米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。
当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。
2008年11月1日土曜日
Goizuetaでの生活~其の百四十六
上の写真は昨日紹介させていただいたHalloweenのかぼちゃです。
学生はもとより、教授や学校のスタッフが子供を連れてきていました。
さて、本日は昨日紹介させていただいたNegotiationが実際に役に立つのかどうかについて、個人的な経験を紹介させていただきます。
実は昨日ある試験の採点に抗議をするために、教授に会いに行きました。
これは一つの交渉であり、当然僕は点数を上げようとし、教授は点数を上げまいとするわけです。
この年になるとどうでもいいから何とか点数を上乗せしてもらおうということは考えないわけで、抗議をするからにはそれなりの根拠があります。
そしてそれなりの根拠を持って交渉をしにいくからには、その根拠は大体正しい、と少なくとも自分では考えています。
しかしそれは教授は百も承知で、そこで点数を変えていたら収拾が付かなくなるのです。
ビジネススクールではopen-endedな問題が多いので、採点にぶれが出るのはある意味仕方がないと思っています。
どの学生のどの問題にも多少のぶれはあるわけで、そのぶれは大体の場合は差し引きゼロになるわけです。
しかし、差し引きゼロにならない可能性もあるわけで、マイナスの学生には涙を呑んでもらうしかないのです。
不合理なような感じもしますが、世の中そんなものであるということはみな理解しています。
というわけで、お互いに手の内をわかっている以上、お互いの出方は手に取るようにわかります。
その上で点数を上げようとするからには、それなりの交渉術が必要になります。
しかも相手はアメリカ人で、ここはアメリカです。
一般的にアメリカ人の交渉能力は日本人とは比べ物にならないほど高いのです。
この点数交渉の内容もあまり明らかには出来ないのですが、Negotiationで学んだことを生かすことが出来たと自分では考えています。
交渉においては、相手と友好的な関係を築くことが非常に大切です。
これはよく誤解される点ですが、友好的な関係を築くことにより、相手の情報を知りやすくなりますし、相手が譲歩しやすくなります。
Negotiationでよく強調されるのは、「交渉の枠を如何に作るか」ということです。
つまり、決まった大きさのパイを取り合うのではなく、どうやってお互いが取りうるパイの合計を大きくしていくか、ということです。
そうすることにより協力関係が生まれ、最終的にはお互いがより得をすることが出来るようになります。
今回の点数交渉でも、教授の主張より自分の主張が正しいということではなく、教授の主張を認め、その上で自分の主張する考え方も存在し、その考え方も同じくらい妥当なものであるという主張をするようにしてみました。
そうすることによって教授もより譲りやすくなるのではないかと考えたのです。
それがうまく機能したかどうかはわかりませんが、個人的には協力関係を築くことが出来たと考えています。