米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。
当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。
2009年2月9日月曜日
Goizuetaでの生活~其の二百四十三
上の写真はAtlantaのNike Run Clubのものです。
ご覧のように、店内にある靴をかりて、それをはいて走ることが出来るようになっています。
僕はこれは非常に有効なマーケティングだと思います。
まず、ランナーがNikeの靴を試し履きすることが出来ます。
そして、Nikeの靴に興味がないランナーでも、とりあえず履いてみようと思います。
なぜなら、ランニングシューズというのは消耗品だからです。
他の靴も当然消耗品なのですが、ランニングシューズは特に軽さを追求しているため、どうしても耐久性が劣るのです。
というわけで、ランナーであり、そして特にコストを気にするのであれば、出来るだけ自分が気に入っている靴を履きつぶさないようにしたいはずなのです。
走る距離によって靴は確実に消耗するからです。
となったときに、このような機会があれば、「新しい靴を履けるし、今自分が気に入っている靴を消耗させなくてするから参加してみようか。」という気になると考えられるのです。
そして、そのようなランナーこそ常に自分に合う新しい靴を探しているものなのです。
つまり、その靴が自分に会うとわかったときには、その靴を買う可能性が高いのです。
というわけで、僕もこの靴にはいつもお世話になっています。
最後に、仕事帰りにこのNike Run Clubに参加する誘引になります。
ランニングシューズは軽いですし、大きな荷物ではありませんが、それでもオフィスにランニングシューズを持っていくのは結構邪魔なものです。
しかも、走るとなると、少なくともTシャツと短パンだけは必要になります。
でも、仕事用の革靴で来て、Nikeの靴をかりて走り、Nikeの靴を返して、またもとの靴で帰ることが出来れば利便性が高まることは言うまでもありません。
Nikeはいろいろ新しいことを始めることが好きな会社という印象がありますが、その戦略はこのように非常にダイナミックです。
費用がどれくらいかかっているのかはわからないのですが、長期的にその費用を回収しようと考えているのは明らかです。
そのあたりの視野の広さ、懐の深さが長い間業界をリードし続けることが出来ている秘訣かもしれません。