリキュラムです。
ご存知の方も多いと思いますが、元マッキンゼーアジア地区会長を務めたコンサルタント大前研一さんが開いたMBAで、在学2年間の費用はだいたい280万円程度です。
僕の場合、通学途中で海外留学が決まったので、この通信制大学を途中で退学して、最後までカリキュラムを終わらせなかったのですが、それでもアメリカ留学でのMBAと日本での働きながらのMBAという両方を経験しました。
多くの人にとって、海外留学でのMBAは大きな目標だと思うのですが、現実問題として、会社に海外留学制度がなかったり、私費での海外留学はコストがかかりすぎるなどで、実現することが難しい場合があります。
ですので、今回はアメリカMBAでの経験と、日本での働きながらのMBAの違いを書いてみたいと思います。
僕自身にとっては国内で働きながら勉強したMBAはとても大事な経験だったので、両方の違いを把握することで、海外留学だけでなく、国内MBAにも目を向けていただけたら光栄です。
さて、最初に結論を申し上げると、国内での働きながらのMBAとアメリカ海外留学でのMBAは全くの別物です。以下、知識、ネットワーク、国際感覚という3つの要素に分けて、何が別なのかを説明していきたいと思います。
��.知識
いきなりですが、純粋なビジネス知識を求めるのであれば、アメリカ留学よりも母国語で勉強する国内MBAの方をおすすめします。
やはり、知識の定着量、理解の深さは英語よりも日本語で勉強する方が効率的です。
アメリカでの留学は、英語での勉強になるので、どうしても知識が定着しない、授業での理解が進まないということが起きます。
もちろんファイナンスやアカウンティングなど、数字を使う授業では、英語も日本語もあまり違いはありませんが、ストラテジーやマーケティングなど定性的な授業では、母国語で勉強する方に分があります。
一方、日本で研究が進んでいない分野を勉強する場合には、アメリカ留学の方が優れている場合もあります。例えば、Negotiationという授業では交渉術を学ぶのですが、この授業では互いに与えられた情報が異なったまま、クラスメートを交渉相手役にして、交渉をビデオにとり、自分の交渉方法が効果的だったのか学ぶ授業です。
こういった分野は日本では進んでいないので、研究がアメリカの方が進んでいる場合にはアメリカ留学でのMBAに分があると言えます。
また、国内MBAで仕事をしながら勉強をすると必死さの度合いが違います。
僕は働きながら国内MBAに通っていたので、当時の生活はかなりハードでした。
だいたい毎日夜1時頃に仕事から帰宅するのですが、そこから1~2時間程度MBAの勉強。 土日にはグループミーティングがあるので、土日もディスカッションなどをこなすと、土日の片方はつぶれるという形でした。
昼休みや電車の中といったちょっとした時間も、MBAの課題を考えたりするので、本当に一日中集中しているという感じで、無駄な時間がなく、とても充実した毎日を過ごしていました。
もちろん、海外留学の様に、仕事をせず勉強だけに集中できる環境では、100%勉強や学校での活動に費やすことになるため、別の大変さがありますし、海外での環境に慣れるという意味で、「必死さ」があります。ただ、やはり、ハードさで言えば、働きながらの国内MBAの方に軍配が上がると思います。
��.ネットワーク
MBAに通う理由の一つに、MBAで素敵な知り合いを作るということがあります。
ネットワークとしては、日本人同士のネットワークが直接仕事につかえる場合が多いので、国内MBAは人的付き合いとしても効率的です。
更に、働きながらMBAをしていると、やたらと「気合の入った人」が集まってきます。
やはり、280万円の学費を払って、相当の時間をMBAの勉強に費やす決意をした人というのは、優秀な人が多くて、そこでは多くの刺激をもらえることができました。
また、国内MBAの平均年齢は30代半ばとアメリカでのMBAよりも高いのでその分、仲間から多くの話を聞くことができます。
もちろん、アメリカでのMBAもアメリカ人や他の国籍の人とネットワークを築くことができます。アメリカMBAでも、当然優秀な人間が入学してきますので、特に日本だけでなく国際的に働きたい人にとっては有益なネットワークを得ることができると思います。
��.国際感覚
国際感覚という意味では、日本MBAよりもアメリカでのMBAの方が断然有益な経験ができます。
英語での授業、アメリカ人との議論、文化の違いといったお金では買えない経験が海外留学では得ることができます。
また、ケーススタディーなどで出てくる企業の大半が欧米の企業なので、欧米の企業を通じて、彼らの文化やマインドセットを学ぶこともできます。
ただ、僕の通っていたBond大学のMBAでは授業の半分が英語でした。通信教育だったので、ビデオを見るという形ではありましたが、英語の授業を集中して聞くというのはとても貴重な経験で、かなり英語の能力向上に貢献できたと思っています。
さて、つらつらと国内と海外のMBAの違いを書いてきましたが、冒頭でも申し上げた通り、両者は全くの別物です。
海外MBAの方が華やかだし、国際感覚も着くし、海外留学はとても素敵な経験だと思いますが、国内MBAも知識の定着やネットワークという意味では引けを取りません。
海外留学は難しいけど、MBAには行ってみたいと思う方は是非、働きながらでも、国内MBAに行くことをお勧めいたします。
大変ではありますが、その分、貴重な経験を得られることは保障できます。